映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

マカオ総括

2010-01-31 10:03:49 | 香港
香港自由行動ツアーで行った。予約しようとした時、旅行会社の人がマカオに行くといったら2泊3日では無理だといっていた。常識ではそうであろう。しかし、香港グルメとマカオ2日間満喫の両方をマスターしてこそのツアーである。そのために綿密な計画を立てたのだ。

初日は19:30のフェリーで上環からマカオへ行き、深夜のフェリーで香港へ戻った。楽しかった。このコメントは控えておこう。夜のネオンは日本のパチンコ屋を10倍くらい派手にしたようなきらめきであった。
帰りのフェリーが大揺れに揺れた。これにはまいった。下からは激しい冷房が効いている。一緒に行った人たちがまいっていた。吐いている女性たちが次々と出ていた。
ホテルに着いたら2時。朝4時おきだったので、ほぼ一日起きていたことになる。

2日目は10:00のフェリーでチムサーチョイ(中港城)から向かった。

中港城から行くのは初めてである。珠海やシンセンに向かうフェリーも数多く出ていた。ブログやHPではチムサーチョイ発は揺れるという噂であったが、逆に上環発よりも揺れなかった。フェリーの船の横幅が広いのでこちらの方が揺れないのは当然だとは思う。一時間たってマカオに着いたが、入国審査が大行列であった。大陸の人だけでなく、イスラム圏と思われる人たちも大勢いた。前夜はあっさり行列もなくすぐ入国出来たのと対照的であった。そしてタクシーでまっすぐセナド広場を目指した。

恥ずかしながらセナド広場に10回目のマカオではじめていった。
我々のまわりには世界遺産未経験の連中がたくさんいる。でもこのたたずまい気に入った。リスボアから歩いて10分くらいの距離というのも理解していなかった。
この通りを右に曲がると紹介したポルトガルレストラン「九如坊」がある。抜群の味だ!



旧正月のたたずまいは本当に良い。正月準備のセナド広場にはさまざまな人種の人たちで一杯であった。これだけきれいだとにぎあうのは当然だろう。スパニッシュ系の建物の色合いがよく、デザインもきれいであった。商店の上には人が住んでいるような印象。この街並みはそのまま残して欲しい。



グランドリスボアに向かった。前は工事中だったので初めてである。
立派な建物である。中に入るとゴージャスな雰囲気であった。でも自分としては旧リスボアの方が好きだ。



旧リスボアは取り壊しになって、工事中と聞いていた。回遊魚たちがどこを泳いでいるのかと思ったが、現状はカジノ場の外装を工事しているくらいでまだ進んでいない。今まで通りアーケードを入って行くと、前と同じところをリスボアの回遊魚たちは泳いでいた。社会見学と思い、同行の社長さんたちはものめずらしそうに見ていた。

夜までいろいろと楽しんでマカオ初めての人たちはご満悦であった。
フェリーポートからカジノサンズを眺める。このネオンとしばしお別れと思うと、みんな寂しそうだった。でもマカオのすごいのはこのネオンが不夜城ということだ。真夜中でも全然変わらない。フェリーもオールナイトだ。まさにパラダイスだ。早くまた行きたい!

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香港総括

2010-01-31 08:11:53 | 香港
もう少しすると旧正月である。そうなったら身動きがとりづらくなる。今行くのはベストだったと思う。

香港で感じたことを書きたい。
1.ネイザンロードの道路に飛び出した看板がかなり減っていた。

チムサーチョイ全体にいえることである。香港観光の殿堂チムサーチョイ周辺が変貌を遂げている。偽物時計とか声をかけるインチキくさい人も減った。ただただ中国人ばかりが目立つ。あとは中東の人、東南アジアの人がチムサーチョイあたりを歩いていた。
コーズウェイベイはまだ前のままであった。飛び出し看板やトラム、二階建てバスの昔ながらの姿を写真でとろうと思うなら香港島に渡ったほうが良い。

2.大陸パワー全開
93年最初に行ったころは大陸の人は目立たなかった。95年に行ったころは少し増えていた。ただ服装が本当にダサかった。わりとパリっとした服装に身を包む香港人と大陸の人の見分けが容易についた。でも今回若い人に限って言えば見分けが困難になってきた。
90年代はデューティーフリーの店に大陸の人を見たことがなかった。日本人が多かった。今は日本人を見つけるのが困難である。しかも大陸人がブランド品に群がる。時計売り場は大フィーバーの印象。大陸の人たちは成金になったのかな?

3.香港島の看板
はじめてチムサーチョイから香港島のビル群の夜景を見たときの感動は忘れられない。数年前からは8時になると香港島のビルの照明をちかちかさせショーをおこなう。これはすばらしい。最初に行ったとき看板がほとんど日本企業の物ばかりで驚いた。ところが今はかなり減った。いかにも日本企業の衰退を表わしているようだ。一番目立つのはワンチャイのサムスン電子の看板である。残念だけど仕方ない。

