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映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

プレシャス

2011-02-02 19:05:02 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
太った黒人の若い女性が印象的である。
映画「プレシャス」のジャケットを見て、太っていることで屈折した若い女の子の物語と思っていた。その想像以上にむごい人生を歩む女性の話であった。母役のモニークがオスカー助演女優賞をもらったというのは確かにうなずけられる強烈な黒人女性の役だ。ちょっとむごすぎる。感動が残るというよりは、ハーレムの中でスラム的な人生を歩んでいた人たちの悲惨な姿に驚かさせる作品だ。



1987年のニューヨークのハーレム。17歳の黒人少女クレアリース・プレシャス・ジョーンズことガボレイ・シディベは、夢想癖のある太った女の子だ。ある日学校の校長から呼び出された。「妊娠していると聞いたけど」それではこの学校からは退学だといわれた。自分の父親にレイプされて、子供を妊娠していたのだ。彼女は12歳のときにも妊娠し、出産していた。父親は行方をくらまし、母親メアリーことモニークは生活保護を受けている。何も仕事をしないばかりでなく、プレシャスを、強烈に虐待している。
プレシャスは代替学校“イーチ・ワン・ティーチ・ワン”を退学した学校の校長にすすめられて行ってみた。そこには自分と同じように悲惨な境遇にある仲間たちがいた。女性教師ことポーラ・パットンと出会い、先生は辛抱強くプレシャスを理解しようとしてくれた。少しずつ生まれ変わっていったのであるが。。。。

虐待シーンのむごさがこの映画の見せ場だ。なんせ母親は性格破綻している女性である。自分が生きるために、娘や子供を虐待してでも生き延びていこうとする人間だ。まあよくもここまで破綻したもんだと思わせる母親である。母親は徹頭徹尾プレシャスにつらく当たる。レイプとはいえ、夫を実の娘に奪われたという最悪の嫉妬が横たわっている。プレシャスはそのいやらしさを日常受けとめながら生きていく。娘はかわいそうだ。見ていくうちにプレシャスを応援したくなるそんな映画である。黒人中心の映画らしく、ソウルミュージックやゴスペルの音楽がいいセンスをしていた。



そこに加わるのが、代替学校の教員ポーラパットンである。黒人美人女優としてのキャリアを積みつつある彼女の姿は素敵だ。あとソーシャルワーカーとして、主人公と母親の相談を受ける女性の顔を見て、どっかで見たことあるんだけど、だれだったかな?と映像を見ながら考えていた。


そしてクレジットでびっくりした。マライア・キャリーであった。普段の派手な姿とは対照的な役である。一歩抜けた金持ちになってしまったマライアらしく、こういった慈善的な話に惹かれるのであろう。
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エスター 

2011-01-04 06:02:47 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
エスターは異常な子供をクローズアップしたサイコサスペンスだ。
ブログでコメントをいただいたpaceolaさんのお勧めで見た映画だ。確かにこれは怖い。
恐怖の波状攻撃で何度も身体をびくつかせてしまった。


赤ん坊が死産するシーンからスタートする。落胆する妻ことベラ・ファーミガと夫ことピーター・サースガードの夫婦。息子と聴覚障害者の娘の2人の子供がいた。妻はアルコール依存症がもとで、娘を溺れさせかけたことがあった。その上に起きた悲劇をふまえて、生まれ変わりと考え養子を迎えることを決意し孤児院を訪れた。そこで出会ったのは、エスターことイザベル・ファーマンという名のロシア生まれの少女であった。エスターは一人離れて行動し子供とは思えぬきれいな絵を描いていた。その頭のよさに惹きつけられた夫婦はエスターを養子に迎えることとした。

一緒に暮らしはじめ、聴覚障害の妹とも手話でやり取りができるようになり、家族になじんだ。ところが独特の風貌と自分勝手な動きにまわりの子供がいじわるをした。みんなから異様な扱いを受けた。
エスターは、次第に隠された本性を現し始める。彼女は、その姿からは想像できない凶暴さを秘めていたのだ。いじわるをされた子供に復讐をしようとするが。。。

