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映画とライフデザイン

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映画「脱走」

2025-06-23 08:27:01 | 韓国映画(2020年以降)

映画「脱走」を映画館で観てきました。

映画「脱走」は韓国映画。南北の軍事境界線を超えて、北朝鮮の兵士が韓国に脱出する姿を描く。名作「JSA」は板門店での南北兵士の友情を描いた作品であるが、ここでは韓国兵士の存在はない。国境線付近の警備に従事して韓国のラジオ放送を聴きながら自由を求める兵士の話だ。国境の非武装エリアには地雷が数多く埋め込まれていて、脱出は不可能に近い。脱出しようとする兵士はどこに地雷があるかを事前に調査して脱北に試みている。興味深いので映画館に向かう。

軍事境界線を警備する北朝鮮の部隊。まもなく兵役を終える軍曹ギュナム(イ・ジェフン)は、自由を求め韓国への脱走を計画。ついに決行しようとするが、下級兵士ドンヒョク(ホン・サビン)が先に脱走を実行する。そばにいたギョナムは首謀者と疑われて取調べを受ける。

ところが、運良くギュナムの幼馴染で保衛部少佐のヒョンサン(ク・ギョファン)が脱走の顛末を確認に来て、逆に脱走兵を捕まえた英雄としてギュナムを祭り上げてくれる。しかも、兵役終了間際のギョナムを前線からピョンヤンへと異動させようとする。異動すると脱出はできない。タイムリミットが迫りギュナムはヒョンサンの目を盗み、再び軍事境界線を目指して決死の脱出を試みるのだ。

映画としては普通、スリリングだが出来過ぎのストーリー展開。理不尽な北朝鮮の軍隊を皮肉っているのはわかるが都合良すぎの印象を受ける。

これまで脱北を試みた人たちのドキュメンタリーはTVなどで何度か見たことがある。中国国境の鴨緑江や豆満江などの川を渡った後で、ブローカーの誘導されるままにタイやラオス経由で遠回りに韓国に入国する。多額の費用がかかりだろう。実際には現実の脱北の大半は「北朝鮮 → 中国」ルートのはずだ。

この映画はむしろ不可能に近い軍事境界線からの脱出だ。DMZ(南北軍事境界線)付近には地雷が大量に埋められており、撤去されていない。しかも、24時間体制の監視塔・赤外線センサー・自動火器網もあり映画でもそれが示される。脱走兵すなわち国家反逆罪で捕まれば公開処刑だ。成功事例も少ないようだ。それだけに映画になるのかもしれない。

兵役義務を終えて民間で働くことになっている主人公は平壌への栄転の内示も受けている。北朝鮮では最高の栄誉を得るチャンスではなかろうか?それでも脱出を本当に試みるのであろうか?との疑問は残る。脱出にあたっては、拷問のように暴力を振るわれし、銃弾も受けている。普通だったら死んでもおかしくない。でも死なない。出来過ぎというのはそんなところだ。北朝鮮将校たちのダンスパーティなど興味深いシーンもあった。娯楽として観る分にはいいだろう。


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