4.物価
以前行ったときと比較するとすこしづつ高くなっているのではないか?
コンビニで水が5HK$約60円である。中国ではまだ30円以下でコンビニで買える。800MLのボトルが7HK$85円で売っていた。コンビニでは無理だがその気になれば日本の安売りの店に行くと2Lが100円以下で売っている。
チムサーチョイからコーズウェイベイまで地下鉄に乗った。10.5HK$約130円だった。あれ!もう少し安くなかったっけと思いながら乗った。海底トンネルくぐると高かった気がするが、もう少し安かったのでは?
でもタクシーは相変わらず初乗り約200円程度だ。時間が惜しい我々はひたすらタクシーで移動した。コーズウェイベイの南北楼から上環のフェリーポートまで神風タクシーに乗ったが約600円であった。日本の初乗りよりも安い。深夜チムサーチョイのシェラトンの階上のバーで夜景を見ていたら急にセントラルのランカイフォンに飲みに行きたくなった。海底トンネル代240円を加えて約1000円だった。
朝飯はホテルでなく近くのお粥屋に入った。ワンタン麺は23HK$約280円だった。安あがりでこれで十分だ。


2日目は海鮮を食べた。マカオから戻ったのが9時過ぎで店が限定された。ふかひれスープ、あわび蒸し、伊勢海老の炒め、ガルーバ蒸しと海鮮の定番を食べた。それなりにおいしかったが、ウェイター、ウェイトレスが盛んに何度も来ておせっかいをやかれて困った。ちょっと過剰サービスだ。金満家と思われてチップをもらえると思っているのか?日本人はまだまだ金持ちと思われているのかもしれない。でもせっかちだなあ?!いつもそのせっかちさに一人くらい腹立てる人がいる。前回は同じ理由で友人がヨンキーレストランで怒っていた。

旧正月のイルミネーションはきれいだった。

縁起がいいと思った。
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南北楼 香港

2010-01-31 06:15:48 | 香港
先に2日目のポルトガル料理を記述した。17年の後悔があるせいだ。
もともと香港の初日はヨンキーレストランに行くつもりだった。でも朝同行の人から坦々麺が食べたいと言われた。香港で四川料理といえばコーズウェイベイの「南北楼」かセントラルの「錦江春」と決めている。でも気分的に鉄板エビチリが食べたくなった。「南北楼」しかないと。最近はガイド本に出ていない。ちょうど成田をたつ前だったので、携帯でグーグルから検索して、電話番号を確認した。ここも英語で予約できる。

今から24年前にアグネスチャンが書いた香港ガイド本が手元にある。今もある店も多いが、四川料理については「南北楼」(red pepper restaurant)を推薦していた。そんな訳ではじめて行ったのが15年前である。本来は香港であれば飲茶、広東料理の本場だが、辛目の料理が食べたいことがある。ブルース・リーの映画で使われたとかうんちくあるけれど、誰かを連れて行って落胆されたことはない。前回の香港旅行でも行った。

マカオに夜行くので早めに食事を切り上げねばならない。それなので5時半に予約した。でも重慶マンションの両替とかあって着いたのが5時45分ごろであった。香港人の食事の開始は遅い。まだ誰も来ていなかった。それはそれでよかった。

結局「鉄板エビチリ」「マーボー豆腐」「五目おこげ」「鳩のスモーク」「坦々麺」を注文した。前回ちょっと注文しすぎてみんな身動き取れなくなった。その印象が強く、人数も少ないので減らした。

鉄板エビチリ
鉄板の上にエビチリを乗せると「ジュー」と大きい音がして湯気が立つ。
一種のショーのようだ。外人たちも興奮!
日本と違って海老が大きい。食べ応えがある。


五目おこげ
魚介類の具が豊富でおいしい。料理としては一番おいしく感じた。
これも「ジュー」という音が豪快


鳩のロースト
日本ではあまり食べない。個人的には大好き。お茶が入っている。
鳩山首相の頭を食うつもりで豪快に食べる。

坦々麺写しそこないました。

以前ガイド本にも派手に載っていた。今はあまり見なくなった。
いつ行っても欧米人が半分以上というめずらしい店である。あとは現地駐在の日本人ビジネスマンが目立つ。中国人が意外にすくない。我々が行ったときも欧米人を接待する中国人がいただけだ。旅行社通じて日本人観光客に媚売らなくても、欧米人や日本の香港駐在員が来てくれるのであろう。ガイド本に乗せる必要もないので余裕が感じられる。

店によっては日本人向けに違うメニューを出しているのでは?と疑いをもつようなおかしな店もある。でもここは安心。ビール一人2本分を加えて一人あたり4200円程度で安いと思う。なじみの店のような気軽さでいけるので気が楽だ。

おいしく食べて上環の19:30発マカオ行きフェリーポートへ向かった。
異常に美しいモデルのような女性が数人乗船してきて驚いた。
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九如坊 マカオ・ポルトガル料理

2010-01-30 20:21:33 | 香港
17年前初めて香港に行った時、当時香港駐在でいた友人に日帰りでマカオに連れて行ってもらった。9月に行ったけど、ものすごく暑かった。いたるところで工事をやっていた。みんな貧しそうだった。

そのとき昼飯は橋を渡って島に向かい、ピノキオという店でポルトガル料理を食べた。しかし、それが最初で最後のマカオ料理となった。油がベタベタしてなんていやな料理かと思った。そのあとマカオに多分10回近く行ったと思う。でも一度もポルトガル料理は食べていない。恥ずかしながら10回も行って、世界遺産を見ていない。セナド広場すら行っていない。それなのに今回は社会見学も兼ねて世界遺産方面に向かった。

