水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

太い心をもつ

2014年11月15日 | 学年だよりなど

  学年だより「太い心をもつ」

 冊子「大学入試センター受験案内」の「受験にあたっての注意事項」(49頁)の中にこうある。
「 エ 試験時間中に日常的な生活騒音等が発生した場合でも救済措置は行いません 」
「生活騒音」とは、試験場の外部の騒音、会場内での受験生のくしゃみ、試験監督の足音、空調の音、その他もろもろの音を指す。リスニングの試験中まで含めて、予期しない騒音が起こっても「何ら救済措置を講ずるつもりはない」と入試センターは言うのだ。
 受験には「図太い」神経が必要だ。
 乗り慣れない電車に乗り、はじめて入る建物の、慣れない机で問題を解く。自分の机にだけ小さな疵があるかもしれないし、イスがガタガタ動くかもしれない。暖房が強すぎる場所になるかもしれないし、トイレの臭いが気になる席かもしれない。隣に座った受験生が、妙に落ち着かない奴だったり、態度がでかかったり、筆圧が強くて机を揺らされたり、香水のきつい女子だったり、やたら鼻をすすっていたり … 。地下鉄に乗り間違えて、開始時間にぎりぎりになってしまうかもしれないし、急にお腹の具合が悪くなったのにトイレが見つからないかもしれない。
 開始の合図で問題冊子を開くと、過去問からの予想とは100%異なる内容だった、なんてことも「体感的」にはあるものだ。
 ふだん考えられないようなことが起きるのが「本番」だといっていい。
 何があっても動じない人というのは、たぶんいない。
 動揺している状態のなかでも、その時点での最善を尽くそうと思えるような心が必要だ。
 そういう心を得るための特効薬はない。毎日学校に来て、何があっても平然とやるべきことを積み上げていくことでしか作れないのだ。毎日学校に来て、ほんの少しずつの負荷を自分にかけ続けることでしか作れない。この陸の孤島に通い続けること自体が、みんなの心を太くしていく。


 ~ 自分に負荷をかけると成長する、私はそう思っています。でも、どうやって負荷をかけたらよいのでしょうか。イヤなことを無理してやるとか、そういうことではない気がします。多分、やりたいと思っていることを、恐れずにやること。好きなことだったとしても、それをするときには必ず、大小はあれ、ぶちあたる壁がやってくる。それから逃げないことかなあと思います。つまり「やりたいことを、できないと言い訳せずにやること」。それが自分に負荷をかけるということなんじゃないかなあ。(中略)
 体の筋力も、急にはつかず、徐々に鍛えるように、心の筋力も、ゆっくりとついていくのですね。筋トレは、筋肉の繊維を切るほどの負荷をかけて、再生するときにさらに太くなるといいますが、心だって同じなのでしょう。負荷をかけることで、だんだんと、強くなっていく。ゆっくりゆっくり、心の筋力は、ついてくる。焦らなくても大丈夫。徐々に強い自分になれるはずです。 (和田清華『その夢はいつやるんですか?』ゴマブックス) ~


 困難も辛さも、自分を成長させてくれるありがたい贈り物だ。

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2 コメント

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おっしゃる通りですね (Unknown)
2014-11-17 11:04:53
「この陸の孤島に通い続けること自体が、みんなの心を太くしていく」
おっしゃる通りですね。
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Unknown (水持)
2014-11-17 20:03:46
このごろ休みが少し増えました。あとしばらく、ふんばりどこですね。コメントありがとうございます!
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