後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

気楽にお墓を作る、そして散骨も良いです

2009年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

引退すると時間が出来ます。人生のこし方を振り返ったり、趣味を楽しんだり出来ます。気力も衰えてきて、怒る元気も無くなってきます。周囲の人は、「老年になって人格が出来てきた」と、本気で褒めてくれます。本当は怒る気力が次第になくなってきただけです。その頃になると死んだ後に遺族に迷惑をかけないように自分のお墓をたてる気になります。数年前に気楽につくってしまいました。遺族が行きやすい交通の便のよい郊外の墓地です。どんな宗教でも良いそうです。中年になってからヨットを続けてきましたので、墓石には「風」という一字を大きく彫りつけました。広大な小平霊園のそばにある花の絶えない墓地です。良心的な墓石屋さんが運営・管理しています。時々家内と一緒に遊びに行って自分達の墓を見ます。四季折々花々が絶えないように墓石屋さんが栽培しています。小さな花の公園へ遊びに行った気分で楽しいです。

ところが最近、墓をつくらないで海や山へ散骨をする人々が増えて来たそうです。

「散骨の仕方」として検索すると、適切な案内があります。礼儀正しく、周囲の人々へも配慮して行う限り、特別な許可は不要なようです。今日、「人生いたるところに青山あり」という記事を掲載しましたところ、メルさんという方から義父の方の散骨の様子をコメントととしてご投稿してくださいました。以下にご参考までにご紹介いたします。

藤山様

おじいちゃん(義父)の散骨場面を載せてたブログをご紹介して頂いて、ありがとうございます。
父は東大の造船科を出て、初めは軍艦を設計していましたが、余力でヨットを設計しては、自分で作り、母が帆(セ-ル)を縫い、ブログの写真の下田から出たそうです。 その後は 亡き、石原裕次郎さんや、現石原都知事さんの船も設計したりするところまでいきました。

ヨットを自ら設計し、自ら乗り、設計した数は少なくとも60艇はあったそうです。

仲間に愛され、散骨の時は、たくさんのヨットが油壺の海に出て、皆さんに見守られながら、逝きました。(私のブログ、ヨット編に載せています。)

悲しみと、清々しい気持ちが入り交じって 涙したことが昨日の事のように思い出されます。

その後、おばあちゃん(義母)も同じ位置に散骨しました。
きっと今頃は海の底で二人仲良く、幸せに眠っていることでしょう・・メル 

(藤山からの補足:このおじいちゃんはヨット乗りには有名な渡辺修治さんです。ヨット専門誌の「舵」へ度々寄稿されていまいたので名随筆をお読みになった方も多いと思います)

=================================

以上は海への散骨の実例です。どなたか山へ散骨された方で、もしその様子をお教えくださる方がいらっしゃいましたら嬉しく思います。

「風」という墓標の下に入るのも良いし、分骨して海や山へも散骨するのも良いとも思っています。すこし欲張りなことを考えて独りニヤニヤして楽しんでいます。

死んでしまえば無になる。墓も偶像も作るなと厳命して涅槃についたお釈迦様の教えに従えば墓も散骨も考えるべきではないのでしょう。さて、皆様をご自分のお墓のことを如何お考えでしょうか?

(終わり)                        


人生(人間)いたるところに青山あり

2009年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

高校時代の漢文の先生からこの一節を習って以来、長い人生の折々に必ず思い出す言葉です。仕事がうまく行かなくて屈折しているとき。残雪の連山を見ながら亡くなった親や恩人のことを思い出しているとき。海の上でヨットに乗っているとき。フッと思いだして青山でなく青い海原に眠る人々のことを思うこともあります。

お墓を作るところ(青山)は何処にでもあります。故郷を出て広い世の中で活躍しなさい。そんな意味と習いました。正しくは、人間(ジンカン)至る所青山ありと読むらしいです。

最近、ブログの上で交流している方々には日本の故郷を遠く離れて何年も異国に住んでいる方々がいらっしゃいます。ベルリンに住んでいて「ベルリン中央駅」というブログを書いている若い男性、そして昨日ご紹介した南フランスのparismidori さん。イギリスのeko さん、ネパールに住んでアジアの手織物を蒐集しているHikarunoさん。こういう方々のブログを読んでいると、「人生いたるところに青山あり」、という言葉を思い出します。ドイツやフランスやイギリス、そしてネパールには必ずや美しい青い山が有ると信じています。これらの方々へ「人生いたるところに青山あり」という言葉をお送りしたいと思います。

ところで青山を青い海原としても良いと思うことがあります。ブログの上の交流をしているメルさんのお祖父さんは文字通り海へ散骨されたようです。その散骨の写真がhttp://c11z5vlw.securesites.net/prime/naominoyume/ に掲載してあります。

先週、生涯お世話になった恩人の、元海軍技術士官だった方が亡くなりました。青山という言葉から青い海原を連想しました。家族だけで神道のお葬式を済まされたそうです。いずれ榊を捧げに参上したいと思います。きょうは此処に、夕日に輝く海の写真を掲載し、ご冥福をお祈りいたします。

今日は皆様も「人生いたるところ青山あり」という言葉を思い出して、伸び伸びと一日をお送りになるようにお祈り申しあげます。  藤山杜人

063