セナド広場から先の街並みは非常にきれいだった。気分が爽快になった。香港はビル中心でこんなにきれいに街を見せるところはない。赤柱スタンレーは薄汚い。一緒に行った人がポルトガル料理を食べたいと言う。予定ではリスボアの中華料理で飲茶をするつもりであったが、セナド広場より先でうだうだしているうちにこの近くで入らねばと思った。日本で言えば京都のように外国人も多い。国際的である。そういう観光地のそばにあるところは値段が高いと相場が決まっている。それなのに不思議に吸い寄せられた。それがこのあたりであった。
そうして入ったのがこの店「九如坊」である。予備知識はゼロである。オープンエアの席が空いていた。そこに座った。室内はほぼ一杯のようだった。でも一緒に行った人たちは香港特有の冷房で音をあげていたのでむしろ良かった。


メニューが来たけど、何を頼んで良いかわからない。他の中華料理屋ではすべて自分がメニューを選択して注文する。困ったときに英語が話せそうなウェイターが来た。聞いてみた。「please tell me recommendable menu」といったら写真入のメニューを指差した。みんなと相談して人数プラス1品頼んだ。ビールはポルトガルビールにした。

最初にビールがきた。おいしいビールだ。さっぱりしている。その後パンが来た。おったまげた。すごくおいしい!焼きたてのパンである。やるなこの店と思った。

あとは絶賛の連続である。「スパイシーチキン」
ガーリックの調整がいい。

あとは「フライドライス」ポルトガル炒飯
見た目よりもおいしい。中の具と混ぜて食べる。
中の具との取り合わせが抜群。鯛めしを食べているみたいな感覚

「スペアリブ的牛肉」
こんなうまいリブ、人生で初めて!!

「ポテトグラタンのようなもの」


材料、シェフの腕本当にすごい。最初に食べたときに感じた油っぽさは全然ない。もちろん油が強いメニューもあるだろう。それは次のお楽しみにしておこう。勘定一人あたり3300円強であるから決して高くはない。もっとも普通の中国の庶民料理の価格に比較は出来ないが。。。

料理をうまく表現できないのが残念
ただただおいしい。
ポルトガル料理を排除したこの17年をつくづく反省

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円高歓迎と香港ドル2

2010-01-29 20:07:13 | 香港
26日から香港からマカオを探訪した。
前回も書いたが、香港ドルへのチェンジでおもしろい現象があったので書いておきたい。

1.成田のメガバンクの両替所。これは世界で一番料率の悪い場所だ。大手銀行という安心感があるから両替するのであろうか?こんなに悪いレートなのに両替する人がいる。いつも不思議でしょうがない。1HK=14円、10万円を両替すると7140HK

2.香港のエアポート。悪いと言われているが成田よりは数段ましだ。でもお迎えがあるならここで両替の必要がない。1HK=12.42円10万円両替で8050HK


3.旅行会社のガイド。割とここで換える人が多いかもしれない。某大手旅行会社の現地ガイドはいつも1万円を両替することを勧める。普通はここで換えてしまう人が多いかも?セールストークは銀行だと手数料を取る。1HK=12.19円10万円両替で8200HK
積み上げると旅行ガイドの良いこずかいになるであろう。

4.街の両替店。これは上から下までいろいろだ。一番ホテルに近いところで1HK=12.3円10万円両替で8100HK。悪いところは重慶マンションの入り口両側並み。でも中国人はそんなボッタクリのところでたくさん両替していたなあ。知らぬが仏ということか?

5.銀行。最初に香港に行った時、友人に恒生銀行に連れて行ってもらった。街の両替レートとの違いに驚いた。香港の株価指数をハンセン指数という。そのハンセン銀行だ。でも香港返還の大フィーバーで日本からの客が目立ったとき、一回50HK手数料を取るようになった。100万単位で換えるなら話は別だが、2~5万単位ならベストではない。1HK=11.7円ただし手数料50HK10万両替で8500HK
ただし、2,3万程度なら約600円とられると比率が大きい。
中国銀行と香港上海銀行の両巨頭はもう少し80~100HK手数料を取る。

6.ネイザンロードの重慶マンション。ここにすごいところがある。もっとレートが良いといわれるところもあるようだが、気楽に入りやすい。昔は怖くて寄り付きづらいところだったでも今は違う。
入り口の両側の両替店だけは入らない方が良いといわれる。世間一般でここはレート悪いと言い続けられていても両替している人がいる。ちなみに一瞥してみたら、1HK=13円だった。10万で7680HK。成田よりはマシ。これでいかに日本のメガバンクがボッタクリだということがわかる。
3軒ほど歩くとレートがリーズナブルになる。これは一通り見たほうが良い。
ベストは日本でいう2階。向こうでいう1階にある両替屋だ。入り口をまっすぐ入ってある幅の短い階段を上がってすぐ右に曲がる。まわりにインド人が大勢いると一瞬薄気味悪い。1HK=11.6円手数料は取られない。10万両替で8620HK

