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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山梨県南部でラン蘭  平成29年7月9日

2017年07月11日 | 花・花・花
 八ヶ岳か、山梨県県南部に行くか迷ったが、高速道路に乗ってから県南部に行くことに決める。おそらくは一昨年訪れたものの既に花期を過ぎていた紅色の蘭が咲いている頃だろう。それともうひとつ、場所がわからないが見ておきたい着生植物がある。見つかるかどうかは勘とほとんど運試しのようなものだ。さて、いかに?


    道路脇の草むらに奇怪なテンナンショウの葉が出ていた。これは??


    フイリスルガテンナンショウではないかと思うのだが、花の時期に付属体の先端部の形を見ないとわからない。

 現地に到着し、苔の生した岩壁がある場所に行ってみると・・・咲いている。しかもちょうど見頃の満開!予想していた以上にたくさん咲いている。


    居ました。紅色のシュスラン。


    花も葉もなんと綺麗なランなのだろうか。感動!


    くちばしのように細長い花だが、唇弁があり確かにランの形をしている。


    2年後の山梨県レッドデータブック書き換えの際には確実に絶滅危惧種に入ってくるであろう花。


    終わりかけたユキノシタ。その周辺にも咲いている。


    場所を移動して同じような環境の別の岩壁を探してみると、数は少ないながらそこにも咲いていた。

 この地域の苔生したややジメジメした岩壁にはどうやらこの美しいランが生育しているらしい。

 この花を存分に楽しんだ後に、今度はあまり慣れていない着生ランの観察に出かける。川沿いで空気湿度が高く、ノキシノブやマメヅタがたくさん着生しているような木を探し、双眼鏡や望遠レンズを使って幹や枝を覗き込んでみる。果たして見つけられるかどうか?運試し!!


    何かバルブのようなものが出ているが? どうやらこれはマメヅタの胞子。


    この木にはカヤランが着生している。


    同じような木にヨウラクランが着生していた。


    ヨウラクラン。花は終わり結実間近。


    何かツル性植物の葉。


    こんなものも着生(?)していた。


    こんなカエデの木が怪しいと思うのだが??


    美しいシダが着生している。


    この木にはカヤラン。

 車で移動しては三脚と望遠レンズと双眼鏡を担いで怪しい場所を点々と歩き、10ヶ所近く歩いたところで何やら青々とした葉がびっしりと着生している木を発見した。望遠レンズを装着して覗き込んでみると、マメヅタとは明らかに違うものがノキシノブと一緒に着生している。種のようなものも付いている。これこそは・・・!


    ノキシノブ一緒に何やらマメヅタとは違う葉が着生している。


    手前の木にも、向こうの木にもビッシリ。


    間違い無さそうだ。これこそが運試しで探していた着生ラン。

 200㎜最大望遠ズームでも距離が遠くてズームが足りない。車に戻って300㎜望遠レンズと2倍エクステンダーを持って来てさらにズームをかけて覗き込んでみる。


    400㎜ズーム。やや光沢のある大きな葉がたくさん着生している。


    種らしきものがたくさん着いている。


    さらに600㎜ズーム。間違い無し。これこそが運試しで探していた麦の蘭。


    トリーミング


    場所によっては着生ランらしく長い根を張り、昨年の種らしきものも着いている。

 どうやら今日は天が味方してくれたようだ。情報が少なく出会うのは困難であろうと思っていた麦のランに出会うことが出来た。大満足である。

 ついでに、と言ったら花に失礼だが、そろそろ開花するであろう蜘蛛のランも見に行ってみた。


    上にクモラン、下にはカヤランが着生している梅の木。


    クモラン。


    小さな小さな花穂を出しているが、どうやらまだ蕾だ。

 満開の紅のシュスラン、そして探すのは困難と思っていた麦のランにも出会うことができ、この日はたいへん良い日となった。麦のランは花が咲く季節に再訪してみて、どんな花が咲くのか是非とも見てみたい。

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花咲く櫛形山へ(後編) ~復活したアヤメ~  平成29年7月8日

2017年07月11日 | 圏外編
 先行している山梨県山岳レインジャー隊から約3時間遅れの11時半に池の茶屋登山口を出発し、管理歩道を歩いて裸山には午後3時に到着した。この時間になるともはや人は少なく、裸山山頂から下りてきた7~8人のグループを見送った後はもう誰も居なくなった。三脚を取り出して思う存分復活したアヤメのお花畑を撮影させてもらう。


    復活した裸山のアヤメ。昨年以上に咲いている。そしてまだ花を咲かせない若い葉もたくさん出ている。


    アヤメ。まだ蕾もたくさんある。


    アヤメ


    2年前に新たに囲われた場所はキンポウゲが復活。


    オオヤマフスマが群生


    アヤメとキバナノヤマオダマキが仲良くたくさん咲いている。


    裸山山頂。もう誰も居ない。


    山頂付近もアヤメが復活しつつある。アヤメを前景に富士山を撮影できる日もそう遠く無いかもしれない。

 アヤメが復活した裸山のお花畑を十分に満喫し、裸山の裏側からもみじ谷側の周回歩道に下りて西側からアヤメ平に入る。時間は午後4時を過ぎ、アヤメ平にも誰も居なかった。


    西側からアヤメ平に入る。


    アヤメ平のお花畑。青々と茂った草むらの中にキンポウゲやテガタチドリ、グンナイフウロなどが咲いている。


    テガタチドリは咲き始めたばかり。


    遊歩道脇に元気に咲いた色の濃いテガタチドリ。


    キンポウゲの中に咲くテガタチドリ


    白花のエゾノタチツボスミレ


    平成峡側の草地もキンポウゲがたくさん咲き、アヤメも復活し始めている。


    アヤメとキンポウゲ、テガタチドリの姿もある。


    今回のアヤメ平で一番見たかったのがこの花。


    ずっとシナノキンバイだと思っていたのだが、それにしては背が高いし、葉も小さい。


    調べてみると、これはキンバイソウであることがわかった。望遠レンズを持って行ったのはこの花が撮りたかったからだ。

 キンバイソウはシナノキンバイよりも標高が低い場所に咲いており、背が高いのが特徴である。10年前の古い画像を見ていたら、甲府市北部にある曲岳・黒富士界隈の草地の画像に偶然このキンバイソウが写っていたが、おそらく今では見ることが出来ないであろう。シナノキンバイよりも見ることが難しい花になっている。

 時間は5時を過ぎてしまった。もちろんもう誰も居ない。櫛形山を十分に楽しんだことだし、写真もたくさん撮った。そろそろ下山だが、ひょっとしたら夕暮れの頃にもうひとつ良い景色が見られるかも知れない。時間調整をしながら、故意にゆっくりと歩き、富士山の見える場所に移動する。


    十四夜の月が昇って来た。しかし・・・富士山は霞の中にうっすらとしか見えない。


    月が富士山の上まで昇った頃には金色に輝く月になるだろうと狙っていたが・・・富士山があまり見えない。

 もう少し富士山が鮮明に見えていたならば月が富士山の真上に昇るまで待ったのだが、この霞は消えそうも無い。あきらめて下山して行くと、その後富士山の姿は見えなくなってしまった。この季節は雲や霞が多くて富士山を撮影するのはよほどの幸運が無いと難しい。

 アオバヒョウタンボクは来年への宿題となってしまったが、復活したアヤメのお花畑、クサタチバナ大群落、キンバイソウと、櫛形山の魅力を存分に楽しんだ1日となった。午後7時、下山。
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