母親役のベラ・ファーミガはつい先日「マイレージマイライフ」ジョージクルーニーと共演していたウクライナ系の美女。他にも見たことがある。父親のピーター・サースガードもトレンディ映画の常連で、「クレイジーハート」で取り上げたばかりのマギーギレンホールと結婚してまもない。
わりと最近の映画によく出る普通の俳優を起用することで、普通のアメリカ人の家庭を連想させる。風景は北部の寒いところで、雪景色の中のウッディで素敵な家に住む家庭だ。そんなロケーションの中どのように展開するかと思うが、サウンド効果が何も起こらないときからスリラーの匂いをぷんぷんさせる。そして凶暴さを発揮しはじめた時からの波状攻撃はすごい!
ここでは書ききれないが、最後までこれでもかと見るものをどきどきさせる行為をする。
イヤーまいった。



何も養子なんてもらわなくてもと思ってしまうが、そこが諸外国と日本の違うところだ。
戦前の日本はもっとまずしく今よりも養子縁組は多かったという。
韓国映画「冬の小鳥」でも感じたが、外国の子供のできない親はついつい孤児院に頼る。
別の意味でのお見合いである。ここではorphanが原題である。日本では直訳での上映無理だろうなあ。
この映画はホラーとは思えない。それを超越した何かを感じさせる。

それにしてもエスターの子役の活躍はすごい!怪演である。
これだけの映画にするのには恐るべきパワーがいる。
これからの活躍に十分期待できる。どういうタッチの映画に進むか分からないが。。。。

自分からだったら絶対に見ないタイプの映画なのでたまにはよかった。
どうもありがとう!
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ジュリー&ジュリア  メリル・ストリープ&エイミー・アダムス

2011-01-01 10:36:18 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
今年も1から映画スタートだ。
まずはメリルストリープとエイミー・アダムスの「ジュリー&ジュリア」からスタートで行こう。
メリル映画では「恋するベーカリー」なんて詐欺のような邦題にだまされたが、この映画は完ぺきなグルメ映画である。1949年と2002年の二つの物語をうまく組み合わせて素敵な映画にしている。ノーラ・エフロン監督はラブコメ得意の大ベテランである。新年早々この見事な料理ぶりを観て、今年もいい年の予感がする。


1949年アメリカ人のジュリア・チャイルドことメリル・ストリープは、外交官の夫の転勤でパリにやって来る。ジュリアはフランス料理に目覚め、自分で料理を学ぼうと決意する。もともと料理の才能がない方で、実家からは料理人を派遣しようかといわれる始末であった。プロを目指す料理人の中で素人ぶりが目立ったが、負けん気を発揮して、腕を上げていく。そして料理本をつくろうとする話が仲間内から出てくるのであるが。。。


2002年のニューヨーク。作家になる夢に破れ、公社の電話オペレーターとして働く29歳OLのジュリー・パウエルことエイミー・アダムスにはやさしい夫がいる。クィーンズのピザ屋の2階に間借りして、911テロの後始末処理でうんざりする毎日を過ごしていた。ある日、料理が大好きな彼女は、料理研究家ジュリア・チャイルドの524のフレンチレシピを365日で作り、それを毎日ブログにのせることを思いつく。最初は失敗だらけであった。悪戦苦闘するジュリーのブログは注目をあびるようになるが。。。



このストーリーを交互に描いていく。メリルストリープはモデルのジュリアをまねしたと思われるカン高い声で話しながら、ジュリアの不器用な性格をうまく演じている。子供ができないことが唯一の悩みで、外交官である夫とは強烈に仲のいい夫婦であったようだ。
パリは昔からの建物がそのまま残っていて、時代をさかのぼったロケが普通にできてしまう。そこに室内の美術の巧みさが加わり、アメリカ人による素敵なパリがつくられている。時代設定が1949年だけに、赤狩りマッカーシー議員をメリルの父親が支持して、夫が反発するなんて話もある。奇妙なことに911テロ直後の市民相談係をやっているエイミーともども軽い政治的味付けがあるのも面白いところだ。


エイミー・アダムスもいい。お茶目な彼女が思い立って料理に挑戦する姿は、つい応援したくなるような何かを自分に感じさせてくれた。まあ料理のおいしそうなこと。映画の中でこれほどまでに並ぶのは珍しい。ホームパーティのシーンが楽しそう。誕生日パーティでみんなワッペンを付けているのが、かわいい。
あとは二人の夫がやさしいということ。女性が観ることを前提としているのであろう。こんな旦那だったら幸せになれるというのを前面に出しているような気がする。でも男が観てもいい映画だ。
一人で観に行く勇気はないけど。。。