これは28日に余ったお金をチェンジするときです。
buyとsellにギャップが少ないのが良心的な証拠

改めて認識したのは成田空港のメガバンクのボッタクリぶりだ。本当に腹が立つ。
それにしても中国人のパワーはすごいなあ。香港に日本人はかなり少なくなった。おもしろいのはデューティフリーショップに、一緒に行った人の孫へのお土産のチャイナドレスを買いに行こうとしたときのこと。目的のものはどこにもなかった。一瞬おかしいなあと思ったけど、途中から大陸の中国人が大量にブランド品をあさっているのを見てなるほどと思った。だって中国人のウエイトが高いのに中国茶やらチャイナ服とかあっても仕方ないもんね。
やはりここでも中国の経済発展が顕著にわかった。
今の大陸中国人は日本でいうと昭和40年代半ばから50年代にかけて、日本人が観光天国だった時代のノリなんだろうなあ。父も台湾やら韓国へ良く遊びに行っていたなあ。お土産に安いとブランド品やらお酒やら香水やら大量にお土産に買ってきたっけ。今回自分はペニンシュラのチョコのみでした。



いずれにせよこの円高は海外旅行にとっては大歓迎だ。

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アメリア  ヒラリー・スワンク

2010-01-29 06:42:20 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
香港は全日空便だった。座席の前の画面で映画が多彩にセットされていた。こういった点は非常に良い。スイッチを入れたら日本未公開の「アメリア」が上映されてきた。戦前の飛行機が出てきたので、一瞬「アビエイター」かなと錯覚したが、ヒラリースワンクの顔が出てきたのでプログラムを読み直し、彼女の新作とわかった。リチャードギア、ユアン・マクレガーと豪華なキャストで女性として初めて大西洋を横断したアメリア・イヤハートの伝記を描く。

1930年代飛行機は滑走路というよりも水上をやっとのことで滑走して空中に飛び上がる。リンドバーグの大西洋横断はあまりにも有名だ。アメリアことヒラリースワンクもアメリカを飛び立ちウェールズまで飛び立つ。水上に着陸したときはアイルランドと錯覚したくらいだ。飛行のプロデューサーはリチャードギアである。大西洋横断で一躍全米の有名人になったアメリアはこれで自分の仕事が完結したわけでないと世界一周に向けて挑戦を始めるという話である。

短期間で若くして2回もオスカー主演女優賞を取ってしまったヒラリースワンクだ。両方とも特殊な役で悲哀を感じさせる主人公を見事に描いた。他の作品も決して悪くない。「PSアイラブユー」もいい作品だ。
今回は飛行士の役と同時に、リチャードギアとユアンマクレガーとの間の恋にさまようところをクローズアップする。正統派二枚目のリチャードと彼女というのは違和感があるが、むしろ彼のほうから寄って行く。こういう役もさらりとこなした。

リチャードギア、ユアンマクレガーは無難に役をこなしている感じ。この映画、割と淡々と描かれていて、ストーリーに抑揚がない。感情的にもっと激しさがあるような場面があった方がもっとおもしろかったのではないかな?

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円高歓迎と香港ドル

2010-01-25 06:16:36 | 香港
毎回経済の話をすると、円安誘導の話ばかりをしていた。日本経済のためということであればそうだろう。でも今週はじめだけは何とか円高基調で持って欲しい。
というのも明日から香港へ行くからだ。プロフィルに書いているように一番好きな街だ。

仲良しの不動産業者の社長さんたちと一緒だ。
二人は初めてなので、こちらが添乗員役をやらねばなるまい。ここしばらく仕事に手がつかず、綿密な日程表作りで頭が一杯であった。普通の自由行動のツアーに朝便、夜帰りのオプションを加えて、一人部屋の差額ということで空港使用料コミでも7万程度だ。
行った後思いっきりぜいたくするので、旅費にそんなに金をかけなくてもいいだろう。
タイプ的に買い物も30分もかからないであろうから、食事や遊びに金をかけて、中国不動産事情を調査するというわけだ。

中国と比較すると、為替交換が国家管理でないのでレートがいい。以前は人民元と香港ドルはほぼ同じレートだった。香港ドルは米ドル連動である。以前より柔らかに人民元高になっているので香港旅行の方が得である。少し前まで1hk$=14~16円だったのに、今は12円を切っている。当然サギ商売の日本のメガバンクで両替でなく、現地の良いレートで両替する。多分1hk$=11.3~11.7円程度のレートでチェンジできるだろう。人民元は両替すると14円くらいだ。国家に搾取される。10000円あたりで1500ポイント強は得する気がする。中国は国家管理であまりレートが変わらない。損である。
物価は確かに以前より高くなっているし、良いレストラン行けば確かに高い。
でも円高でいつもより数千円安くあのおいしい味を味わえればそれで良い。

一つだけ心配なのは、社長さんたちが見ようによっては貫禄があるので、変な誤解されて税関で待機させられなければ良いのになあという心配だけかな?買い物はほとんどしないと思うけど。
マカオのグランドリスボアホテルも初めて行く。これは楽しみだ。リスボアにいる回遊魚たちがどうなったのか?それも見学したい。マカオ開発状況も実査する。ミシュランレストランも楽しみだ。

昨日究極のバクチ小説沢木耕太郎の「深夜特急」香港マカオ編を再読した。これはいつ読んでも面白い。別のムードを盛り上げている。映画はしばらくお休み
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ブラックブック  ポール・ヴァーホーヴェン

2010-01-24 20:44:25 | 映画(自分好みベスト100)
腰の据わったものすごい傑作だった。140分がまったく長くない。高級ウィスキーを飲むようなコクのある味わいで、デイヴィッド・リーン監督作品を思わせるスケールの大きさに、先を読ませないストーリー展開のうまさが加わる。
ポール・ヴァーホーヴェン監督と言ってわからなくてもマイケルダグラス、シャロン・ストーンの大ヒット作「氷の微笑」や「ロボコップ」「インビジブル」と言えば、映画ファンなら誰でも知っているだろう。その彼が故郷オランダに戻り、第2次大戦末期ナチスに占領されているころの一人のユダヤ系オランダ人女性にスポットを当てる。

