パッチギの世界

　一週間前の2月11日にキネマ旬報映画賞で『パッチギ』が日本映画作品賞と監督賞をダブルで受賞しました。井筒監督おめでとうございます。
　たまたま京都九条で撮影をしていることを聞いていましたが、あの辺を毎日自転車通勤していながら、残念なことに撮影に行き当たらなかった。職場の同僚は「鴨川で井筒監督が撮影してたで。自転車で通って待ってたら『そのまま行って下さい』と言われた」と話していました。
　残念！オダギリジョーさんや沢尻エリカさんに会えたかもしれないのに！

　公開前から大きな期待をふくらませていて、僕は昨年公開されてすぐ見に行きました。その後DVDも買って家でも見ています。大好きな映画です。この映画は1968年の設定ですが、私が七歳のときのことです。

　『パッチギ』の世界は僕にとってものすごく懐かしい。以下「なぜか」について話します。

　僕が大阪から引っ越してきたのが、この舞台となった京都南区京都駅の八条口側。鴨川周辺は僕らの遊び場でした。正確に言うと1972年に小学校5年生で山王小学校に転入して、陶化中の1年生まで京都市南区東九条に住んでいました。

　山王小学校に入って最初は、同級生に在日朝鮮人・韓国人がいることがなぜかよく分からなかった。「なんでチョーセン人がおるねん？」と思っていた。歴史の時間でもそこまで教えてもらってないと思う。逆に「ABCD包囲網」なぞということは教えられた。確か社会の時間に調べさせられた記憶がある。
　同じように日本語をしゃべり友達になったけど、彼らには小学校の授業で特別に「ハングル」の時間があった。子ども同士の会話の中にも「パチキかますぞ！」（頭突きをくらわせるぞ）とか「タンチュン！」（「いちばん」の意味で使っていた）など今から考えるとハングルを語源にする言葉が自然と使われていた。「キムチ」を知ったのもここ東九条でだった。朝、登校班で呼びに行くと朝からホルモンを焼くにおいがして、「朝から肉かあ。ええなあ」と無邪気に思った。

　ただ無邪気な世界ではなく、「よそもん」の私はよくドツカレた。顔を腫らし、すりむいたことも数多い。今でもいじめっこの田村とかと徳永の名前と顔は覚えている。彼らは教師も殴り、親がいつも呼び出され、みんなに恐れられていた。僕はその当時クラスでもっとも小柄な方でやせっぽちだったから、残念ながらやられ放題だった。「何するねん！」と反抗心は持っていたが所詮力では歯が立たなかった。ただ正義感は強く「タバコ買うて来い！」と命令されても「いやや！」と一回も使いっパシリをさせられたことはなかった。その分「生意気や！」とドつかれたけど。

　後年考えれば、彼らも行き場のないやりきれなさと未来の閉ざされた閉塞感が弱い者に向かっていたのだと分かる。こっちも貧乏だったけど、彼らはもっと貧しかった。子ども心にその差に驚いたことが何度もある。こちらは日本人で、まだ勉強でも頑張れば将来が描けた。「在日」というだけで食べていくことも、希望する職の確保もままならないのだ。
　子どもは残酷にそれを感じていたが、彼らもそれを口に出すことはない。子どもであっても誇りが許さないのだ。それが分かるからこちらも彼らの貧困を見ないフリをして遊びに熱中したのだ。

　『パッチギ』を観てこんなことをいろいろ思い出しました。美しい世界ではないかもしれないけど、生きるために一生懸命な世界。

　今でも「山王小学校卒業、陶化中学に通ってた」というと、知ってる人に「こわいところにおったんやねえ」と言われることもあります。確かに暴力があふれていた世界でしたが、今になれば自分の体験を本当に大事にしようと思います。子どもどうし友達だから、ドツカレて生きてきたから、誰も教えてくれないから自分で「在日」の歴史に興味をもって学んだ。韓国・朝鮮・中国に興味が持てた。「こわい」と言われているところでも実際中に住んでしまえば当たり前のことに気をつければ「こわい」ところではないと分かった。「当たり前」のこととは人間として日本人も在日韓国・朝鮮人も同じだということ、足を踏まれれば痛いし、ドツカレたら誰でも痛みを覚えると言うこと、差別しないこと。歴史を知ること、知る努力をすること。

　私の場合、母親の影響が大きかった。わが子が殴られても「向こうにも怒る事情があるのでは？」と言い、韓国・朝鮮の友達が遊びに来ても部屋に上がっても嫌がるそぶりを絶対に見せなかった。母親がもし在日韓国・朝鮮人に差別的な言動をしていたら、嫌悪するそぶりを見せたら子どもとして、もっと違う受けとめ方をしていたかもしれない。