ノーラ・エフロン監督といえば、脚本もこなし、「恋人たちの予感」「めぐり逢えたら」「ユーガッタメール」などを手掛けている。これらの作品の共通性はニューヨークである。そんなニューヨークを知り尽くした監督がさばくので、映画がうまくいかないはずがない。しかも、美術、インテリアのセンスは抜群だ。映像を心から楽しめた。

そういえばエイミーのパソコンがVAIOでテレビがSONYだった。考えてみたらコロンビア映画だったんだよね。
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フォークリスマス  リース・ウィザースプーン

2010-12-24 04:56:35 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
フォークリスマスは日本未公開のクリスマスコメディ映画である。
オスカー女優リースウィザースプーン主演でアメリカでは大ヒットした。クリスマスをいつも2人だけで過ごしていたカップルが、あるハプニングで双方の面倒な家族と過ごすハメになるラブコメディ。
このフォーは4で、4つの家族のクリスマスの意味だ。これも深く考えずにシンプルにみるのが良いと思う。



付き合い始めて3年の、結婚もせず子供も作らない主人公の二人ヴィンス・ヴォーンとリースウィザースプーン。クリスマスには、二人きりで海外へバカンスに出掛けていた。しかし、深い霧で全て欠航となる事態に見舞われた上、空港でTV中継に映ったことでバレてしまい、仕方なく双方の家族と過ごすことになる。それぞれの両親とも離婚しているため、4つの家族のクリスマスホームパーティを巡るハメに。いずれも個性豊かな家族で、ハチャメチャの騒動に巻き込まれていくが。。。。

ドタバタコメディであるが、出演者は豪華である。ロバート・デュバルやジョン・ヴォイトとこのブログでも再三取り上げた名優が両方の父親役で出てくる。いずれも老けたなあ!という印象だ。それでもテンポのいいこの作品についてきている。貫禄だ。


色彩設計に優れ、最近のラブコメディ同様完ぺきな美術セッティングである。クリスマスの描き方が美しく、目を楽しまさせてくる。リースウィザースプーンも相変わらずノリがいい。主演男優のヴィンス・ヴォーンは現代アメリカンコメディでは外せない俳優である。アメリカでヒットした「ウェディングクラッシャーズ」も日本公開されなかった。日本では評価されていないが、味がある。バカができるって素晴らしい。腹を抱えて笑うシーンも用意されている。

結婚が人生の墓場としていた二人が、次第に家庭の温かさに目覚めていく。
そこがほのぼのとさせる。


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ソルト アンジェリーナ・ジョリー

2010-12-02 17:47:35 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
「ソルト」はアンジェリーナ・ジョリー主演のスパイ映画。1960年代に東西冷戦の世を象徴するかのごとく、ロシアKGBを登場させるスパイ映画が数多くつくられた。そのリバイバル的匂いを感じさせる。アクションは激しく、007並みに彼女に危険が押し寄せる。


最初にいきなり朝鮮38度線板門店の国境の映像が映る。CIAのソルトことアンジェリーナ・ジョリーは、北朝鮮でスパイ容疑で拉致され、拷問をうけていた。しかし、交渉によりソルトは捕虜交換で一命をとりとめ、帰国することになった。
ソルトは、CIAにそのままいた。ある日、ロシアからの亡命者と名乗る男がやってきた。ソルトが対応することになった。ソルトにはもともとロシアのスパイの血が流れているという。子供の頃から仕組まれている暗殺を起こすという。しかも、米副大統領の葬儀に友人としてやってくるロシア大統領の命が狙われるという。ソルト本人が狙っているという話が出てくるが。。。。


いくらスパイ映画とはいえ、ロシア、アメリカの両大統領が出てくるとなると、話自体少し大きすぎる気もする。こういうアクションものをやらせると、アンジェリーナ・ジョリーがはえる。よくこれだけのアクションの撮影をしたなあと感心する。ロケを許可するニューヨークの街の人たちもずいぶんと寛大だ。でも個人的にはウォンテッドの方が面白かった。