まず画面に1950年代のイスラエルが出てくる。そこのユダヤ人教師カリス・ファン・ハウテンが昔の友人に会い、戦争終結前のオランダでの自分を回想する。歌手だった彼女が自宅の隠れ家をドイツ軍に爆撃される。そこにいると一人の男性が来て、このままいるとドイツ軍に逮捕されるから家族ともども脱出するように助言される。彼女の家族や同じユダヤ人の仲間と一緒にその男の指示通りに船に乗って立ち去ろうとする。ところがライトを浴びそこにはドイツ軍兵士たちがいた。ハチャメチャに射撃されるが、主人公はとっさに船の外にもぐり逃げる。危うく助けられ、彼女はオランダ人の反体制組織と行動を共にすることになる。しかし、そのメンバーも数人捕らえられる。彼らを救出するため、彼女は組織のリーダーからドイツ人と偽りスパイ活動することを指示される。そしてドイツの駐留諜報部の大尉にあるきっかけで女として親しく近づいていくが。。。。

最初に主人公が生きている姿が出て来るので彼女自体は助かることはわかる。しかし、そのほかの人間は騙し騙され、どっちが味方でどっちが敵かはまったくわからない。ドイツ軍が戦争に負けるという真実以外が全部否定されてしまう。すごい脚本である。しかも、同じユダヤとナチスとの関係を描いた「シンドラーのリスト」や「戦場のピアニスト」のような単純な話にまとめていない。とはいうものの複雑で何がなんだかわからないというつくり方もしていない。主人公に体当たり演技をさせて、エロティックな場面もかなり見せて娯楽性も盛りだくさんだ。
結論としてオスカー受賞したこれら2作よりも明らかにレベルが上ということだ。

ポール・ヴァーホーヴェン監督がいなければシャロン・ストーンのその後のキャリアはもっと陳腐なものだったであろう。劇場で見た「氷の微笑」は刺激的だった。事実日本でも大ヒットだった。その後「ショーガール」という作品を撮った。娼婦上がりのフーテン女がラスベガスのショービジネスの女王に這い上がっていく話である。この主人公にかなり激しいエロティックな振る舞いをやらせた。プールでのファックシーンは今でも脳裏に残る激しさであった。でもこの作品が評判悪かった。年間最低映画賞であるラジー賞となった。でも監督のすごいところは授賞式に出席したというところだ。私は何でそこまで批評家が悪く言うのかという気は今でもしている。単純に楽しめるはずなのにと。。。「氷の微笑」が大ヒットして同じエロティック路線に二番煎じをとるなんて!と言うことなのかな?
でもそのエロティック路線はここでも継続している。

監督の期待にこたえたのが主人公カリス・ファン・ハウテンである。体当たり演技としか言いようがない。エロティックなだけではない。感情を表わすため、ビジュアル的に観客にその思いを伝えるようなすごいことを次から次へとしている。汚い場面も数多くある。さきほどデイヴィッドリーン監督並みのスケールという話をしたが、この作品と対比するなら「ライアンの娘」と「ドクトルジバゴ」が同じスタイルであろう。この主人公であるサラ・マイルズやジュリークリスティの演技もすごかったが、この主人公の演技の方が明らかに上回る。

想像以上の傑作でポール・ヴァーホーヴェンにまだまだ頑張って欲しいと思った。
それとアンリー監督「ラストコーション」はこの作品に良く似ているなと
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ブロークン・フラワーズ  ビル・マーレイ

2010-01-23 21:47:02 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
ビル・マーレイが「ストレンジャーザンパラダイス」のジム・ジャームッシュ監督と組んだコメディ?淡々としたビル・マーレイは「ロストイントランスレーション」と同じ表情を見せる。気取らず、あせらず彼らしさを前面に出して観客である我々をほのぼのとさせる。

ビルマーレイはIT長者で独身、恋人と暮らしていたが逃げられる。そんな彼も若いころから数多くの女性と浮名を流していた。恋人が去る日にピンク色の手紙が投函されていた。それは20年前の恋人からの手紙で、「あなたと別れた後に妊娠していたことに気づき、出産した。その子供が20になりあなたに会いに行くので行ったらよろしく!」という手紙であった。宛名は書いていない。タイプで印字されていた。その話を仲の良い隣人のエチオピア移民ジェフリーライトに話した。彼はその手紙を見て身に覚えのある女性のリストを作れという。5人のリストを作ったら隣人は住所を調べてきた。一人は死んだという。4人に花を持って会いに行くように言われてビルは一人一人会いに行くが。。。。

シャロン・ストーンをはじめとした大女優4人にあう。場所はよくわからないが、エコノミーの飛行機で移動して、普通の車で乗り付ける。そのときに流れる音楽が渋い。オルガンを基調とした音楽は昭和40年代のグループサウンズや売れない演歌の旅回りバンドのような響きだ。「ストレンジャーザンパラダイス」で流していた「アイプット・ア・スペンドオンユー」を思わせる渋さ、あの時は同じ曲を流していたが、今度は違う曲がかかる。
でも渋すぎる。
そんな感じで、まったりと流れていく。

