アイリス あいりす 

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【5次】恐れの正体とは? エックハルト・トール著 The power of now より

2019-12-26 18:26:22 | 5次元への道

♬ この本の日本でのタイトルは、「さとりをひらくと、人生はシンプルで楽になる」です。

エックハルト・トール「さとりをひらくと、人生はシンプルで

楽になる」より

 

第4節 「恐れ」の正体とは?・・・・・・・・・・・・・・・・・・P64


問い
 恐れは、「人間の原始的な感情」である、とおっしゃいましたが、人間はどんなしくみで恐れを抱くのでしょう。なぜ人生は、こんなにも沢山の恐れに満ちているのですか? ある程度の恐れは、自己防衛の目的として、極めて健全ではないでしょうか? もし私が火を恐れていなかったら、自分から火に手を突っ込んで、やけどを負うかもしれませんよ。

答え 私たちが火に手を突っ込まない理由は、火を恐れているからではなく、火に手を突っ込んだらやけどをするものなんだと、知っているからです。危険を避けるために、わざわざ恐れをいだくのは無用の長物です。やけどを防ぐのに必要なのは、最低限の知性と常識だけです。 こういった実生活における事柄には、過去で学んだレッスンを活用するのが有効です。

 万一誰かに暴力で脅かされたら、私達の多くは、恐れに似た感情をいだくでしょう。この場合は、本能的な危険に対する尻込みであって、私が本書を通じてお話している、心理的な恐れとは別のものです。

 心理的な恐れは、目前の確固たる危険と直接には関連していません。 それは不快感、不安、苛立ち、緊張、心配、病的恐怖など、さまざまな形で表れます。この種の心理的な恐れは、必ず「いま起こっていること」ではなく、「これから起こるかもしれないこと」に対するものです。あなたがいるのは、「いま、ここ」です。それなのに、あなたは未来を見ているのです。このギャップが不安などのネガティブ性を生む元凶なのです。

 自分の思考を「ほんとうの自分」だとみなして、「いま」のパワーを失い、「今にある」生き方を忘れてしまうと、恐れが「相棒」になってしまいます。私達には、たとえどんな時でも「いまこの瞬間」と協力するという選択肢があります。しかし、頭の中にしか存在しないイメージと、協力することはできません。本来は私達に手を貸してはくれないのです。

 恐れには、実に様々な要因が絡んでいるものです。失う事への恐れ、失敗することへの恐れ、傷つくことへの恐れなど、リストを揚げて行ったらきりがありません。しかし、どんな恐れも突き詰めると、「エゴの恐怖」に帰省します。エゴは、自分の命が、「風前の灯」だと知っているからです。思考を「ほんとうの自分」だとみなしていると、エゴの恐怖が人生のあらゆる面に影響を及ぼします。例えば、あなたの周りにも、「議論でいつも自分が勝たなければ気が済まない人」がいませんか? このごくありきたりのことと、みなされている習性も、元を正せば自分の思考を防御する目的によるものです。そして、自分の思考を防御せずにはいられないのは、思考を「ほんとうの自分」だと、錯覚しているからに他なりません。つまり、思考にすがりついているエゴの恐怖に由来しているのです。

 エゴは、頭の良さで自分の存在価値を測っているために、考えが間違っていると証明されたりしたなら、大変なことになるのです。エゴは消滅の危機にさらされてしまいます。ですからエゴとひとつになった人は、絶対に負けられないのです。

 自分の主張の正当性をめぐって、幾多の闘争が起こり、数知れない人間関係が破綻してきました。思考をアイデンティティから切り離してしまえば、自分が正しいかどうかなどはどうでもよくなり、負けたからといって、アイデンティティが揺らいだりすることもなくなります。

 そうすると、「絶対に自分は正しくないといけない」という強い感情(これは一種の感情的暴力です)をもう抱くことは、ありません。明確に自分の考えや感情を伝えることはあっても、そこには攻撃性も自己防衛もないでしょう。これは思考ではなく、自分の内側にある、「おおいなる存在」をアイデンティティにしているからです。

 ですから、自分がわずかでも自己防衛をしていると気づいたら、注意しましょう。あなたはいったい何を守ろうとしているのでしょう? それは「にせの自分」「頭の中のイメージ」「空想上の存在」などではないでしょうか? 自分が自己防衛をしていると気づき、その行動を観察すれば、その行動をやめるでしょう。意識の光に照らせば、無意識のパターンは消え去ります。これで、人間関係を台無しにする論争や権力闘争のすべてに終止符が打たれます。他者を押さえつけようとするパワーは、強さという仮面をかぶった弱さでしかありません。真のパワーは自分の内面にあり、それは誰にでも、手の届くところにあるのです。

 思考とひとつになって、「大いなる存在」から離れているために、「いまのパワー」を失っている人は、自分が無力だと感じてしまうため、恐れを友にして生きています。思考を超えるレベルに達している人は、まだごく少数です。 ですから、わたし達がこれまで出会った人たちは、程度の差こそあれ、ほぼ全員が恐れの中に生きていると考えていいでしょう。「極度の恐怖心」という目盛りと、「漠然とした不安」というふたつの目盛りの間をいつも揺れ動いているのです。・・・・・・・P67

 

(次回は 完全になろうとして、さ迷い続けるエゴ、です。)

 


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