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恋するベーカリー  メリル・ストリープ

2010-10-07 05:12:10 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
「恋するベーカリー」は「ホリデイ」「恋愛適齢期」のナンシー・マイヤーズ監督によるラブコメディ。メリル・ストリープ主演で「ゲッタウェイ」のアレック・ボールドウィン、お笑い映画の帝王スティーヴ・マーティンの豪華な脇役で固める。若者向きというよりも熟年向きの作品で、初老の域に達する男女の恋を描いている。カリフォルニアのスパニッシュの匂いがする地域でのロケに加えて、ニューヨークの場面もちりばめ、現代アメリカの白人アッパー層の生活がよくにじみ出る映像がきれいだ。

カリフォルニアのサンタ・バーバラにあるベーカリーの経営者ことメリルストリープは、離婚後3人の子供を立派に育て上げた。共通の友人のパーティで10年前に別れた元夫の弁護士ことアレック・ボールドウィンと再会する。元夫婦は息子の大学の卒業式に一緒に参加することになっている。元夫は若い奥さんと再婚しているが、メリルは一人身で心が満たされない日々を送っている。卒業式に家族全員でニューヨークに行ったときに、一人で食事しようとしてウェイティングバーにいると横に元夫が偶然座る。一人同士なら一緒にと飲み始めると昔話で意気投合する。そして気がつくと一緒にベッドを共にしてしまうが。。。。



「恋するベーカリー」というとグルメ映画の色彩が強い印象を与えるが、この題名は全く適切でない。パン屋の場面は少ししか出ない。原題は「It's Complicated」複雑な恋ということを言いたかったのであろう。メリルの自宅の設計士であるスティーヴ・マーティンが離婚して間もないという設定で、恋のライバルとして現れる。ナンシーマイヤーズの作品であれば、「恋愛適齢期」が同じテイストの気がする。あの映画でもダイアンキートンを脱がせた。これも似たような場面がある。ご婦人たちとの会話もかなり卑猥で、若干エッチな雰囲気を残すのが監督さんは好きなようだ。



映画自体はメリルストリープ主演という割には普通の映画といった印象だ。しかし、「プラダを着た悪魔」のようなキャリアウーマンでにこりともしないような役よりはこの映画の方が彼女らしい。アレック・ボールドウィンは昔と比べると太って別人のようだ。貫禄がついたので白人の富豪の役なんかやらせるとこれからうまくいくかもしれない。ギラギラしたところがなくなった。スティーヴ・マーティンがマジな顔をしていると不思議な感じだ。いつ本領を発揮してギャグを言うかと楽しみにしていたが、今回は別の一面を見せる。植木等が晩年シリアスな役もうまくなったようにイメチェンするのかな?



それにしても、美術、音楽、撮影は完ぺきだ。サンタバーバラの美しいスパニッシュ瓦の家をいきなり映し出し、この先の映像に期待させる。色彩設計がよく最後まで期待通りの美しい映像だった。メリルがつくる料理が実にうまそうだし、中のインテリアと小物のセンスは抜群だ。パーティ場面の選曲もよく、音楽も実に映像にあっている。アメリカのラブコメの中でも映像の美しさは極致をいっている。女性監督の神経の細やかさだろう。

感動するという作品ではなく、アメリカの白人層の生活を観てみたい人に?といったところか
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ウルトラI LOVE YOU  サンドラ・ブロック

2010-10-06 16:15:22 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
「ウルトラI LOVE YOU 」 原題:All About Steve はサンドラブロックがラジー賞(最悪作品賞)を受賞した作品である。
同時にオスカー主演女優賞を受賞という快挙?をなしとげたというのは今年一番の話題だ。怖いもの見たさでDVDを手に取ったが、「悪くないじゃん」というのが率直な感想
色彩設計に優れ、バックの音楽を含めて舞台装置は万全、中年の独身女性がイケ面テレビ制作マン Steve を追いかけるお気楽なラブコメディだ。

主人公ことサンドラブロックは真っ赤なブーツを履き、超ミニスカートに身を包んだ派手な中年独身女性。新聞のクロスワードパズル作家で雑学に詳しい。イケメンTVカメラマンことブラッドレイ・クーパーと出会った彼女は一目ぼれ。いきなり彼の車の中で彼に抱きついてしまう。それ以来、テレビの取材で全米を駆け回る彼にしつこく付きまとうようになる!。彼はサンドラを避け続けるが、テレビのキャスターことトーマス・ヘイデン・チャーチが思わせぶりなことをいい、サンドラはあきらめないが。。。。



