平成20年9月6‐7日 天候曇り、晴れのち曇り
週末になると天候不順となり、3週間ぶりの山行となった。目指すは鳳凰山地蔵岳の昇るオリオン座と冬の大三角形。しかし、天気予報では6日の降水確率70%、7日は曇り時々晴れの予報だ。またしても蓼科山の時のような雷につかまってしまうのか、空を見上げて朝8時半まで迷っていたが、青空が広がっていたので意を決して出発。何度も登っている鳳凰山だが、夏に登るのは実に3年ぶり、ほとんど雪のシーズンばかり訪れている。今回は今まで歩いたことのない、御座石鉱泉から燕頭山を越えるコースを歩いてみることにした。
出発が遅かったので御座石鉱泉に到着したのは10時過ぎだった。御座石鉱泉のおかみさんに挨拶して道や花の状況を聞き、ここで鳳凰小屋の予約をしてもらって10時40分に歩き始めた。地図を忘れてきてしまったが、燕頭山まではかなりの急登りが続くはず。最初の1時間ほどはさほどの急登ではないが、石空川渓谷への分岐を過ぎたあたりからいよいよ本格的な登りとなる。ひたすら急登、「猿田彦大神」の石塔のある神社のあたりで一旦平らになるが、すぐにまた急登が始まり、燕頭山までひたすら登りが続く。3時15分、ようやく燕頭山に到着。眺望は利かないがサルオガゼの垂れ下がる木々が林立する静かな山頂、ほっとひと息入れる。普段何もトレーニングしていないので、3週間ぶりの登山でかなり足に堪えた。太腿が攣りそうだ。

根を張るツガの大木 燕頭への登山道

ブナの大木 紅葉の季節にはさぞかしきれいなことだろう。
休憩をいれて出発。ここからはやや下りとなり、その後は緩い登りが続く。木道や木橋が良く整備されていて歩きやすい。時折暗い雲が空にかかり、後ろの八ヶ岳方面から遠雷が聞えてくる。急いで登ろうとはするものの、既に足は攣る寸前状態、全くピッチが上がらない。(いつものことですが・・・。)なんとか雨に降られずに、午後5時、鳳凰小屋に到着した。
小屋の前にはヤナギランが群生しており、心安らぐ風景が広がる。もうあたりは薄暗くなり始めており、間もなく食事の時間となる。今晩は未明2時ごろにオリオン座が昇ってくるので、1時前には小屋を出発しなければならない。小屋主の細田さんに事情を話すと、実に協力的で、まわりに迷惑にならないように出発できるようにいちばん端の寝床を準備してくれた。ずいぶん前に、南アルプスのタクシーに乗った時、「鳳凰小屋は犬も食べないカレーを出す」という噂を耳にしたが、この日の晩御飯のメニューはその噂のカレーだった。しかし、噂なんて全くあてにならないもの、ほど良い辛さのおいしいカレーで、味噌汁に至っては山で採ったと思われる新鮮なミョウガが入っていて、香りが最高、絶品だった。カレーをおかわりして腹いっぱい食べ、あとは明日の天候を願いつつ、睡眠薬1錠飲んでさっさと眠りにつく。

昇るオリオン座 左手の岩が地蔵岳オベリスクの基部。

カシオペア座と天の川 右手の岩がオベリスクの頂部。
予定通り、12時半に起床、さっそく出発する。夜道を慎重に登り、1時45分、地蔵岳オベリスクの基部に到着した。オリオン座がもう全容を見せ始めているが、思ったよりも右手(南側)から昇っており、オベリスクと絡ませて撮影するには、赤抜沢の頭に登っても難しそうな位置だった。低空に雲と霞がかかってはいるが、上空は澄んだ空気と一面の星空が広がる。甲斐駒ケ岳と仙丈岳の上には大きく夏の大三角形が傾いている。登って来た甲斐があった。期待した以上の天候に恵まれ、存分に星空を楽しむことができた。3時を過ぎた頃にオリオン座に吊られて冬の大三角形が登って来た。賽の河原の地蔵仏たちをシルエットに入れて、良い感じで昇る冬の大三角形とオリオン座を捉えることができた。

