山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ハカタシダとオオカナワラビ 違いはここだろう、と思う

2020年01月14日 | シダの仲間
 これは自身の勉強のために調べたことをまとめておくための、自分自身に書いた記事なので、ひょっとしたら間違っているかも知れない。そのつもりでご覧いただきたいと思う。

 ハカタシダは山梨県準絶滅危惧種のシダ、一方オオカナワラビは山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダなので当然後者の方が少ないわけである。昨年の年末に武田神社近傍の里山や要害山でハカタシダを見てきたが、特徴的なのははっきりとした長い頂羽片(先端の部分の細長い羽片)と下向き最下小羽片がピンと張り出して反っていることである。これに対してオオカナワラビは同じような形をしているが下向き最下小羽片が真直ぐに伸びるか、個体によって大きさが様々なこと、だと思っていた。しかし、大きな図鑑を取り出して両者の違いを調べてみると、どうやら最下小羽片の形では無くて小羽片の切れ込み方が違うことが分かってきた。ハカタシダの小羽片は浅い鋸歯縁、一方のオオカナワラビは明らかな鋸歯縁になっているらしい。そこで、撮影してきた両者の画像を改めて見直してみることにした。


    武田神社近傍の里山で見たハカタシダ。


    下向き最下小羽片が張り出しており少し反っている。これがハカタシダの特徴だと思っていた。


    こちらが要害山で見たハカタシダ。同じく下向き最下小羽片は反り返っている。


    注目すべきは小羽片の辺縁の切れ込みである。ハカタシダは鋸歯ではあるが切れ込みが浅い。


    一方、こちらは南部町で最初に見つけたオオカナワラビと思わしきシダ。この個体は下向き最下小羽片が突出していなかった。


    小羽片を見てみると、ハカタシダに比べて辺縁の鋸歯が深く切れ込んでいる。おそらくオオカナワラビとみて良い個体だと思う。


    ところが、南部町を2度目に訪問した時に見たシダは小羽片の鋸歯があまり明瞭では無い。おそらくこれはハカタシダ。


    同じ日に別の場所で見たシダは下向き最下羽片がピンと真直ぐに伸びていることからオオカナワラビと思ったが・・・


    裏側から見たところ。小羽片の鋸歯は切れ込みが浅くこれもハカタシダと思われる。

 おそらく2度訪れた南部町の周辺にはハカタシダとオオカナワラビが混在しているものと思われる。その気で見ないと間違えそうである。

 そしてこちらは甲府市中道で登山道を間違えつつも発見してきたシダ、おそらくオオカナワラビだろう。


    オオカナワラビといってもそれほど大型のわけでは無い。


    この個体はゴージャスで、下側2本目の下向き最下小羽片までピンと張り出している。小羽片は鋸歯が明瞭でオオカナワラビと見て間違い無さそうである。


    ソーラスはハカタシダに比べてやや辺縁寄りに付着しているように見えるが、大きな差は無さそうである。

 おそらく、ハカタシダとオオカナワラビの違いはこれで良いのだと思うが、師匠に会ったら確認しておきたいと思う。山梨県には他にもミドリカナワラビ、コバノカナワラビ、ホソバカナワラビ、オニカナワラビなどの判別に苦労しそうなカナワラビ属が生育している。それなりに気合を入れて見て行かないと見過ごしてしまいそうである。

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