ヒトはただ立っているだけで足の筋肉をずいぶん鍛えているんだそうです。
だいぶ前にテレビで(たしかNHK特集で)見たのですが、アメリカ在住の医師の例が紹介されていました。シニア・オリンピックという、50歳以上のアスリートに参加資格のある競技会の短距離部門で、その医師は番組放送当時、何年も連続して金メダルを取得しておりました。毎年、50歳になったばかりの若手(?)新人選手が参加してくる競技会で、かなりのベテラン選手である彼がなぜ首位を保てるのか? きっとトレーニング方法にその秘密があるに違いありません。しかし予想に反して彼は何もトレーニングしていなかったのです。医師として毎日数時間に及ぶ外科手術を担当していた彼は、立ったままで施術するのだそうですが、その立ち仕事がスプリンターとしての足の筋肉を程よく鍛えてくれたのだそうです。
ところで、私はクルマで移動することが多く、歩くことが極端に少ない生活を長年にわたって営んでおります。日常的に、例えば電車で通勤する習慣があれば、駅までの徒歩移動や乗車中の立ち姿勢などが筋肉の負担となるのでしょうが、それが一切ありません。だから足弱る。
40代前半までは適正値をキープしていた体重がその後急速に増加したのも、そういった生活習慣が影響しているのだと思います。体重増加とともに余分なお肉が全身を覆い、お恥ずかしい話ですが、歩くと内腿が擦れるようになってしまいました。それまでなかった違和感。内腿こすれてデブ実感。
以来、「いずれ解消しなくてはならない問題」として常に意識していたのですが、具体策は何も思い浮かばず、その結果、股間に存在し続けるマタズレ。
ウェイト・トレーニングは、下半身の筋肉強化運動も含めて20年以上にわたって習慣的に行っており、しかしそれにもかかわらずマタズレするようになってしまったということは、この運動は私のマタズレに対しては効果がないのです。
ケニヤに単身赴任して食生活が変わったせいでしょう、体重が減りました。10年前の適正体重には及びませんが、それでもかなり身体が軽くなりました。しかしマタズレ君はまだ股間にいます。
先日、前述のテレビ番組を思い出し、自宅でパソコンを操作する時間だけでも立って仕事をしたら運動不足解消に効果があるのではないか、と考えました。
家具職人に頼んで作ってもらったのがカウンター・デスク。
天板は私のヘソより10センチ高い位置にあります。酒場のカウンターと比較してもちょっと高い。しかしこの高さ、書き物やパソコン操作にはちょうど良く、立っていても自然に仕事に取り組めます。
使い始めて4週間が経ちました。
終業後に帰宅して、職場から持ち帰った仕事を済ませたり、メールを書いたり読んだり、このブログを執筆したり、パソコンでする仕事はすべてこのカウンターに向かい、立ったままでこなしています。たぶん、毎日2~3時間は立ち仕事をしていると思います。
その結果どうなったか?
当然ではありますが、足がかなり疲れます。就寝時にベッドに横になると、負担から解放された両足が気持ち良く、まるで入浴時のように深い息がハァーと出ます。両足の筋肉が鍛えられている、と実感します。
正直言ってマタズレには効果を期待してはいなかったのですが、なんだかスレ具合が減ったような気がするんです。パンツ(下着)の形状を変えたとか、歩く時の姿勢が変わってガニマタになったとか、そういう他要因の変化は一切無しです。体重も安定しています。
すごい。立ってるだけでマタズレ軽減。近い将来、股間から完全退去してくれるかも知れません。
最近は、このカウンター・デスクをできれば職場にも持ち込みたいと考えています。更なる運動効果を狙っているわけではなく、毎日ランチ後に襲撃を受ける睡魔対策です。立ったままであれば緊張が持続して眠くならず、効率良く仕事ができるのではないか、と考えているんですが、個人の家具の持ち込み、許してもらえるかな?