ビルマーレイは基本的には喜劇役者なのであろう。ボーとした顔が逆に笑いを誘う。
黒サングラスが良かった。
ここのところ「007」や「ブッシュ」のパウエル役など黒人俳優では活躍が目立つジェフリーライトも良い。喜劇役者のような雰囲気がもともとあり、そういう特色を生かすほうが良い。黒人の子沢山で5人の子供がいる役、赤ちゃんがかわいかった。

結局4人の女性をまわって最後にまた別の展開も見せる。基本はロードムービーだと思う。街の匂いを強く出さないため、風景などに感じるものはない。コメディとしておもしろいという訳ではない。出会う人たちのそれぞれの境遇に何かを感じさせる。人間の根源を考えさせる何かがある気がした。
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ドミノ キーラ・ナイトレイ

2010-01-22 21:24:53 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)


トニースコット監督によるキーラナイトレイの異色作である。可憐な彼女にしては非常にめずらしい賞金稼ぎを演じる。ストーリー展開が複雑でよくわかりづらい。ちょっとなじみづらい映画だが、暴れん坊のキーラナイトレイの振る舞いを見ているのは楽しい。

最初に顔がキズだらけのキーラナイトレイとFBIの心理捜査官ルーシー・リューが取調室で話すシーンが出てくる。そこでキーラはこれまでの人生を回想する。キーラは有名男優ハーヴェイの娘として生まれた。父親は早死にしたために母親ジャックリーンビセットに育てられた。母親は再婚、寄宿学校でも、若くしてなったファッションモデルのコミュニティでも周りとそりが合わず常に突っ張っている。気に入らない相手を次から次に殴り飛ばす。そんな時賞金稼ぎのセミナーをやっているのを見つけて参加する。そこでノウハウを勉強して、講師のミッキーロークらと一緒に実際に賞金稼ぎに乗り出すが。。。。

キーラナイトレイはこの作品にでたとき、まだ20歳だった。そう考えるとすごいとしか言いようがない。アクションも激しくどきどきものだ。しかもヌードを披露する。ボリューム感はないが、体当たりで賞金稼ぎ仲間の一人とのラブシーンを撮る。ライバルとも評されるスカーレット・ヨハンソンはヌードにもなっていないし、こんな激しいアクションは見せたことはない。そう考えると、キーラにとってもう少し注目されてもいい作品だ。

その他にもクリストファー・ウォーケンや「アメリカンビューティ」のミーナ・スヴァーリなど豪華キャストでみな演技も悪くはないけど、ちょっと見づらい映画だった。BGMのようにずっとバックに流してキーラを追いかけているのが良いのかも?
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トロピック・サンダー ベン・スティラー

2010-01-21 05:43:12 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
最後に某超有名大スターがその表情をはっきり見せ妙なダンスを踊る。アレ!もしかして彼?という時にクレジットが彼の名を告げる。一瞬だけカメオ出演というわけではない。最後に驚かせる。でもこれは見てのお楽しみにしたほうが良いだろう。紅白に矢沢が出てきたみたいだ。彼にしてはめずらしい怪演だ。

戦争映画をとるつもりでいたら、そこでは本当の戦争がおこなわれていたというコメディである。でも戦争の描写はかなり本気である。金もかかっていてかなりリアルだ。当代きっての主役級コメディ3大スターが中心になって盛り上げる。監督であるベン・スティラーはコメディアンぽくて一番いい。

人気が落ち目のアクションスターであるベン・スティラーと麻薬かぶれのコメディアンを演じるジャック・ブラック、演技派俳優を演じるロバート・ダウニーjrの3人が中心になって戦争映画をとっている。ベトナム戦争の逸話が題材になっている。ところが足並みあわずに、撮影が開始してまもなくカメラを回さずに爆破シーンを撮るという失敗をしてしまい、製作者側から強烈な叱責を受ける。そのとき製作側が、現在も緊迫したカンボジア、ミャンマーとの国境エリアで彼らを取り残してリアルな画像を撮ることを思いつく。ヘリコプターで離れた場所に向かい、携帯受信不能にして一切の情報が取れない状況で撮影が始まる。ところが、そこではまだ東南アジア系現地人のゲリラ部隊がいた。麻薬の製造もおこなっているようだ。彼らはアメリカ軍の麻薬取り締まり部隊とみなして攻撃を始めるが。。。。

日本の喜劇映画の全盛時にこういった雰囲気の映画があった気もする。相手が本気なのに植木等あたりが「およびでない」とばかりに相手をちゃかすベン・スティラーの役を演じるようなパターンは見たことがある。でもそれだけに治まらないのが、この映画のすさまじさだ。お笑いなんだけど、お笑いだけにしていない。3大スターの登場であるけれど、ジャックブラックはいつもほどの猛突進を見せてはいない。彼がもう少し飛ばしていると楽しかったのにと思う。監督に遠慮しているみたいだ。ただかなり卑猥な言葉が連発している印象

この映画では映画史を思いっきり語る登場人物が出てくる。レインマンのダスティホフマンやフォレストガンプのトムハンクスらのオスカー受賞者の役柄とこの映画の主人公役の役柄を比較してオスカーを取れるかどうかの話をしたり、戦争映画や脱走映画の演技の様子などが語られる。コメディアンは比較的最近オスカーとはあまり縁がない印象。彼ら3人も同様に縁がなく、皮肉っている気がする。それだけでなく、軍部、映画制作者などあらゆる人たちへの皮肉が感じられる。

