草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

「義務」には2種類ある

2015年05月06日 | ちょこっと背伸び - 猫紫紺の気付いたこと

田所さんのブログにコメントしていて、ふと気づきました。

「義務」には、2種類あると。

  1. 法的義務
  2. 社会通念上の義務

「義務」は、手持ちの辞書(三省堂 新明解国語辞典 第四版)によると
「その立場にある人として当然やらなければいけないとされている事」と定義されています。これより一歩踏み込んだ、解釈です。

例えて言うなら、
給食費をはらうことは、明確な法的根拠を持つ「法的義務」。
学用品代をはらうことは、法律の明文規定はないけれども、社会的にみとめられた「社会通念上の義務」。
…と、解することができそうです。 

 

学用品の保護者負担に関しては、最高裁判例( 昭和38(オ)361「義務教育費負担請求」)が出ています。これはもともと教科書費用負担をめぐっての裁判だったようです。リンク先のPDF(直リン注意)から、関連する部分を引用します。

*** 憲法解釈と、教育基本法解釈 ***

 憲法二六条二項後段の「義務教育は、これを無償とする。」という意義は、国が 義務教育を提供するにつき有償としないこと、換言すれば、子女の保護者に対しそ の子女に普通教育を受けさせるにつき、その対価を徴収しないことを定めたもので あり、教育提供に対する対価とは授業料を意味するものと認められるから、同条項 の無償とは授業料不徴収の意味と解するのが相当である。そして、かく解すること は、従来一般に国または公共団体の設置にかかる学校における義務教育には月謝を 無料として来た沿革にも合致するものである。また、教育基本法四条二項および学 校教育法六条但書において、義務教育については授業料はこれを徴収しない旨規定している所以も、右の憲法の趣旨を確認したものであると解することができる。

*** 学用品について、上記の解釈をうけて ***

 それ故、憲法の義務教育は無償とするとの規定は、授業料のほかに、教科書、学用品 その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものと解することはできない。

*** 学用品を無償化するには、立法措置が必要 ***

 もとより、憲法はすべての国民に対しその保護する子女をして普通教育を受けさ せることを義務として強制しているのであるから、国が保護者の教科書等の費用の 負担についても、これをできるだけ軽減するよう配慮、努力することは望ましいと ころであるが、それは、国の財政等の事情を考慮て立法政策の問題として解決すべ き事柄であつて、憲法の前記法条の規定するところではないというべきである。

*** 引用以上 ***

現在は教科書は無料になっています。

これについては、文科省サイト「教育基本法資料室へようこそ!」にて、「現在は教科書無償措置法等により、義務教育段階においては国公私を通じて教科書も無償」と確認できます。




最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
社会通念上の義務は、誰が決めるのか? (minmin)
2015-05-06 21:58:04
猫紫紺さん、こんばんは。

実は、私も、この考え方には賛成の気持ちも
少しはありました。多分、どの親御さんにも
あると思います。(少しは…です。)

ですが、問題は、「法に拠らない義務を誰が
どのように判断して、それを他人とどのようにして共有し得るか?」だと思います。

法治国家に於ける権利と義務は、あくまでも
法に拠らねば、法治国家たる根拠がない
事になりますよね?

なので、結局は「義務」と他人に対して
言い張るから、変な方向に話が向かうのであって
「こうする方が、自分は好きだ。」と云うか
物の考え方の違いが大きい人とは、気が合わない
けれど、物の見方や考え方が似た人とは楽に
付き合えますよね?そう云うレベルの事かと
思っています。

そして、似た人同士では、何の問題もない事が
全く違う価値観の人同士では、軋轢を生む元に
なってしまうのだと思います。

「法に拠らない義務を説く人達」は
共通した幻想を持っていると思います。
それは、一つのものや事に対して、全員が同じ
感じ方、見方をするのが当たり前だ。
そうでなければ、ならない…との幻想です。

そして、善意を持って為された事に対しては
出来が悪くても、当人が不要と感じていても
或いは、苦痛であっても、歓びの意を表明して
当然である。それが、善意に対する礼儀であるとの考え方を感じられてなりません。

人と人とが繋がるのは、素晴らしい事ですが。
猫紫紺さんのお辛かった時のように
人と繋がらないでいる事を選びたい時もあると
思うのです。繋がらないで居られる自由というか?

