学年だより「知識偏重」
報道で知っている人も多いと思うが、数年後に大学入試制度が大きく変わる流れになってきた。
センター試験が廃止され、大学受験の資格試験が実施される、各大学はさらに人物重視の入試を実施して合格判定する、というものだ(あんまり興味ないですか? そうですか)。
こういう提言がなされると、現状の、つまりみんなが体験している高校の勉強や大学入試に疑問を抱いてしまうかもしれないので、そういうことはないということだけは言っておきたい。
この提言をした「教育再生会議」は、「知識偏重の1点刻みの入試」になっていることが、現状の大学入試の問題点であるという。
「知識偏重の入試から脱却し、意欲や適性も含めた多面的な人物評価で大学進学者を選抜する」ことによって、「グローバル社会に通用する人材を育成」したいそうだ。
では、今の入試制度を生きてる若者は「人材」になれないのか。決してそんなことはない。
みなさんは、入試で1点でも余計にとるための勉強をしている。
これは決して価値の低い作業でもないし、使えない人への道を歩んでいるわけではない。
むしろ、今の課題に、より誠実に取り組もうとすることで、人として成長する。
「受験勉強に偏った生活をしていると、人間性がゆがめられる」という通俗的な問題意識にとらわれてしまっている方が、提言をした人の中にきっといるのだろう。もしくは本当の勉強をした経験の不足している方が。
みなさんはまさに今、入試で1点でも余計にとるための勉強をしている。
微分方程式が解けるようになること、仮定法過去を理解すること、遺伝子の配列を知ること、論語の一節を読むこと … 。
これらに時間を費やすのは、人生のむだだろうか。
たしかに、入試が終わってしまえば、その後の人生では全く必要でなくなる知識も多い。
しかし、その知識を得るために身につけた勉強方法、思考方法はそのまま知的財産になる。
計画を立てて物事に取り組む姿勢、困難を乗り越えて目標達成のためにがんばった経験は、身体にすりこまれる。
~ 「受験勉強を通して学べることは、勉強の知識だけではない。」ということです。
受験勉強を通して、磨いたスピリットは、大学へ行った後も社会へ行った後も結婚した後も、家族を持ってからも、必ず、役に立つのです。
受験勉強は「人生の基盤」を作る。という事なのです。
「ただひたむきに勉強している自分は、今までにないほど成長している。」という事に気が付いたのです。周りの人から信頼されるようにもなりましたし、ずいぶん雰囲気も変わり、人間関係もうまくいくようになりました。 (中谷彰宏氏の言葉) ~
むしろ、今の日本の若者を成長させる汎用的なシステムとして、受験勉強以上に効果的なものは、なかなか見つからないのだ。
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