2018年3月16日<3>
上りラストランとなる「スーパーあずさ32号」乗車を前に、恐らく最後となる松本車両センターでのE351系スタンバイシーンを目に焼き付け、その後3-4番線ホームへ。
するとお隣り1番線には、あさま色の189系回送列車が到着。これは今夜運行される「ムーンライト信州81号」の送り込み回送だろうか。
「ムーンライト信州81号」についてはJR東日本の春臨プレスリリースに掲載されていなかったのでシレッと運行終了になってしまったのかと思ったけど、なんとか今春も運行されるようで一安心。
出庫時刻が迫ってきた18時10分、再び4-5番線ホームへ。すると18時14分、E351系「スーパーあずさ32号」松本車両センターを発車。
18時19分、多くのギャラリーに出迎えられ「スーパーあずさ32号」3番線に入線。
このシーン見たら、ちょっと涙腺緩んできた…。
たちまちこんな感じに。
今まで幾度となく眺めてきた松本駅でのこの姿もこれで見納め。
しっかり目に焼き付ける。
3番線発車案内は特別版。
この「32号」でE351系運行終了である事を伝えている。
『特急スーパーあずさ号としてご愛顧いただいたE351系車両はこの列車をもちまして定期運行を終了いたします 25年間ご利用いただきましてありがとうございました』
…というようなメッセージだっただろうか。しかしこれ見たら、さらに涙腺緩んできた。
発車時刻が迫り、指定席の11号車に乗車。もちろんモハで最後のモーター音を堪能する。
ビールをセッティングして発車を待つ。車内にはカメラ片手の人達が出たり入ったり。
接続列車が遅れた為、定刻18時35分から4分程遅れた18時39分頃、「スーパーあずさ32号」松本を発車。
3番線ホームでは駅員さんが「ありがとうE351系」の横断幕を掲げてくれて、そして3・4番線ホーム先端は撮り鉄さんでビッシリ。
松本から塩尻までは特に爆走区間。遅延のせいか、いつもよりさらに爆走してるように感じる。モーター音が最高に心地いい。
松本発車時点で11号車の乗車率は50%程。ここで自動放送・女性車掌さんの案内放送に続き、男性車掌さんの放送が入る。
『明日のダイヤ改正に先立ちまして、ただ今ご乗車頂いておりますスーパーあずさ号の車両E351系電車は本日3月16日をもって引退致します。1993年12月23日、上りは松本6時37分発の特急あずさ4号新宿行きとして、下りは新宿10時ちょうど発のあずさ9号南小谷行きとしてデビュー致しましたこちらのE351系電車、これまで約25年の長きにわたりましてご利用頂きましたことを誠に御礼を申し上げます。新宿行きの特急スーパーあずさ号としての運転はこの列車が最後となります。明日からは特急スーパーあずさ号は全て新型のE353系で運転を致します。今後とも中央線特急列車ご利用をどうぞよろしくお願い致します』
一部聞き取りにくい部分があったけど、E351系ラストランのご挨拶。しかしこのような放送を聞くと、やっぱり涙腺が緩む。
きっぷはえきねっと10時打ちでトクだ値35をゲット。とは言っても、えきねっとでは10時打ちできず10時3分打ち。
「32号」はトクだ値とグリーン車が早々に埋まりながら、トクだ値以外の普通車は前日15日時点でもまだ「空席あり」表示。発車前には満席になっていたものの、下りラストランの「33号」に比べると販売ペースは遅かった。
自分はラストランに乗る時はだいたい上り列車。下りラストランに乗り、すでにその列車が無い翌日の新ダイヤで帰るのが寂しくて苦手なので。
19時、下諏訪。先ほどの189系回送列車が停まってる。やはり送り込みで新宿まで行くっぽい。
下諏訪もそうだけど、途中駅のホームにも撮り鉄さんがちらほら。そして上諏訪の踏切では、暗い中、列車に手を振ってくれる親子の姿。ラストランを見届けに来てくれたのか。
19時10分、茅野。珍しいE257系の回送列車が停車中。いつものことなのか、それとも明日のダイヤ改正に向けた準備なのか。
19時47分、甲府。例により多くの乗車があり11号車は満席になる。
かなり爆走してくれてたけど、遅れは回復せずむしろ拡がり気味。まあ、少しでも長く乗っていたいので全然OK。
満席で甲府を発車。そういえば、この車両は荷棚の下に補助灯が付いている。
この補助灯が付いているのは確か量産先行車だったか。
トンネル内で壁面にこすったり乗客が酔ったり、大月でのもらい事故による痛ましい脱線など、荒々しい走りっぷりらしく波乱万丈だった印象のE351系。揺れが大きいことで敬遠する人も多かったとか。
かっこいいスタイルと豪快な爆走っぷり、個性的で乗っていて楽しい車両だったので、引退は本当に残念。
気動車で似たイメージの、JR北海道キハ281系は爆走をやめてしまったし、JR四国2000系・智頭急行HOT7000もそろそろ更新とか。振り子を受け継いでくれるといいけど。
塩山を通過すると右手に甲府の夜景が広がる。自分の中では、ここが夜の中央東線上りハイライト。そして山間部をひた走る。
やがて高尾を通過すると急激に街灯が多くなり、都内に戻ってきたことを実感。そして西八王子付近で下りラストランの「スーパーあずさ33号」とすれ違い。新宿・立川・八王子はかなりのフィーバーだったのでは。
20時42分、6分遅れのまま八王子に到着。「33号」が発車したばかりのホームには、まだ多くの撮り鉄さんの姿。八王子で降りられた方も多かったけど乗ってこられた方も多く、結局ほぼ満席のまま発車。
夜の多摩川を渡り、立川を出ると「次は終点新宿です」の放送。
そして21時頃、中野通過のタイミングで終着放送が流れる。松本発車時のラストラン放送と同様の、今度は女性車掌さんによるE351系ラストランご挨拶が流れてたけど、自分の座席位置では声が聞こえにくく、残念ながらよく聞き取れず。
放送が終わると、窓の外には新宿のネオン。ラストランもいよいよ終わりの時。列車は新宿駅9番線に入線。
大勢の撮り鉄さんに出迎えられ、7分程遅れた21時13分、終点新宿到着。
ついに終わってしまった。喪失感に襲われながらホームに降りるとすごい人の数。
最後部12号車はこんな感じに。
E351系最後の雄姿を見守る皆さん。このあと回送を見送りたいけど人混みは苦手。比較的空いている3号車付近に移動する。
今朝「スーパーあずさ5号」を表示していた発車案内。何か遠い昔のように思える。そして今はE351系運転終了を告げる「回送」の表示。
白馬や安曇野の温泉行ったり、木崎湖に釣りに行ったり、直江津へ「トワイライトエクスプレス」ラストラン見に行ったり、その他多くの思い出が駆け巡る。
しばしの時間が流れ、21時38分 お隣10番線に「かいじ124号」が到着。すると9番線の発車表示灯が点灯し、いよいよ回送。
自分にとって名車だったE351系。4月7日のイベント列車を最後に全車廃車されるというのは何とも無念。
21時40分「9番線、列車が発車します」の放送が流れ、回送E351系発車。この瞬間はやっぱり寂しくなる。
列車は自分の前を通り過ぎ、多くの人に見送られながら段々と姿が小さくなっていく。
さようなら、E351系。