そういう風に考える時。
誰か他の人のその時の価値観で
(PTA会長の意向とか?校長の意向とか?)
法律の上に、その特定の誰か、の価値観が
上位とされて、他人に対して強制を強いる
関係は、怖いなと思います。
そして、その場合、多くは、その特定の誰かは
正義に側にあると思っている事が多いのですから。

PS. あくまでも、「強制」が、話のキーポイントです。強制ではない、出来れば望ましいレベル
でしたら、誰にだって、願望や希望はあるので
問題は無いと考えます。
授業参観後の保護者懇談会を充実する (minmin)
2015-05-07 08:40:52
猫紫紺さん、お早うございます。
前のコメントでは言いそびれた事を補足します。

「強制」や「義務」が、付いてしまうと
どうしても従来型PTAでの役員決めや無駄な
時間ばかりが目立つ集まり(会議)を
思い出してしまうので、拒否感を感じますが。(笑)

授業参観後の懇談会を充実させた方が、
担任の先生の学級運営の方針とか、今の
クラスの問題点とかに、気付きやすいと
思います。何なら、その後にペットボトル等を
持ち込んで、「簡単な茶話会」でも行って
寛いだ雰囲気の中で、保護者間の親睦を
図ってもいいと思います。

面白かった話題は、忘れません。(笑)
当時、小学校5~6年だった長男のクラス担任が
話してくれた事を憶えています。

1人の男子児童が、「先生なんて、僕の事を
何にも分かっていない。」
「友達も嫌いだ。」と言って、不登校になりかけた時がありました。お母さんも随分心配したそうです。成績も良く運動も出来るお子さんでした。

偶々、クラスでは、その頃流行りの釣りブームで
男子児童達は、みんなと言って良いほど
釣りにハマっていました。テレビ番組もあった程です。担任の先生は、土日祝日に、その子を
誘って、川釣りに出掛けたり、お気に入りの
自分の竿をプレゼントしたりすることで
その子の気持ちを掴み、徐々に、元の
元気な少年になって、元気に登校して来る
ようになったそうです。

不登校になりかけた原因は、同居していた
大好きなお祖母ちゃんが、亡くなった事。
とても、喪失感が大きかったようです。
それに加えて、勉強も出来た優秀なお子さん
でしたから、少し早めの思春期が始まり
世の中を厭世的に観たりして、まだまだ
幼い同級生に違和感を感じたり、両親には
思春期特有の反発を感じて、素直になれない
事が、引きこもりの発端だった様でした。

担任が、「亡くなったお祖母ちゃんのように」
自分を心配し親身になってくれることが、
不登校になりかけた男子児童の気持ちを解して
元の生活、クラスへ還るキッカケを作ったと
同席されていたお母さんが、感謝を述べていました。

担任が、時には、一見、えこひいきとも
とれる言動だったかも知れませんが
クラスの仲間の中で、弱っている状態だと
判断した場合には、重点的にそのお子さんを
フォローする必要があります。
平等に拘っていては、救えない場合もあることを
ご理解下さい、と仰ったのが印象的でした。

その子は、やがて、中学校では、リーダー的な
存在になり、高校生の頃の長男の話では
医学部を目指しているという事でした。

ですが、こんなに感動的な指導が出来る担任の
先生が、その後、女性問題を起こし
(同僚の若い女性や別の児童の保護者と)
異動するハメになるのですから
人間って、面白いですよね。(苦笑)
Re: 社会通念上の義務は、誰が決めるのか? (猫紫紺)
2015-05-07 14:09:00
■minminさま■

やっぱり、minminさまは鋭くていらっしゃるなぁ~
いちいち頷きながらコメント拝読してしまいました。

>「法に拠らない義務を説く人達」は
>共通した幻想を持っていると思います。
>それは、一つのものや事に対して、全員が同じ
>感じ方、見方をするのが当たり前だ。
>そうでなければ、ならない…との幻想です。

深い、お言葉です。
天下泰平、視野狭窄。自己と他者の区別はついているの?
…と突っ込みたくなります。
たぶん、そんな人たちは、他者をコントロールしたくて
「義務」という言葉を使うのだと思います。

善意、もやっかいですよね。
善意から人を傷つけることもありますもの。
場合によっては、悪意よりたちが悪いかもしれません。

「繋がらないで居られる自由」ですか。
これもまた、難しいですね。
元気で(いや病気していても)自立して生活できている間は
いいですけれど…お年寄りの孤独死など考えるとどうなんでしょう。

「つながれる状態だけど、繋がらない選択をする」ことは
「つながりたい時は、いつでも繋がれる」ことが
保証されていることが必要な気がいたします。

「繋がらないでいることを選択した結果、孤立する」
というのは避けたいです。
ああ知恵熱(笑)

