ルアンナムターへの出張時、夜が長くて手持ち無沙汰になりがちです。
こういう時間を利用してギターを練習したらうまくなるだろうなぁ。
でもハードケースに収めたギターを持って出張に行く、というのもかっこ悪い。飛行機利用時に貨物係にどんな扱いを受けるか心配だし。
それに持って行ったとしても定宿にしているゲストハウスではあまり大きな音も出せないし。
などとウジウジ考えていたら良いものがありました。
サイレント・ギターです。
共振するボディが無いので音が極小に抑えられ、演奏時には付属のヘッドフォンを接続して音を聴く、という極めて個人的な楽器です。また分解可能なので飛行機の客席にも手荷物として持ち込める。まさに私の出張旅行にうってつけの開発コンセプトです。
最近はサイレント・タイプの楽器が流行っているようで、アリアとヤマハから似たようなギターがそれぞれ販売されています。
ヤマハ・ファンの私としては当然ヤマハのSLG(サイレントギター)を選びたいところですが、カタログで比べるとアリアのシンソニード(スペイン語で"消音"を意味するそうです)の方がコンパクトなんです。
SLGが全長965mmであるところ、シンソニードは863mm。10cmも短い。
また、ボディ代わり(?)のフレームも、シンソニードは高音側・低音側とも取り外しができるのに対し、SLGは片側が固定されているようです。
旅行時に携行する、というのが前提になるので、より小さくなるシンソニードを選択しました。
画像はアリアのホームページから、最新モデルAS-101C/SPL
購入してから4年近くになりますが、その間、完璧に出張用としてのみ使用しております。
携行が楽です。さすがに小さくて軽い。
そして生音は小さくて静か。旅先のゲストハウスでミッドナイト・ストラマーに変身しても大丈夫です。
ヘッドフォンを通して聴く音質は、私が選んだナイロン弦モデルに関して言えば、とても良いです。特に低音が倍音豊富でふくよかな音色。
これは搭載されているピックアップ・マイクの性能によるもののようです。一般的なピエゾ(サドル底部に貼り付けるテープ状のマイク)ではなく、プラスティック製の円筒状のサドル内部にコンデンサー・マイクが仕込んであるらしい。
エレアコ特有のクリスピーな音質がまったく無いわけではありませんが、それでも充分温かみがあり、耳に心地良い音です。
この音質に関しては、有名アーティストである山崎まさよし氏も某ギター雑誌のインタビューで「このままライブでも使えそう」などと絶賛しておりました。
良い買い物したー、と満足しておりますが、ささやかながら欠点もいくつかあります。
コンパクト化の代償としてヘッドが無く、チューナー・ペグが右手近くに位置しています。チューニングの勝手が少々違う。それに演奏中にうっかり引っ掛けてしまいそうで気を使います。
また付属のヘッドフォンは私の耳には馴染まず、別のものを購入しました。
付属するソフトケースはファスナーの開口部が広くて容量にも余裕がありますが、残念ながらあまり頑丈なものではありません。月一回のペースで出張につき合わせていたら2年目にはところどころほころびてきました。現在はガムテープで補強して使っていますが、近いうちに新しいケースを調達しようと思っています。
さて、明日からまたルアンナムターへ出張です。シンソニードと。