それにかかってくる音楽の選曲がなかなかユニークだ。早びきギターで鳴らしたアルヴィンリーがいるテン・イヤーズ・アフターの「チャンジ・ザ・ワールド」やローリングストーンズの「悪魔を哀れむ歌」とか妙にジャングルの画像にしっくり合ってしまうのが意外だ。これ自体はまさにベトナム戦争末期の曲だ。
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アメリカン・スプレンダー ポール・ジアマッティ

2010-01-20 20:00:45 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
まさにオタク映画である。アメリカンコミックに「アメリカン・スプレンダー」というのがあるらしい。それ自体が書き手の日常を描いたもので、主人公を「サイドウェイ」のポールジアマッティが演じる。他の作品と比較すると彼の表情が硬い。引きつっている。しかも、出てくる人間が強烈なオタクばかりで驚かさられる。終盤にかけて奥底にある家族愛が映画にあふれ出て良い味を出している。

クリーヴランドの病院で資料の整理係をしている主人公ハーヴィー・ピーカー(ポール・ジアマッティ)は妻に2度愛想をつかされたさえない男である。ジャズとコミックを愛する彼は自己中心に生きてきた。まわりもオタクだらけである。あるとき、身の回りに起こった出来事をコミックにしてみようと考え、作画家と組んで発刊する。日常性にあふれた内容に人気が出る。そんな時、コミック書店の女店員ホープ・デイヴィスが「アメリカン・スプレンダー」の在庫を別の店員が売ってしまって手元にないのを残念がり、作家本人に在庫はないかと手紙を書き始めたときから文通が始まるが。。。。。

コミックの絵が実写にからみつき、ジアマッティがいかにも変人の相を見せるので、特に序盤は不思議な映画だと思っていた。15歳のころからレコードの収集をはじめて、ガレージセールに中古レコードを買いに行く姿が実にオタクというかひどい自閉症にかかった男といった感じだ。コミックの書店で働く女性が現われて、少し雰囲気が奇妙なラブストーリーの匂いもさせてくる。

ポールジアマッティというのもうまい俳優だ。「サイドウェイ」で演じた男も、ワインにやけに詳しいけれど、妻に逃げられたダメ男だった。でも国語の教師の設定で、常識人ではあったと思う。今回はダメ男だけれども、常識人でなく強烈なオタクの変人だ。でもうまい。「シンデレラ・マン」ではラッセルクロウのコーチ役を演じて、熱く叫び続けた。今回はその正反対の性質だ。主人公本人も出演するので、難しかったとは思う。そういう中、役を楽しんでいた気がする。

ホープデイヴィスは個人的に好みのタイプだ。「アバウト・シュミット」でのジャックニコルソンの娘役や「プルーフ・オブ・ライフ」のグゥイネス・パルトロウの姉役はいずれも普通の女性である。「プルーフ・オブ・ライフ」ではヒラリー・クリントンばりのインテリ女性を演じてファンになった。ここでは顔から完全にマンガそのものである。笑うしかない。

最初に主人公である本人が我々に語る。「この映画を観ても元気にはなりませんよ」とね。でも浮世離れをした生活で、自分の好きなように毎日生きていく彼の姿は逆にこういう生き方をする方が幸せなのかなと思わせる。
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プレッジ 監督ショーンペン

2010-01-17 20:09:47 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
ショーン・ペンが監督した2001年の作品である。「イントゥ・ザ・ワイルド」の出来の良さにショーン・ペンの前作「プレッジ」を見たが、すばらしい出来に感嘆した。風景の映像美と合わせて、人物を奥深く追いかける姿勢がすばらしい。きめが細かい。ジャックニコルソンもショーン・ペンの思いに良くこたえている。ジャックの代表作といってもいいのではないか?

ジャックニコルソンは長く警察官をつとめていた。その退職を祝した送別パーティーの席上、雪山の中で少女の無残な死体が見つかったとの知らせが入る。目撃者の証言から、インディアンの血を引く青年が逮捕される。アーロン・エッカート刑事の取調べで自白して、これで一件落着と思われた矢先に、警官の銃を奪って容疑者は自殺してしまう。しかし、ジャックは彼が真犯人だと思わなかった。定年になった後も、周辺に同様の事件がなかったかを調べる。すると2つほど同じような事件が州境を越えてあることがわかる。ジャックは事件が起きた場所の近くの古いガソリンスタンドの店主に店を売ってくれないかと交渉し、田舎町に移り住むことになるが。。。。。

非常にしっとりした雰囲気で、末梢神経をいたずらに刺激するような映画ではない。バックの音響も落ち着いた中、じわりと盛り上げていく。「イントゥ・ザ・ワイルド」のときも思ったが、ショーンペン監督はロケ地の選択に時間をかけていると思われる。そしてそのロケ地周辺を美しく撮影している。季節も春夏秋冬に偏りなく選択していく。単に脚本や演出だけでなく、音楽、美術を含めて映画全体の雰囲気づくりが実にうまい。彼は5,6年に一回しか監督しない。それは彼が全米を撮影でまわりながら、次回作で使う場所をじっくり選んでいるのではないかと私は想像する。監督業を楽しんでいる。