　今、「嫌韓論」だとか「中国の脅威」だとかがやかましいが僕はこういう風潮に怒りを覚える。韓国人や朝鮮人、中国人にも嫌なやつはいる。けれども「韓国人一般」「朝鮮人一般」「中国人一般」が誰でも同じだと考えることは、「こわい」という感情をふくらませるだけだ。
　映画の中で、松山康介がキョンジャをまっすぐ好きになって突っ走っていったように、知ろうとすること、理解しようとするガムシャラなエネルギーが僕たちを友人にするんだと思う。
　そしてこの映画がヒットして、多くの人がこの映画を好きになったことに「日本もまだまだ捨てたもんやないで！」と、僕は大きな期待を感じています。

春のひざし

　今日、京都の朝は久しぶりに陽射しが戻りました。
　朝、駅から事務所に向かって歩く８：３０、ビルを明るく照らす日差しに春を感じました。冬の弱々しい陽射しからいつの間にか春の暖かい陽射しに変化していました。確かに春が近づいています。
　僕は明るい天気の日が大好き。晴れの天気だけでなんだか気分が明るくなります。天気に気分が左右される文字通りのお天気屋です。

　こんな晴れた日には渓流の風景が頭に浮かびます。もうすぐ解禁。
　本当は渓流魚は曇りの天気のほうが釣りにはいい。アマゴは雨女魚とか雨子とかとも表記するように雨の日に釣れるんです。
　けれども僕は釣れなくても天気のいい日の渓流が大好きです。晴れた天気に渓流を歩くだけでもう最高です。こんなことを言ってるから下手なフライマンのままなんですけど・・・。
　
　私の作った下手なフライの写真をどうぞ。昨年作ってから出番がないまま禁漁になってしまいました。今年は出番があるか！

　今、僕の頭のなかには渓流の澄んだ流れが浮かんでいて幸せな気分です。

今晩のこと

今、『PERHAPS　LOVE』を観ながらエントリーを書いています。
張学良の歌が朗々と響いていいです。周迅は可愛いし。『君さえいればー金枝玉葉』『ラブソング』のピーター・チャン監督の作品らしくカセットテープを小道具としてうまく使うなど見所はいろいろ。ただし、この映画の評価は分かれると思います。私は、全体にこの映画の設定とストーリーに感情移入できないまま終わってしまった印象です。

　配偶者はワンリーホンのコンサートを楽しみにしています。2月20日からチケット発売開始。
　「私も行きたい」という思いがあって「一緒に行かない？」と聞くと「誰が子ども見るの！」とにべもない返事。配偶者はすでに私が子どもの面倒を見るものという構想ができあがっていて、そこには「一緒に行く」という選択肢はありえないということを知らされた今日この頃です。

ジェイとミリオンダラーベイビイ

　昨日はリトル早帰りだったので、夕食のあと仕事をしていると配偶者が帰ってきて、ビールを飲みつつ、おととい中途半端に終わっていた「ミリオンダラーベイビイ」の続きを一緒に見る。

　モーガン・フリーマンは「ショーシャンクの空に」のころから好きな俳優の一人。クリント・イーストウッドも歳をとるほど“あじわい”が深まる気がする。アカデミー賞を少しも信用してないけど、この映画が2004年度アカデミー賞主要４部門で受賞と言うのも分かる気がする。アメリカ映画でも派手派手でないこういう映画はしみじみといいなあと思う。貧困の中で、身体をはってまっすぐな生き方をするアメリカ女性の強さが美しい。

　見終わってまだ10時台だったので、先日配偶者が買って来たジェイ・チョウのミュージックCDを観る。

　曲目は次の通り。

霍元甲　夜曲　藍色風暴　髮如雪　色毛衣　四面楚歌　楓 浪漫手機 逆鱗　
麥芽糖　珊瑚海 　飄移 一路向北　周杰倫ホンハム演唱會精彩影音剪輯

一曲目のプロモにジェット・リーが出ていてうれしい。武侠映画大好きのジェイらしいプロモに仕上がってます。
　配偶者に言わせると「ベストではないけど、今までのヒットしたプロモビデオが全部見られ、その上最後に香港ホンハムスタジアムでのコンサートが収録されていてファンにはオイシイVCD！」なのだそうだ。
　私は飛ばし飛ばしで『一路向北』や最後のコンサートを見る。
　うーんなかなか格好いい。大阪公演があれば一度生で観て見たいと思う京都人なのだ。

　

とけいのひなたぼっこ

　私の今使っている腕時計は、はじめて香港に行くときに買ったものでもう３年使ってる。なんの変哲も無い、名も無いメーカーの時計で7000円くらいで買ったと思う。文字盤もごくシンプルで５分のところに金で筋が入っているだけ。１とか２とかの数字もない。○日○曜日もなければストップウォッチ機能も当然ない。秒針と短針と長針がまじめにコツコツと働いている。
　バンドはシルバーで三つ折になってパチンと止まる仕組みだ。
　中学生のころからいくつ腕時計を使ってきたかもう忘れてしまったが、この時計は結構気に入って永く使っているほうだ。ガラス盤に傷もあってきれいではないけど。いつも左腕にはめていて、これがないとなんだか腕がすかすかする。私は仕事中かなり頻繁に時計を見る癖があって、時計は安物でも必需品です。

