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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

自閉症児のお気に入り

2010-01-10 00:41:14 | 自閉症
チャーリー・ブラウンの友人ライナスは毛布に強い執着があり、漫画では常にいっしょに登場します。
自閉症の愛娘にも、強い執着を長く持続させるものがあります。
生後7ヶ月の時に買い与えたエルモ(セサミストリートに登場するキャラクター)のぬいぐるみはその後12年にわたって執着対象となりました。
当初はふわふわで手触りの良かった毛並みが、赤ん坊の唾液で固まってガビガビになりました。
ユーモラスに瞳が描かれていたプラスティック製の眼は、瞳がこすれていつの間にか無くなり、完全な白目となりました。
就寝後の娘を見舞うと、寝顔に寄り添うのは白目で大口開けて笑うエルモ。
こちらが「う!」と身構えるほどの気味悪さ。
客観的には非常に気味の悪いものですが、娘にとってはなくてはならないものです。私がふざけてさりげなく取り上げたりすると、かなり切迫した声をあげて返却を求めます。

常に抱いていたために、出っ張った鼻の部分が擦れてほつれて穴が開きました。そこに指を突っ込んで中のパンヤを引っ張り出す作業に熱中。その結果、部屋中がパンヤだらけとなり、しばらくの間、帰宅直後の掃除が私の日課となりました。
とうとう全てのパンヤが引っ張り出されて完璧にペシャンコになったエルモは本棚の奥に押し込まれ、その後二度と明るいところに出てくることはありませんでした。合掌。


その数ヵ月後。
玩具屋で見つけたトトロのぬいぐるみが急に欲しくなり、つないでいた親の手を振り切って突撃。手にとってずーっと抱きしめているのでそのままレジに連れて行って会計を済ませ、以来今日までずっと娘と一緒です。
途上国の埃っぽい空気や娘の汗などを吸収し続けてすでに4年。
今ではトトロというよりドドロ。
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骨まで愛して欲しいのよ♪

2010-01-08 00:29:46 | ラオス

牛の足を腿と脛で切断して肉を取った後、残った膝の部分をぐつぐつと茹でてスープをとります。ラオス料理屋でのランチでは、この牛膝(ぎゅうひざ)がおかずの一品に出てくることがあります。
お肉の柔らかいところはとっくに溶けてしまっており、残っている部分で目立つのは関節のゼラチン質ぐらい。半透明でフルフルとフルえております。ナイフでむしり取り、口に入れます。ゴムのように妙に硬い部分は適当に噛んで呑み下します。いつまで噛んでも軟らかくならず、キリがないのです。

お楽しみは骨髄。ほとんどが流出しておりますが、まだ骨の内部にこびりつくように残っている分があります。
断ち割られた骨に太目のストローを差し込み、髄液を吸い出します。液とは言っても熱ですでに柔らかく凝固しており、吸い込む時にはズバッ、ズバズバッ、と盛大な音がします。
関節に近い部分は大人の拳骨ほどの大きさに丸くなっており、かなりの容量があります。たぶんドーム状になっているであろう骨の内壁をストローの先で探りながら、吸引。大きな塊を探り当てた時はけっこう嬉しい。
口の中に飛び込んできた髄は微妙な塩味で、かなり脂っこい。というかアブラそのもの。
そしてアブラとは明らかに違う味もして、これがミルクを濃厚にしたような、ほのかな甘みと柔らかい塩味。これはカルシウムの味なのか、それとも牛そのものの味なのか。
なんだかわからないけれど「栄養満点」という感じではある。
そんなものをズバズバ吸って、またしても育ってしまうオジサン80キロ。

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自閉症児の万引き

2010-01-02 14:09:41 | 自閉症
新年に懺悔する昨年のささやかな悪行。

日本に一時帰国するときなど、当然飛行機で移動することになります。ラオスと日本を結ぶ直行便は就航していないため、どこかで乗換えをしなくてはなりません。
タイのバンコク空港は広く、到着してから次の搭乗口まで歩く距離が長い。便の連絡によっては乗り換え時間がとても短く、早足で歩いてようやく間に合う場合もあるので、あまり余裕がありません。
加えて、規定のほぼ限界近くの手荷物を持っているため(娘の分の手荷物も持っている)普段のように娘と手をつないで移動することができず、気持ちの上でも余裕が無いことが多い。
娘に「ちゃんとついておいで」と言い含め、次の搭乗口目指して空港内を歩きます。

商店街のように免税店が並ぶ区画を通ります。
こういうところに欲しい物は何も無いのでペースを崩さず足早に歩く両親。逆にキョロキョロと視線を走らせる自閉症児。
みやげ物があふれる店頭に、娘は目ざとくドライ・フルーツを見つけたようです。パイナップル、パパイヤ、マンゴーなどをスライスして乾燥させて砂糖をまぶしたお菓子です。娘は特にドライ・マンゴーが大好物で、食べたさから「マンゴーマンゴーマンゴーマンゴーマンゴー」と10回くらい連呼。惜しい。トッケーだったら願い事がかなうのに。
ごめんよ。時間が無いから買ってあげられない。それにマンゴーならバッグの中に入っているんだ。飛行機に乗ったら出してあげるから。
優しい口調で諭すように言うと、親が何を言っているのか理解は出来なくとも、その雰囲気で、とりあえずマンゴーは買ってもらえない → でもあとでいいことあるみたい → 今はおとなしくしていた方が無難、と考えてくれたようです。
その証拠にマンゴー連呼も止み、娘は静かについて来ます。
動く歩道で移動できるコンコースに入り、この分なら搭乗時間に充分間に合いそう。
ちょっとここらで一休み。
荷物を下ろして振り返ると、娘は例のニコニコ顔で高速メトロノーム。上機嫌で頭を振っています。
そして、ほら!と誇らしげに掲げるのはドライフルーツの袋!

ああっ! おまえ! ちょっとー! 
どこからギッてきたんだー!

マンゴー欲しさに勝手に店頭から持ってきてしまったのでしょう。
あーあ、万引きさせちゃった。
今までこういうことがなかったので油断していました。
出発時間が迫っているので支払いのために戻る時間はありません。
それにそのドライフルーツはどの免税店でも売っていそうな商品で、どの店の物なのか、今さら特定は不可能。
こちらの顔色から「どうもヤバいことしちゃったみたい」と悟った娘も神妙な顔つきです。
でもまぁ、やっちゃったもんはしょうがない。とりあえず反省はして、これはもらっちゃおう。
盗品をバッグに押し込み、そのまま搭乗口へ向かった親子三人でありました。
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