看一看電影

アジア映画、ワン・リーホン、チャオ・ウェイ大好き! 近頃はPerfumeとグランパス、ベースにもどっぷり。

みなみ会館 『緑茶』

2006-09-23 16:11:02 | 中国映画
 今日は午前10時から、京都みなみ会館へ待望のチャオ・ウェイ主演映画『緑茶』を観るためにいそいそと出かける。結構人がいたのでウレシイ驚きです。

 原作は新進気鋭の個性派の女流作家「金仁順」の文芸作品。

 この原作「水辺のアテイリヤ」と映画化された「緑茶」については、「研究誌 季刊中国 №80」(2005年3月1日発行 季刊中国刊行委員会)で伊藤敬一東京大学名誉教授が『水辺のアテイリヤ 金仁順の短編小説とその映画化』という文章を書かれておられ、大変参考になりました。

(以下に一部引用します)
「(金仁順の)第二の代表作は、短編小説『水辺的阿狄麗雅(水辺のアテイリヤ)』(雑誌「作家」2000年2月号)で、金仁順らしい特色を円熟した筆致で示した代表作中の代表作である。朗朗の話が面白く、プロットの主線とも各段落の核ともなって光っており、朗朗が次第に主人公である「私」の分身ないし、同一人物ではないかという暗示を強める過程が、「私」と陳明亮との相互理解と愛情の進行に重なって描かれるという興味深い構成を見せてくれる。・・・心憎いことに、この作品は、「私」と朗朗が別人なのか同一人なのか、結局最後まではっきり断定せず、読者の想像に任して、不思議な余韻を残している」

 映画化にあたっては金仁順自身が「衛視小説」として映画脚本を書いたものが『緑茶』で、主人公に名前が与えられ、視覚上も一人二役で朗朗も主役の一人として登場しています。映画のクレジットにも金仁順の名前が入っていました。映画化は、張元監督、姜文と趙薇の主役が評判で中国で大成功しました。

 日本では上記の予備知識があればもっと深く味わえると思います。何も知らずに観てどう感じるか?多くの観客は「?」というマークが浮かぶかも。

 私には大学院生を演じるチャオ・ウェイのアップ。朗朗のことを話す表情。姜文の行動に感情を揺らしながら、徐々に心を許していくチャオ・ウェイの演技を十分楽しむことができました。

 ちなみに「水辺のアテイリヤ」はリチャード・クレイダーマンのピアノ曲『渚のアデリーヌ』のことだそうです。