　この腕時計はその前の時計が、これも安物でもうこれこそ使い捨てという感じで使っていたら、電池がいかれてきた。安物の時計で電池交換でお金ばかり払うのも間尺にあわんと考えて、香港にいくのにあわせて購入した。購入の決め手はこいつがソーラー時計だったから。
『電池代払わなくてええやんか！ラッキー』と即買いであった。
　その一方『すぐ動かなくなるンとちゃうか？』と不安であったので、いつも腕時計に太陽の光を当てていた。ところが、これがなかなかよくできていて、私の不安をよそに結構まめに働く。５日間ほど天気が悪く光に当たってなくてもコツコツ動いている。私はこの働き者が好きになった。そのため香港で露天商のおじさんに『オニイサン、トケイどう？ニセモノ！ニセモノ!』と詰め寄られても平然と無視することができたのだった。バンドが壊れたときも同じバンドを3000円で買って付け替えて使っている。

　ところがつい最近腕時計を見て驚いた。電車に乗るとき９時で焦って飛び乗って、京都駅に着いて時計を見るとまだ９時。「あれ、１５分は乗ってるのに」と思ったら時計が止まっていた。それから、ちょいちょい止まるようになった。時間を合わせて竜頭を押し込んだ後がよくない。止まることが多い。「雨や雪も多くて日に当たってないし」とも考えた。

　そこでつい先日11日の土曜日。天気のいいところで、仕事で車で走る際、腕時計をひなたぼっこさせた。フロントガラスの下でハンドルの向いに時計をおいて５時間のひなたぼっこ。
　これで少しは復活。土曜日以降１回しかとまっていない。ひなたぼっこで復活する腕時計がウレシイ。

　今も私の愛用のソーラー腕時計はパソコンの横でけなげに動いている。しばらくは買い換えるつもりもない。

ちゃおちゃお餃子

　昨日の続き。
　
　ぶらっと入った餃子屋さん。元町駅から鯉川筋を大丸手前で少し西に入ったところ。

『餃々（ちゃおちゃお）餃子』
　浪速のひとくち餃子、餃子一筋33年―というキャッチフレーズ。

　ちゃおちゃお餃子2人前と手羽先餃子、チャーシュー。麦とろご飯セット。生ビールを注文。1550円でした。
　タレも酢醤油と味噌タレとあって、外はかりっ・中はジューシーな餃子。
　店の人も若くて元気、好感が持てます。

　神戸は競争も激しいけど頑張って、加油・じゃーよう！

今日は神戸デートの日！

　今日は寒い一日でしたね。
　京都は西風が強くてお昼に京都駅から四条まで歩くときに雪が舞ってました。

　今日は配偶者と神戸デートの日。私は一ヶ月に一回くらい神戸や大阪に配偶者とぷらぷらと遊びに行きます。別に目的もなく、神戸の街や大阪の街をぶらつきます。結構楽しい。行くところは大体決まっていて、神戸だったら『香港王』さんとか『百楽園』さんとか、HMVに行ったり。大阪だったら上海モールを訪問します。

　今日も結局いつものコースを回りました。
　百楽園さんと香港王さん、HMVを回りました。配偶者は迷いに迷って王力宏の『心中的日月』とジェイ・チョウの『霍元甲』を買いました。私は前にエントリーに書いた『PERHAPS　LOVE』のVCDを1440円で購入しました。
　近頃は日本でさっそくアジアの電影が購入できるので嬉しいかぎりです。

　百楽園さんで壁に王力宏の大阪厚生年金会館ホールでのコンサートがあることが貼り出してあり、私たちはコンサートがあることを知りました。
　配偶者は予約電話をメモして行く気満々です。2006年4月19日公演。メモしてたら店員のお姉さんと『コンサート行きますか？』と話しかけてくれて短い対話に。『ジェイチョウのコンサート行きました？』『行きたかったけど行けませんでした』『うちの社長は行ってきました。大変よかったと言ってました』とうらやましいお話。ジェイの新しいポスターももらってきました。

　三宮のHMVはアジア物が結構豊富に揃っていて好きなお店ですが、ジェイの一番新しいCDは2700円。百楽園さんは2500円。ポスターはHMVは全員には当たらないと表示しているのに百楽園さんは『ポスターをCD購入者全員に』といずれも百楽園さんに軍配が上がりました。私たち夫婦は頑張っている小さいお店の味方なので、同じものなら小さい店で買うことを選択します。そのために今日は2回も百楽園さんにいきました。これも楽しいプロセスです。

