前編に続きます。
前編の内容をおおざっぱにまとめると、
- 去年の広報委員会はPTA広報誌を作るにあたり写真掲載NGの生徒の対応に苦労したこと
- 写真チェックする側の副校長先生も大変だったこと
- 去年の広報委員会の要望を受けて今年(平成28年度)の「個人情報の掲載について」という学校からのアンケートが下記のように改良されたこと
です。
アンケートはこれです。
(前編に載せたのと同じものです。)
最初に見たときは、「PTA広報誌の欄ができたんだ」とただ漠然と思いました。なんとなく違和感を感じていたので、書類をスキャンしておきました。
このアンケートには、つっこみどころがあります。
「PTAと学校は別団体」ということを念頭に置くと、ついでとはいえ学校がPTAのアンケートを取るのっておかしくないですか?
「そう固く考えなくてもいいじゃない」という人もいそうです。確かにそうです。
しかし、個人情報保護法や条例の運用を前に、上記のアンケートは私達PTA広報委員にとってほぼ意味をなさないことがわかりました。
状況や理由を整理します。
- 学校が行ったアンケート
- アンケート結果の個人情報管理は、学校が行う
- 写真掲載NGの生徒名簿は、PTAに開示できない
- NG生徒の人数だけ、教えてもらえた
- その数、40数人。生徒数の10%弱にのぼる
- 部活名は把握できていない
それに加えて、私達のニーズは下記の通りです。
- DTP作業の前、できれば写真撮影の段階で、写真NGの生徒はスクリーニングしておきたい
- 写真NG生徒の氏名と学年・クラスが知りたい
- 写真NG生徒の部活が知りたい。部活動紹介号で、集合写真を部活ごとに撮るため。
- 部活動の集合写真を撮るたびに、40数人ぶん確認するのは、非現実的
- 部活ごとに生徒を把握できれば、確認は数人ずつですむ
このニーズをみたすことは、自分たちで作業をコントロールできるメリットと、副校長先生および自分たちの無駄な労力を省けるメリットがあります。
そこで、私は一計を案じました。
私達は写真NGの生徒の部活を知りたいんだから、 PTAでアンケートを取ればいいじゃない、と。ついでに、お子さんによってはアップは嫌だけど部活の集合写真ならPTA広報誌に載ってもいいというケースがあるかもしれないから、それも確認しよう、と。個人情報はそれを必要とする団体が自分たちで集める、がいまどきの鉄則です。
さんざん考えて作ったのが、下記のプリントです。
写真の分類を、A、B、C の3種類にしました。具体的にどんなものかは、上記の画像をごらんください。
A : 顔がはっきり見えるもの、個人が容易に特定できるもの
B : 集合写真(部活等)、顔が小さいもの、群像等で目立つ位置
C : 群像(合唱コンクール、体育大会等)、小さめの全身像、顔が見えないもの
写真掲載の条件を、下記のようにしました。
A : 掲載有無は、ご希望に沿います
B : 掲載有無は、ご希望に沿います
C : どの生徒も掲載します
これで、「アップ(A)は嫌だけど集合写真(B)ならいいよ」という生徒に対応できます。もちろん、「AもBも嫌」という生徒にも対応できます。いる確率はひくいけれど「AはいいけれどBは嫌」という生徒にも、対応可能です。「AもBもいいよ」という生徒は、希望表を提出しなくてよいようにしました。
そして、C分類の写真に関しては、全員掲載の方針を明確にしました。「これくらいの小さな写真は、全員載せるからよろしくね」と言外に念押ししているところが味噌です。
だって、去年、広報誌の印刷前のカラー原稿(プリントアウト)を保護者がチェックしたケースがあるんだとか!!
副校長先生いわく、写真は「親なら自分の子だとわかる」ものだそうで、それは我が身を振り返っても納得。去年の広報誌に載った娘は、どんなに小さな写真でも、わかります。でも、そんな小さな写真、他人の子ならまずわかりません。そんなものまでチェックされたらたまらない、できれば未然にふせぎたい、というのが正直なところです。
なので、プリントでは
- わかりやすさ
- 明快な説明
- 希望が何通りかだせること
を心がけました。透明性を高くして、信用してもらうこと、を目指したのです。
その結果、生徒写真掲載NGの希望者は、たった10名でした。しかも、10名全員が、「アップ(A)は嫌だけど集合写真(B)ならいいよ」というパターンでした。
学校アンケートの40数名から、ずっと減ったことに安堵しました。もちろん該当者の部活も把握しています。
部活動紹介号に載せる集合写真を撮るとき、アップNGの生徒には声をかけ、目立たない位置がよければそこに行ってもらうなどの配慮をしています。
合理化、成功です。 ご参考になれば幸いです。
大塚さんの「Pコワ本」で、てぃーこさんのインタビューにあった、「合理化を目指すけれど必要なところには手をかける」、ということの例になるかとも思います。
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