「あなたは私のムコになる」「しあわせの隠れ場所」ともサンドラブロックが良かった。同じ年に撮った作品でそんなに作品の優劣があるものかと思っていた。
この映画も退屈な気分に全くならなかった。
ラジー賞と言うと、自分が観た範囲で言うと、デミムーアの金を目当てに富豪と寝る「幸福の条件」ストリップ嬢を演じた「素顔のままで」やラスベガス版「イヴの総て」と言うべき性描写が激しい「ショーガール」ハルベリーの「キャットウーマン」などがある。
正直どれも面白かった。どれも退屈で寝てしまうような映画ではない。
それなのにラジー賞というのは、一つの共通項として「品がない」といったところだろう。



今回はサンドラブロックの派手な服装とおしゃべりなストーカーというキャラが「品がない」と評価されたのだと想像する。確かに、原色を基調にしたサンドラのド派手な服装と若造りの髪型や化粧は品がないが、わざとやっていることだ。日常生活において、初老のご婦人が不自然に派手な化粧で10代の女性が着るような服装であらわれると気分が不快になることがある。ラジー賞の審査員はそんな気分なんだろうか?
でもよく見かける不自然に派手なご婦人に比べるとサンドラはまだ許せる。
きっとこういうキャラをサンドラは楽しんでいたと思う。

イケメンテレビマンのブラッドレイ・クーパーはこれからのラブコメディの常連となるであろう有望株、今回もよかったのは「サイドウェイ」で主人公2人の男の片割れを演じたトーマス・ヘイデン・チャーチだ。キャスター役が妙にサイドウェイの俳優役にダブる。ちょっとドジな役柄がなじむ。好演だと思う。

怖いもの見たさの映画だったが、よかった。
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NINE

2010-09-21 05:47:05 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
超豪華の出演者なのに、なぜかロードショーは遠慮した。監督の前作「シカゴ」も正直合わない方なので、どうなのかと思っていた。それでもこの女優陣がどう活躍するのかは観てみたかった。でもやはりあわなかった。それに尽きる。演技力では現在トップクラスと個人的に評価するダニエルデイルイスは悪くないが、もうちょっとシリアスな作品の方が合う気がする。でもこれだけの美女に囲まれるっていうのは一度でいいから経験してみたいなあ!



イタリアが世界に誇る映画監督ことダニエル・デイ・ルイスが主人公だ。豊かなはずの想像力が突如として消え果てた彼は、新作の脚本を一行も書けずにいた。決まっているのは主演女優だけなのに、刻々と迫る撮影開始日。追い詰められた彼は、ついに新作の記者会見から逃げ出し、海辺のホテルに身を隠す。そこで人生に影響を与えた美しき女性たちの幻想に逃避し、現実世界では呼び出した浮気相手と妻に救いを求める主人公。しかし、プロデューサーに居場所を突き止められた彼は、映画撮影所に連れ戻されてしまうが。。。。

いずれの女性も素晴らしい。オスカー男優賞2度とった主人公にぶつけるオスカー女優たちはいずれも貫禄のある美しい女性たちだ。二コール、パネロぺともゴージャスで、地元イタリアで貫禄を見せるソフィアローレンには敬服する。ケイトハドソンが激しい曲で踊りまくるのがいい。「あのころペニーレイン」のキュートさから大人に脱却したのを映画ファンに印象付ける意味があるかもしれない。

でも全般は凡長かな?
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あなたは私のムコになる  サンドラ・ブロック

2010-08-12 09:30:34 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
2009年はいろんな意味で当たり年だったサンドラブロック主演の作品。鬼の女性編集者がビザ切れに気がつかず、部下の若い男性との偽装結婚を思いつくというドタバタラブコメディである。アメリカでは3億ドルを超える大ヒットだったそうだ。お気楽にみるのがいい。