　こういうことが楽しいかどうかは価値観ですね。幸いなことにわが夫婦はこういうお金を使わないぶらぶら歩きが大好きです。おかげで楽しい一日が過ごせました。明日は仕事で東京行きです。今日の一日を力に頑張ってきます。

　百楽園さんのホームページです。入り口の写真もどうぞ。

あれっ

　昨日「プロミスに行くしかない」とエントリーに書いて、その気になって上映時間を調べたら行ける時間は、21：50からのレイトショウしかない。

　少し脱線すると「プロミス」って書くとどうも消費者金融のようで嫌だ。仕事柄「消費者金融」と対立してますし。そこで「PROMISE」と英語標記するか「無極」の方を使用したい。

　レイトショウしかないとリトル困る。この「リトル」は最近毎日愛読している「きっこの日記」からのもろパクリ。「きっこの日記」は毎日８万人がアクセスするという大人気ブログ。本人はヘアメイクさんで俳人でMAX教の布教者でとにかく面白い日記を書く人。本物を読んでほしい。「きっこの日記」で検索すればすぐヒットします。

　で、何が困るかと言うと、近頃疲れてきて日付が変わると体力が持たなくなりつつある。レイトショウの終了は0：10。2月12日になってるじゃないですか。
　12時過ぎると小学生のように目がしぱしぱするんですよ。

　パソコンの画面も仕事で見てると夕方5時に近づくと苦しくなります。ショックなのは小さな字が見えなくなってきて近視用のめがねを上にずらしたりしないと見えないこと。
　趣味の下手の横好きのフライフィッシングもフライの「アイ＝毛ばりに糸を結ぶワッカになってる部分」にティペット（糸のこと）を通すことがなかなかできなくて本当にイライラする。糸に毛ばりを結べないと釣りができないじゃないか！
　目の前をきれいなさらさらの渓流が流れ、穏やかな春の陽射しがポカポカと降り注ぎ、カゲロウが上がったり下りたりしている。ポシャッとライズ。こんな絶好のフライフィッシングの状況でティペットがアイに通らずイライラしている状況はどう考えても冴えないし、ストレスがたまります。
　話がどんどん脱線したけど、「PROMISE」を観るためにレイトショウに行くべきか寝てしまうか悩みながら、パソコンの文字も見にくくなってきた午後6時という今日この頃です。

明日から

　明日からいよいよ『PROMISE』が始まります。
　さっそく明日仕事のあとにいくつもり。
　日本から真田広之、香港からセシリア・チャンとニコラス・ツェー。韓国からチャン・ドンゴン。本土からリウ・イェとオールスターキャスト。
　それで監督がチェン・カイコー。

　「いくしかない！」

　そもそもわが家がこんなに中華関係にはまって、映画や旅行とあちらこちらに行くことになったキッカケは2003年4月1日のレスリー・チャンの自殺から。
　朝のニュースでそれを知ってから私たちの生活が変わりました。
　２００３年の８月に、それまで行くことも考えなかった海外旅行に初めて行って。それもレスリーの居た香港、『追憶の上海』の舞台上海へ。この辺のことはまたどこかで書きます。けれど同じような経験をされた方結構多いのかも。

　何回、『覇王別姫』を見たか。
　チェン・カイコー監督が２００４年に兵庫の大学で講演をすると聞いて配偶者と仕事を休んで行った事も。
　チェン監督は体も大きく、男性的。奥さんと子どもさんもいっしょに来ていて、小さなお子さんが漢詩を暗誦したのも可愛らしかった。

　そんな配偶者がレスリーの次にファンになったのはチャン・ドンゴン。『チング』はわが家のDVDリストにしっかり入っています。他にも『ブラザーフッド』『ロストメモリーズ』『恋風恋家』もDVDでわが家にあります。ニコも『インファナル』始めほとんど見てます。リウ・イェも『山の郵便配達』から『小さな中国のお針子』『恋の風景』（香港版）と見ましたし我が家にもあります。こう考えるとかなりDVDリストにお金を注ぎ込んでいますねえ。

　わが配偶者のこうしたファンリストを考えるといい男＝端正な顔の男性が大好き。

　しかし現実に結ばれた男は例外で・・・こればっかりはねえと言いつつ、お休みなさい。

流星花園２

　今日は疲れた。配偶者は横で倒れて寝ている。
　今から配偶者が取っていた「流星花園２」を見ます。以前DVDを借りてみたけど飛び飛びだったし。

　しらなかったけど火曜日の夜２時からやっているとのこと。２回分録画してある。少し見たけど。困るのは日本語にふきかえていること。音声Rで聞くと台湾の音声そのもので聞けるけどよく分からないところもあるし。

　テレビ局のかた、ぜひ元音声で日本語字幕よろしくお願いします。