この映画はサスペンス物であり、推理物でもある。いったん逮捕された男以外に真犯人がいるはずだと、執念で追いかけていく。推理の伏線を次から次へと映像で張っていく。ドキッとさせる場面を次から次へとつくる。観客に最終形を想像させながら、少しづつはずしていく。ストーリー作りも実に見事だ。

ジャックニコルソンは最後まで映画の中心であり続けた。映画が進んでいくにつれ、心理描写が重要になってくる。見事に彼らしい演技をした。
それにしても配役はずいぶんとぜいたくだ。犯人役のべ二チオ・デルトロをはじめとしてパトリシア・クラークソン、ヴァネッサ・レッドグルーブ、ミッキーローク、ヘレンミレンなどオスカー級の俳優を次から次へと登場させる。でもこれは映画人ショーン・ペンの人徳なのであろう。

ショーン・ペンの映画人としての素晴らしき才能を再度強く認識させられた。
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セルラー キム・ベイシンガー

2010-01-16 06:00:19 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
大好きなキム・ベイシンガーの作品なのにジャケットの雰囲気がホラー映画のように思えて観ていなかった。でもこれはなかなかのアクション映画の傑作だ。トランスポーターのジェイソン・ステイサムを極悪警察官にしたて、脇役の鑑のような怪優ウィリアム・H・メイシーを老警察官役にして思いっきり活躍させる。スピード感とテンポのよさに驚く。

ロスの高級住宅街に住む富豪の妻キム・ベイシンガーは高校の生物の教師。彼女の家に突然暴漢が乱入し、メイドを殺してキムを誘拐する。暴漢たちのリーダーはジェイソン・ステイタムだ。屋根裏の部屋にキムを監禁した後、ジェイソンは部屋にある電話をぶち壊して彼女が外部と連絡が取れないようにする。一人になったキムは壊れた電話のコイルをつなぎ合わせて、発信させる。電話がつながったのはのんきな若者の男性だ。キムは助けてくれと叫ぶが、男性は携帯電話の相手が冗談で話していると思う。ところが電話の先のざわめきにこれは本当の誘拐だと感じ、警察に飛び込む。そこにはウィリアムメイシー巡査がいる。忙しそうにしている彼はとりあわないが。。。。

映画のテンポが良い。文明の利器携帯電話を使って、登場人物をロスの街を縦横無尽に走らせる。キムはやっとの思いで壊れた電話を修復するが、会話が切れてしまうともうつながらない。しかも、相手先の携帯電話は電池切れになったら使えない。交信が途切れるかどうかとハラハラさせる。ジェイソンの親分リュックベッソン映画ばりのハラハラである。
監督はスタントマン出身だという。であるからファイティングシーンもカーチェイスもなかなかの迫力である。それも見ものだ。

キムベイシンガーは恐怖を連想させる映画がお得意である。でもここではあまり目立たない。良い味を出しているのは携帯がつながった相手クリス・エヴァンスとウィリアム・H・メイシーだ。メイシーはすっとぼけたような顔をしているので、個性派監督に好かれる。「マグノリア」「ブギーナイツ」のアンダーソン監督や「ファーゴ」のコーエン兄弟などだ。海藻パックで顔を塗ったりして、いつものおバカキャラかと思わせながら、はっとさせられるようなガンアクションを見せる。むしろここではアクションのプロであるジェイソン・ステイサムを食っている。ここまで活躍するとはびっくり。
そういう意外性もあるからこの映画スパイスが効いて面白いのであろう。

ここで何度も書いているが、ロス市警の警察官ってなんでこうも汚職で映画に取り上げられるのであろう?
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レイン・フォール  椎名桔平

2010-01-15 21:27:15 | 映画(日本 2000年以降)
東京を舞台にしたアクション映画。椎名桔平が米軍の秘密機関出身の殺し屋を演じる。対するCIAの東京支局長にゲイリー・オールドマンが扮する。監督がオーストラリア人で日本の作品というべきなのかよくわからないが、主演二人は頑張っている。

父親が日本人で母親がアメリカ人というジョン・レインこと椎名桔平はアメリカ籍で、米軍で秘密工作員の教育を受けたことのある殺し屋である。特殊なオーダーを請け負う彼を追うのは、CIAの日本支局長ゲイリー・オールドマンである。国土交通省の幹部白石は機密のチップを持っていると見られている。公共事業の予算の配分を担っている国土交通省の重要データだ。その白石が狙われていることをCIAが知り、彼の後を追う。地下鉄の中で心臓発作を起こして倒れる。後ろには椎名がいた。CIAのメンバーもそこにいたが。。。。。

ゲイリー・オールドマンのCIA日本支局長はさすがという感じ。支局の中は東京中の監視カメラを見ることができる。そこから椎名を追う出先の支局員に指示をだす。大声で的確に指示を出していく場面に臨場感を感じさせる。彼を起用したのは一点豪華主義というべきだろうが、彼が公安系の仕事をさせると映画が引き締まる。個人的に好みの「レオン」「ダークナイト」いずれも良い働きを見せる。好きな俳優だ。

椎名桔平もいい。彼自身殺し屋を連想させる独特のムードを持っている。ここではそれが生かされる。年をとったが、演技は円熟の域に達する寸前だ。今後も彼を追いたい。
自然死と見せかけて殺された白石の長女を演じるのが長谷川京子である。これはもう一歩かな?不自然な感じだ。ビジュアルで選んだであろうが、ちょっと大根過ぎた。残念
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