ニューヨークにある出版社の40代敏腕編集者サンドラブロックは、周りから魔女とおそれられる怖い存在だった。そのアシスタントである20代の若者ライアン・レイノルズは3年目にしてようやく付いて行くのが精いっぱいといったところだ。そんな時会社に役人が来て、ビザ切れでこのままではカナダにすぐ戻ってもらわねばならないと伝える。サンドラはあわてて、とっさにそばにいたレイノルズをつかまえて、実は彼と付き合っていて結婚することになっていると伝える。レイノルズは驚いたが、口裏を合わせた。条件として編集者に昇進させてもらえるという前提で偽装結婚をする準備をする。そのため、アラスカにあるレイノルズの実家に一緒に向かった。アラスカの実家では父母だけでなく、89歳になる祖母も待っていて、地元では名門のレイノルズ一家の大変な歓迎を受けるのであるが。。。。



このあとアラスカの実家でのドタバタ劇が続く。まさにラブコメディで笑える場面が続いていく。ふいに裸で抱き合ってしまうシーン、男性ストリップのシーン、鷲に携帯電話を持ち去られるシーンなど噴き出すシーンが多い。お気楽に見られる。祖母のひょうきんな動きが殊勲賞といったところだ。

サンドラブロックにとって、2009年は念願のオスカー主演女優賞とラジー賞同時受賞という奇妙な年だった。ある資料によれば48億円稼いだらしい。すごいなあ!でも彼女にしかできない役ってあるような気がする。もう少し頑張れるのではないか?
ライアン・レイノルズは主役級に昇進しつつある若手。かっこいいだけでなくいかにも性格がよさそう。スカーレットヨハンソンがぞっこんになったという構図も何だかわかるような気がする。相当女性にもてるだろうし彼女もひやひやしているのではないか?

40代のエリートキャリア女性と若者との触れ合いの構図はメリルストリープの「プラダを着た悪魔」と似たようなパターンだ。古くはダイアンキートンの「赤ちゃんはトップレディがお好き」なんて映画もあった。ニューヨークには日本と比較するとバリバリのキャリア女性が多いんだろうなあ。でもキャリア風でずっと突っ張らせるのではなく、ちょっとくだけさせてみるところが一般の共感を生んでいるのかと映画を観て感じた。
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しあわせの隠れ場所  サンドラブロック

2010-08-06 09:03:58 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
スラム街に生まれ、ホームレスのような生活を送っていた人並み外れて巨漢の黒人青年が、裕福な白人女性サンドラブロックの一家に家族として迎え入れられ、アメフト選手としての才能を開花させていく姿を描く。アメリカンドリームというべきなのであろうか?いや違う。リッチマンがペットのように貧しい青年を育て上げていく信じられないような心温まる作品だ。



肉親兄弟と生き別れになった一人の黒人の若者は白人中心の名門ハイスクールに入学する。しかし学力は最低レベルだった。真冬の寒い夜に半袖短パン姿で歩いていた彼を見かけたサンドラ・ブロックは彼を自宅へと連れ帰る。サンドラには同じハイスクールに通う娘とまだ小学生の息子ががいた。夫はスーパーのチェーン店を手広く経営していた。応接間のソファーに彼を寝かしたサンドラだが翌朝起きてみると彼はこっそり出て行こうとしていた。彼女は彼を引き留め数日後には彼のための部屋に新しいベッドを用意する。これに対してマイケルがベッドが初めてだと述べたことに対してサンドラは驚き、周囲の反対を押し切り、自分の身内のように育てようとするが。。。。



このあと彼はアメリカンフットボール選手としてのキャリアを積んでいく。しかし、成績はよくないので、プレイヤーとしての能力があっても下手をすると大学に行けなくなってしまう。そこで登場するのが家庭教師キャシー・ベイツだ。映画「ミザリー」の彼女を想うドッキリとするが、いつもながらの安定感のある演技であった。

まだ貧しかったころの日本では、地元の素封家がスポンサーとして優秀な学生を書生として育て上げていくのが当たり前のようにあったらしい。誰もが一定以上の収入を得ることが可能になった日本では、こういう話は信じられないことのようだ。しかし、貧富の激しいアメリカ社会では、明らかな下層社会がまだ存在する。そういう層をを助けようとする人たちがいることには驚かされる。今の日本よりハートフルではないか?

