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ひな祭りの思い出、と

2023-02-19 08:33:04 | パソコン相撲
私の新潟の実家では、ひな祭りが近づいて来ると、タケ婆が活躍した。
離れの蔵に私を連れて行き、2階から恒例のひな人形を運び出した。
代々の米作り農家なので、昔のからのやら数多くあった。

それらを私と一緒に運び出して、座敷にひな壇を設けて飾った。
タケ婆はニコニコしながら、順に置き並べていき喜んでいた。
その中には自分の花嫁道具として、生家からの物もあったかもである。
家内安寧、五穀豊穣、子孫繁栄、先祖供養となり、いい行事である。

それが私が小学校2年の時は、急に飾り付けが派手になった。
父の後妻の子が生まれたからである。私は幼な心に神妙だった。
そして、小学生6年の時は妹が生まれていたので、より彩った。

タケ婆の最後のひな祭りは、祝うどころではなかった。悲惨だった。
老衰で、汚れ布団中で寒さにかじかんでいた。助けを求めていた。
誰も親身になって傍にいなかった。私は、実家から逃げ出していた。
本当は私が寄り添えばいいのにである。取り返しのつかない大失態を。
たった3回しか様子を見に行かなかった。人でなしになった。
生涯最後のひな祭りは、何もなし。その3日後、綺麗な花は散った。

タケ婆は言った・・・・
「体がべとべとして、大変だいや・・・・」
「手が冷たくて、大変だいや・・・・」
「行くないや・・・・行くないや・・・・」

私は恩をあだで返した、万死に値する。もう言葉がない。

無償の愛のタケ婆は極楽にいる。私が地獄に落ちてく刹那、一瞬見たい。
きっと笑顔を見せてくれると、そう信じたい・・・・

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