空を見上げる地蔵仏たち 地蔵岳賽ノ河原から昇る冬の大三角形とオリオン座。

甲斐駒ケ岳・仙丈岳と沈む冬の大三角形 真ん中の山はアサヨ峰。
赤抜沢の頭に登って夜明けを待つ。ここから見る白根三山は斜めに並んで実に格好良くバランスがとれている。お気に入りの景色を眺めつつ、三山に朝日が射し込むのを待つが、ベールを被ったような霞のかかる朝だったため、あまり良い景色にはならなかった。6時を過ぎた頃には鳳凰小屋側からも、薬師小屋側からもちらほらと人が到着しはじめる。私はオベリスクの裏側にまわりこみ、もうだいぶ少なくなってしまったと聞いていたホウオウシャジンを探してみると、思った以上にたくさん咲いていた。しかもほぼ満開状態、今年は花期が遅れたらしく、ちょうど良い時期に出くわすことができた。残っていたタカネビランジや、ナナカマドの赤い実、濃い紫色鮮やかなトリカブトなどの花を楽しみ、8時半、鳳凰小屋に戻った。

地蔵岳の空と甲府盆地の夜景

地蔵岳の朝

白根三山の夜明け

赤抜沢の頭の岩と北岳
小屋の周辺には珍しい花やホウオウシャジンの群落などがある。小屋主さんに案内してもらって、周辺の花々を楽しみ、遅い朝食をとって9時過ぎ、下山開始。昨日の足の疲れがまだ抜けず、燕頭山からの急傾斜では膝がガクガクになり、スローペースで慎重に下り、午後1時半にようやく御座石鉱泉に到着した。鉱泉のおかみさんに挨拶してひと風呂浴び、飼っている犬に残ったパンとお菓子をあげた。1匹は鎖につながれているが、もう1匹の黒い甲斐犬は半野良状態になっており、餌をあげると寄ってはくるものの、直接手から食べようとはしない。つかまえるのはおかみさんでも難しいらしい。

ナナカマドの実と地蔵岳

岩場に咲くホウオウシャジン 地蔵岳オベリスクの裏側で撮影。
久々の山行、星空とホウオウシャジンを存分に楽しむことができた。しかし、問題なのは最近の自分自身の体力。山梨百名山踏破を目指して歩き回っていた2年前に比べると、明らかに体力が落ちていると言わざるを得ない。
週末になると天候不順となり、3週間ぶりの山行となった。目指すは鳳凰山地蔵岳の昇るオリオン座と冬の大三角形。しかし、天気予報では6日の降水確率70%、7日は曇り時々晴れの予報だ。またしても蓼科山の時のような雷につかまってしまうのか、空を見上げて朝8時半まで迷っていたが、青空が広がっていたので意を決して出発。何度も登っている鳳凰山だが、夏に登るのは実に3年ぶり、ほとんど雪のシーズンばかり訪れている。今回は今まで歩いたことのない、御座石鉱泉から燕頭山を越えるコースを歩いてみることにした。
出発が遅かったので御座石鉱泉に到着したのは10時過ぎだった。御座石鉱泉のおかみさんに挨拶して道や花の状況を聞き、ここで鳳凰小屋の予約をしてもらって10時40分に歩き始めた。地図を忘れてきてしまったが、燕頭山まではかなりの急登りが続くはず。最初の1時間ほどはさほどの急登ではないが、石空川渓谷への分岐を過ぎたあたりからいよいよ本格的な登りとなる。ひたすら急登、「猿田彦大神」の石塔のある神社のあたりで一旦平らになるが、すぐにまた急登が始まり、燕頭山までひたすら登りが続く。3時15分、ようやく燕頭山に到着。眺望は利かないがサルオガゼの垂れ下がる木々が林立する静かな山頂、ほっとひと息入れる。普段何もトレーニングしていないので、3週間ぶりの登山でかなり足に堪えた。太腿が攣りそうだ。