サンドラブロックは言い出したら聞かない強情な中年女性をいかにも「らしく」演じている。この作品で念願のオスカー主演女優賞をとった。作品の内容にも恵まれたのかもしれない。こういったハートフルな映画は安心して見ていられる。ヒットしたのもうなずけられる。
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抱擁のかけら  ペネロペ・クルス

2010-07-15 22:10:31 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の新作である。ペネロペ・クルスとのコンビもこれで4度目である。いつものように色彩設計が美しく、ストーリーというよりも映像美で見ているものをあきさせない。



ある映画監督の話である。今は視力を失い脚本家となっている。彼は新聞である富豪が亡くなったことを知る。その富豪は映画の仕事をともにしたペネロペ・クルスと一緒に暮らしていた男であった。

話は時間軸を前後に飛ばしていく。映画の中の「映画」の手法はよくあるパターンである。映画監督のところで女優として羽ばたこうとしていたペネロペ・クルスを自由奔放に活躍させる。30代半ばとなったが、彼女の美しさは衰えない。ペドロ・アルモドバル監督の色彩設計と彼女のあでやかさは実によく似合う。最近前よりも彼女が裸体を見せるシーンが目立つ。活きのいい魚のようにベッドで暴れまわる彼女の妖艶な姿は美しい。



今回の映画では、ミケランジェロ・アントニーオ監督が60年代に描いた不毛の愛の世界を併せ持っていると私は感じる。けだるい匂いをむんむんさせながら、色彩設計の美しさと妙なアンバランスさをもって映画を成り立たせている。主人公の映画監督、ペネロペのパトロン役、主人公の妻役いずれも愛の不毛の世界をとらえた渋い演技を見せている。
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あの日、欲望の大地で  シャーリーズ・セロン

2010-06-28 20:55:25 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
自分の大好きなシャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーの共演となれば見るしかない。いきなり気前良く脱いでしまうシャーリーズ・セロンにドキッとする。キムは最近得意な中年の色きちがいな役柄だ。一瞬この二人が平行して交わらないのはどういうこと?と思うが、しばらくたって、そういうことか!とわかる。実際映画の内容はかなりきわどい内容である。同じように時間軸をぶれさせる湊かなえの「告白」を思わせる危険な匂いを感じた。

シャーリーズセロンはポートランドのレストランで働く女性。所帯持ちの厨房のシェフと付き合っているが、誰とでも寝てしまう尻軽女だ。そんな彼女の前にメキシコ人の男性が現われる。キムベイシンガーは子供4人いる奥さんだが、同じような所帯もちの男性と密会を重ねているが。。。。



いきなり真っ暗な部屋の中に入って、暗闇を模索しているうちにだんだん目が慣れていくということがある。この映画も二人の関係がしばらくわからなかった。時間軸を前後に思いっきり振り回す映画の手法は時おりある。「パルプフィクション」や「21グラム」などを連想させるなと途中で思った。そうして見終わったときキジェルモ・アリテガ監督の履歴を読んで、まさに「21グラム」や「バベル」といった時間軸を前後に大きく揺さぶる作品の脚本家と確認して「やっぱり!」と思った。犯罪に関する捉え方がショーンペン、ナオミワッツ主演の「21グラム」に実に良く似ているではないか。

セクシー女優と言ってもいいキムベイシンガーは、割と気前良く美しい裸体を見せてくれた。魚のようにベットで暴れる姿にはいつもドキッとさせられたものだ。でも彼女も50代も半ばになると、若干控えめになる。所帯持ちの男性とのからみもきわどいところまではさすがに見せない。
それに反して30台半ばの女盛りのシャーリーズセロンはやけに気前がいい。何でだろうか?キムの分までサービス精神を発揮しているのかとも思う。



舞台となるポートランドには一度いったことがある。花がきれいな港町で消費税がアメリカとしては珍しくゼロという街だ。勢いづいてたくさん買い物した覚えがある。
映画としてまあまあだと思う。バラバラになっている事柄が最後に向かって一つに収束していく過程づくりがうまいなあという気がした。
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マイライフ マイファミリー ローラリニー

2010-06-27 10:19:43 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
マイライフ・マイファミリーはフィリップシーモアホフマンとローラリニーのアメリカ映画で欠くことのできない二人が認知症の父親の面倒をみる兄妹を演じた映画である。小品であるが、観だすと画像から目が離せない。病気だった父母を看取った自分と妹を照らし合わせながら観た。



