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大きな衝撃 「光州5.18」

2008-05-14 16:31:02 | 韓国映画
 ども。

 今日はお休み。
 朝一番から京都シネマへ。お目当ては「光州5.18」。
 10時からの上映で20分ほど前にチケットを購入。その後もゾクゾクと人が入り、平日の一番最初の上映にもかかわらず、7割ほどのお客さんで席が埋まりました。

 映画は今年一番の衝撃でした。(配偶者は「ユゴ 大統領有故」を今年一番の衝撃だと言いますが私は残念ながら未見です)
 「血の光州事件」として、私はちょうど大学入学の年にキャンパスで抗議の呼びかけが盛んに行なわれていたことを思い出します。朴大統領の暗殺、全斗煥クーデターと学生・市民の民主化要求。それを軍が武力で弾圧する。こうしたあらすじは知っていましたが、実際にどのような事件だったのかは良く分からないままでした。

 映画は丹念に事件直前の日常生活を描き、その平凡な日常を空挺部隊が暴力的に破壊していく過程をあぶりだします。ミヌとシネが映画を見ていたら外から軍に追われて学生が逃げ込んできて、それを徹底的に警棒で殴りつける場面が象徴的です。同じ民族に対する、武力での容赦ない弾圧、徹底した暴力。道庁前の発砲シーンに息を呑みました。
 それとともに、軍の圧倒的武力に立ち上がる市民の人間としての勇気が胸を熱くします。銃弾飛び交う中で、救急車を走らせる医師。その医師さえも冷酷に射殺する軍隊。女性、子どもにも容赦ない銃弾を浴びせる軍隊。それでも、屈せず立ち上がりついには軍を撤退させた市民。韓国民衆の力を渾身の力で描き出した映画です。

 私はこの映画を見て、パリコミューンを連想しました。カール・マルクスは、パリ市民の武力蜂起の無謀を蜂起以前には戒めましたが、民衆が圧制に向かっていったん立ち上がった時には、その民衆の勇気を「フランスの内乱」で高く賞賛しました。パリコミューンは72日間で弾圧され崩壊しましたが、この光州も5月27日には戒厳軍に鎮圧されました。しかし、その歴史的な意義は消し去ることはできません。
 シネの「私たちのことを忘れないでください」と呼びかけに応えて、この映画ができたと思います。韓国の民衆の誇り高い闘いの歴史は現在も不滅です。
 商業映画ですが、韓国歴史の暗部を正面から描いた韓国映画界とそれをヒットさせる韓国映画ファンの底力に心から敬意を表します。

 カン・ミヌ役のキム・サンギョン。パク・シネ役のイ・ヨウォン。力のある役者さんだと認識しました。(今、スカパーで「外科医ポンダルヒ」をやってます。そのポンダルヒ役ですね。こっちのドラマも面白いです)
 それに、映画にグッと重みを加えているのがアン・ソンギと神父さん役のソン・ジェホ。映画に笑いをもたらしてくれたインボン役のパク・チョルミン、ヨンデ役のパク・ウォンサン。
 ぜひ、多くの人に見て欲しい一本です。
 私は休んでまで見に行った価値がありました。


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