強制と義務、めったな理由なくしては
どちらも他人さまに対して振り回したくはないですし、
誰かから振り回されたくもありません。
Re: 授業参観後の保護者懇談会を充実する (猫紫紺)
2015-05-07 14:18:40
■minminさま■
こんにちは。

保護者会を授業参観の後にもってくること、
いい工夫ですね。

>平等に拘っていては、救えない場合もあることを
>ご理解下さい、

必要な子に相応の手をかけ目配りをすることは
大事なんですね。

えぇ話やぁ~~
ほんとにえぇ話やぁ~~

…と思っていたら、オチに大笑いしました\(^o^)/
人間って、おもしろいですね。

そこまで情熱的で、愛情を持って指導できる先生は
人間的にも魅力あるでしょうし
生物学的に、エネルギーが豊かな証拠かもしれません。
モテちゃったのね。
死ぬ時は、誰しも孤独死なのでは? (minmin)
2015-05-07 21:42:05
猫紫紺さん、こんばんは。

私自身の事をちょっと書きますね。
50代半ば過ぎです。結婚して、息子が2人
主人はひとり。(笑)当たり前。

実家の両親を結婚後、26歳の時に父を
28歳の時に母を亡くしました。

父は、突然の心筋梗塞で、出勤途中の道で
車を運転中に発作を起こして亡くなりました。
幸いにして、若い頃からの車好きが功を奏してか?誰をも、事故に巻き込まず、一人車道の
中央分離帯に乗り上げてハンドルにうつ伏せて
いるところを大型トラックのドライバーが
気付いて、救急車で搬送されたそうです。

私は、長女なので、警察から電話が職場にあり
病院に駆け付けた時には既に、司法解剖された
後でした。出先での不審死という事で、死因を
特定する為には必要な処置でした。

母は、父の死から2年後の3回忌を済ませた頃から体調を崩し、僅か二週間の入院で逝って
しまいました。ただ、3人いる妹のうち2人を
嫁がせ、私の産んだ初孫を抱かせてあげられた
事は良かったと思っています。胃がんでした。

主人の実家の父を、子供が幼稚園と1歳児の
頃にやはり、突然の心筋梗塞で、緊急手術も
しましたが、その後ICUに入ったまま、意識を
回復する事なく亡くしています。

母は、入院してから、姉妹四人で交替で
病院に詰めて看病が出来たので思い残すことは
無いのですが、本人に希望を持って治療に
臨んで貰いたく告知はしませんでした。
そう云う時代でも、ありませんでしたしね。
私の責任で、延命措置はしないと決めることが
辛かったです。

案外に、人は、身近な人に別れを告げてから
旅立つことは少ないのでは無いでしょうか?
私は、看取った身内の誰とも、別れを言えて
いません。

ですから、孤独に死ぬ事は、案外に怖くないのではないかと想像しています。
それよりも、孤独に生きることが、年老いて
からは切ないのではないかと。

私に出来るボランティアとして(笑)
お店に来店される年配の方には、ちょっとだけ
余分な言葉を交わすように、心掛けています。

「いらっしゃいませ」と
「ありがとうございます」の他に
「良いお天気ですね~♪」とか
「お寒いので、気を付けて下さいね。」とか
「いつものお気に入りの商品が入荷していますよ。」とか…(笑)

自分の事をいつも、気に掛けてくれる人間が
いると感じることが、誰にも必要な事だと
思うから。(笑)長話しは出来ませんけどね~♪
それを赦す店である事が、私が勤め先として
気に入ってるところです。
Sさんって、素敵な方ですね♪(笑) (minmin)
2015-05-07 22:29:50
猫紫紺さん、ちょっと田所さんのブログを
覗いて来ました。(笑)

猫紫紺さんとSさんとのコメントを拝見
しましたが、キチンと対応されていて
お二人共に大人だなぁと感嘆しました。

詳しくお聞きすると、運営側としては
御尤もな御意見で、納得です。(笑)
私自身も、100世帯超の分譲マンションで
理事会の役員として、又は、自治会の
役員としても、行事への参加をとりまとめる
係をした経験があり、思い当たる節が
ありました。(汗)

特に賛同するのが、幹が合意出来ていれば
枝葉の部分は違っていてこそ、面白いと
仰る余裕がある姿勢ですね♪

ただ一つだけ、心配があるとすれば
このような素晴らしい方の後を、その後の
方々も、同様な胆力を持って運営し続ける
事が可能だろうか?