根を張るツガの大木 燕頭への登山道

ブナの大木 紅葉の季節にはさぞかしきれいなことだろう。
休憩をいれて出発。ここからはやや下りとなり、その後は緩い登りが続く。木道や木橋が良く整備されていて歩きやすい。時折暗い雲が空にかかり、後ろの八ヶ岳方面から遠雷が聞えてくる。急いで登ろうとはするものの、既に足は攣る寸前状態、全くピッチが上がらない。(いつものことですが・・・。)なんとか雨に降られずに、午後5時、鳳凰小屋に到着した。
小屋の前にはヤナギランが群生しており、心安らぐ風景が広がる。もうあたりは薄暗くなり始めており、間もなく食事の時間となる。今晩は未明2時ごろにオリオン座が昇ってくるので、1時前には小屋を出発しなければならない。小屋主の細田さんに事情を話すと、実に協力的で、まわりに迷惑にならないように出発できるようにいちばん端の寝床を準備してくれた。ずいぶん前に、南アルプスのタクシーに乗った時、「鳳凰小屋は犬も食べないカレーを出す」という噂を耳にしたが、この日の晩御飯のメニューはその噂のカレーだった。しかし、噂なんて全くあてにならないもの、ほど良い辛さのおいしいカレーで、味噌汁に至っては山で採ったと思われる新鮮なミョウガが入っていて、香りが最高、絶品だった。カレーをおかわりして腹いっぱい食べ、あとは明日の天候を願いつつ、睡眠薬1錠飲んでさっさと眠りにつく。

昇るオリオン座 左手の岩が地蔵岳オベリスクの基部。

カシオペア座と天の川 右手の岩がオベリスクの頂部。
予定通り、12時半に起床、さっそく出発する。夜道を慎重に登り、1時45分、地蔵岳オベリスクの基部に到着した。オリオン座がもう全容を見せ始めているが、思ったよりも右手(南側)から昇っており、オベリスクと絡ませて撮影するには、赤抜沢の頭に登っても難しそうな位置だった。低空に雲と霞がかかってはいるが、上空は澄んだ空気と一面の星空が広がる。甲斐駒ケ岳と仙丈岳の上には大きく夏の大三角形が傾いている。登って来た甲斐があった。期待した以上の天候に恵まれ、存分に星空を楽しむことができた。3時を過ぎた頃にオリオン座に吊られて冬の大三角形が登って来た。賽の河原の地蔵仏たちをシルエットに入れて、良い感じで昇る冬の大三角形とオリオン座を捉えることができた。

空を見上げる地蔵仏たち 地蔵岳賽ノ河原から昇る冬の大三角形とオリオン座。

甲斐駒ケ岳・仙丈岳と沈む冬の大三角形 真ん中の山はアサヨ峰。
赤抜沢の頭に登って夜明けを待つ。ここから見る白根三山は斜めに並んで実に格好良くバランスがとれている。お気に入りの景色を眺めつつ、三山に朝日が射し込むのを待つが、ベールを被ったような霞のかかる朝だったため、あまり良い景色にはならなかった。6時を過ぎた頃には鳳凰小屋側からも、薬師小屋側からもちらほらと人が到着しはじめる。私はオベリスクの裏側にまわりこみ、もうだいぶ少なくなってしまったと聞いていたホウオウシャジンを探してみると、思った以上にたくさん咲いていた。しかもほぼ満開状態、今年は花期が遅れたらしく、ちょうど良い時期に出くわすことができた。残っていたタカネビランジや、ナナカマドの赤い実、濃い紫色鮮やかなトリカブトなどの花を楽しみ、8時半、鳳凰小屋に戻った。

地蔵岳の空と甲府盆地の夜景

地蔵岳の朝

白根三山の夜明け

赤抜沢の頭の岩と北岳
小屋の周辺には珍しい花やホウオウシャジンの群落などがある。小屋主さんに案内してもらって、周辺の花々を楽しみ、遅い朝食をとって9時過ぎ、下山開始。昨日の足の疲れがまだ抜けず、燕頭山からの急傾斜では膝がガクガクになり、スローペースで慎重に下り、午後1時半にようやく御座石鉱泉に到着した。鉱泉のおかみさんに挨拶してひと風呂浴び、飼っている犬に残ったパンとお菓子をあげた。1匹は鎖につながれているが、もう1匹の黒い甲斐犬は半野良状態になっており、餌をあげると寄ってはくるものの、直接手から食べようとはしない。つかまえるのはおかみさんでも難しいらしい。

ナナカマドの実と地蔵岳

岩場に咲くホウオウシャジン 地蔵岳オベリスクの裏側で撮影。
久々の山行、星空とホウオウシャジンを存分に楽しむことができた。しかし、問題なのは最近の自分自身の体力。山梨百名山踏破を目指して歩き回っていた2年前に比べると、明らかに体力が落ちていると言わざるを得ない。