フィラデルフィアで大学の教員をしているフィリップシーモアホフマンは40過ぎにして独身、その妹のローラリニーも独身であるが、妻子ある中年男性と付き合っている。二人の両親は老いていて、認知症の父親を母が面倒見ていた。ところが、その母親が突如としてなくなってしまい、認知症の父親が残され、二人はどうしようかと考える。結局「老人ホーム」に入れるしかなく、兄の家の近くの施設に入所させるが、認知症の父親はそこをホテルかと思い好き勝手なことをしだす。。。。

認知症とまでいかなくても、死んでいく少し前は頭が少しづつボケていくものである。母は意識のなくなる寸前まで頭脳が明晰であったが、心臓疾患を10年以上わずらっていた父はこの映画の父親に似ているような奇怪な動きは若干あった。そういう父親をどうしようという話である。まったく違う環境で暮らしている兄妹だけど、肉親は面倒見なければならない。あくせくしている様子が良くわかる。両親が具合が悪くなってはじめて兄妹の付き合いが、子供のころのように戻っていくというのは自分も経験した。プライベートにはお互い深く干渉せずだが、親の取り扱いについてしょっちゅう大喧嘩するところは似ているかもしれない。

この二人の映画は再三取り上げている。ローラリニーはよくもまあ違うキャラができるものだと感心する。年齢よりも若く見えるせいか役柄も幅広く演じられる。
日本未公開というのは、一般的な日本での二人の知名度からすると仕方ないと思う。でも兄妹の愛情というのに言及したこの映画に流れるムードはやさしい。
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この自由な世界で  ケン・ローチ

2010-06-20 06:32:25 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
カンヌ映画祭の常連ケンローチ監督の人材派遣に伴う不法な仕事にかかわったある女性の物語である。美人の主人公がアバズレシングルマザーながらたくましく生きていく姿を描く。イギリス映画だが英語が聞きづらい。

シングルマザーのアンジーは職業安定所の仕事をしている。彼女は同僚の男性からお尻を触られる。何度もあったことなので、相手に水をぶっ掛けて怒りを表わす。しかし、相手のセクハラにもかかわらず、逆にある日突然クビを告げられてしまう。彼女は、今までのノウハウと経験を生かして、自分で職業紹介所を立ち上げる。親友のローズを共同経営に、二人は移民労働者たちを集めて仕事の斡旋を始めた。アンジーの努力もあり、仕事は増えていくが、やがてトラブルが出始める。会社の賃金未払いのため、移民たちにお金を払えなくなったが。。。。。

最近のヨーロッパ映画をみると、東欧の人たちの移民問題が話題になっていることが実に多い。イギリスもまだ移民が多く人口が増えていると聞く。おそらくはそれに伴う問題は多々起きているのであろう。
同時に父母が好き勝手にする中、その子供が路頭に迷ってしまい、祖父や祖母が面倒を見てあげるといったシーンも数多く散見される。祖父や祖母が親を信用していないのである。マギーチャン主演の「クリーン」も同じような場面があった。どの映画もけなげな子供たちの振る舞いがかわいそうに見える。
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やわらかい手

2010-05-07 05:32:48 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
不思議な映画である。
美女美男子に囲まれた映画でなく、むしろ容姿が普通かそれ以下の人たちを中心に映し出す。孫の難病のために祖母が人の嫌がる仕事に手を出していく話である。初老の女性の悲哀を描いている。別の映画のムードでいえば、「ウィスキー」や「過去のない男」の匂いである。

60すぎた主人公の女性には息子が一人いて、その子供の孫は難病に犯されている。
治療費が高く、主人公の息子は身の回りの財産を処分して治療費に当てていた。
しかし、お金も使い果たして、借りるあてもない。しかもこれ以上の治療を受けるには
多額の費用がかかる。
その様子をみて祖母である主人公は60過ぎて、職を探しにでるが、どこにも仕事はない。
そんな中接待係との求人を見て、行った先はストリップスタジオであった。仕事とは
ストリップに行った男の下半身欲望処理を受け持つことであるが。。。。

壁に小さな穴があいていて、壁を隔てて顔が見れない。その穴の先に女性のやわらかい手があるというからくりである。店の店主が日本でこのシステムを知り、これはいいと始めた仕事だという。
気が付いてみると、この店には行列ができていう奇妙な展開

この話だけで行くと、どんなきわどい映画とも思わせるが、全然そうではない。
孫のためならという気持ちがいじらしい。
流れるムードはやさしい。

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