という一点です。
管理組合説は、いただけないと思っています。(笑) (minmin)
2015-05-09 23:23:41
猫紫紺さん、いい忘れました。(笑)

猫紫紺さんが、コメントをやり取りされていた
部分のみの感想ですよ。(笑)
逆に言えば、Sさんが、お答えをし易い部分
のみ、だったとも言えますが。(笑)

本当に、突っ込みたいところは
「管理組合説」の部分だったので。(苦笑)

私は、現実に自分が分譲マンションに住まい
管理組合にも当然ながら、加入して
理事会の役員も輪番制で、既に2回も
経験していますから、PTAとは、全く
違う組織である事は、疑う余地もありません。

マンションの区分所有者が、管理組合を
通して自分の財産でもある不動産としての
マンションの管理を行うことは、権利でもあり
当然ながら、義務でもあります。

公の持ち物(と云う言い方は可笑しいけど)
である所の公立学校を、偶々、その学校の
児童の親であるからと言って、マンションの
管理組合と同等の義務が生じると考える事は
逆に、公立学校が、まるで、その時の在校生の
保護者の持ち物であるかの様な言い方で、
公の財産を、私有財産の様に観ることは
どうかと思われます。

…と云うよりも、個人の意見が、法律で
任意団体と位置付けられていることを
覆えすことは出来ないと、分かりきっているので
争わないのでしょうが。

PTAに多くを求め過ぎると云うか、PTAで
世直しは出来ないと思うのに、色々な
社会問題を、PTAで解決しようとして無理を重ね
更に、多くの保護者から背を向けられて
しまっているのが、従来型のPTAではないかと思いました。
Re: 死ぬ時は、誰しも孤独死なのでは? (猫紫紺)
2015-05-10 17:28:22
■minminさま■
随分お若い時に、ご両親を相次いで亡くされたのですね。
お父様の突然の死には、どんなに驚かれたことでしょう。
大変なご経験をなさったのですね。

考えさせられました。

こんな話を思い出しました。
『チベット死者の書』を読むと、ひとは、亡くなってから
49日間、この世をさまようそうです。
この期間を「中庸(バルドゥ)」というそうで
会いたい人に会いにいけるようです。
何年も前の、記憶で書いておりますが。

>それよりも、孤独に生きることが、年老いて
>からは切ないのではないかと。

そうそうそれ!
それがいいたかったのです。
言語化いただいて、ありがとうございます。

>私に出来るボランティアとして(笑)
>お店に来店される年配の方には、ちょっとだけ
>余分な言葉を交わすように、心掛けています。

>自分の事をいつも、気に掛けてくれる人間が
>いると感じることが、誰にも必要な事だと
>思うから。(笑)長話しは出来ませんけどね~♪

素敵な取り組みを実践なさっていて
流石だなと思いました。
対面で気持ちを交わすのは、一言でも可能だと思います(^^)
Re: Sさんって、素敵な方ですね♪(笑) (猫紫紺)
2015-05-10 17:30:39
■minminさま■
いやいやいや、過大なお褒めの言葉をたまわり恐縮です(^^ゞ
人格と、考え方(意見)は、別のものだと思っております。
程度問題ではありますが。

>このような素晴らしい方の後を、その後の
>方々も、同様な胆力を持って運営し続ける
>事が可能だろうか?

そこが、PTAの限界でもあります。
時間とともに、人が交代する周期が早いこと。
Sさんは、Twitterによりますと、
マニュアルつくりをしていらっしゃるそうですから
そこいら辺に期待しております。
Re: 管理組合説は、いただけないと思っています。(笑) (猫紫紺)
2015-05-10 17:31:26
■minminさま■
はい、私も、管理組合説は、いただけないと思っています。
田所さんも、法的には変、とエントリ本文(質問)のなかで
Sさんにご指摘なさっています。

私は、
>ちょっとそれは拡大解釈だと思います。
>田所さんの丁寧なつっこみには感謝です。

と、簡単に指摘するにとどめました。

今、別の方が、管理組合説について
鋭い突っ込みをコメントでなさっています。
動向に注目です。

>PTAに多くを求め過ぎる

同感です。

>PTAで世直しは出来ない

…申し訳ないのですが、私は、PTAが【まともに】機能すれば
世直しをできる可能性を秘めている…と夢見ています。
現状では、大変難しい話ですけれども。
何世代かかけて、ゆっくりと改善していくレベルの
気の長いプロジェクトだと感じています。

>社会問題を、PTAで解決しようとして無理を重ね
>更に、多くの保護者から背を向けられて
>しまっているのが、従来型のPTA

ここには、同感です。
いろいろとわかっている知人は、寄り付かないようです。

コメントを投稿