スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の新作である。ペネロペ・クルスとのコンビもこれで4度目である。いつものように色彩設計が美しく、ストーリーというよりも映像美で見ているものをあきさせない。
ある映画監督の話である。今は視力を失い脚本家となっている。彼は新聞である富豪が亡くなったことを知る。その富豪は映画の仕事をともにしたペネロペ・クルスと一緒に暮らしていた男であった。
話は時間軸を前後に飛ばしていく。映画の中の「映画」の手法はよくあるパターンである。映画監督のところで女優として羽ばたこうとしていたペネロペ・クルスを自由奔放に活躍させる。30代半ばとなったが、彼女の美しさは衰えない。ペドロ・アルモドバル監督の色彩設計と彼女のあでやかさは実によく似合う。最近前よりも彼女が裸体を見せるシーンが目立つ。活きのいい魚のようにベッドで暴れまわる彼女の妖艶な姿は美しい。
今回の映画では、ミケランジェロ・アントニーオ監督が60年代に描いた不毛の愛の世界を併せ持っていると私は感じる。けだるい匂いをむんむんさせながら、色彩設計の美しさと妙なアンバランスさをもって映画を成り立たせている。主人公の映画監督、ペネロペのパトロン役、主人公の妻役いずれも愛の不毛の世界をとらえた渋い演技を見せている。
ある映画監督の話である。今は視力を失い脚本家となっている。彼は新聞である富豪が亡くなったことを知る。その富豪は映画の仕事をともにしたペネロペ・クルスと一緒に暮らしていた男であった。
話は時間軸を前後に飛ばしていく。映画の中の「映画」の手法はよくあるパターンである。映画監督のところで女優として羽ばたこうとしていたペネロペ・クルスを自由奔放に活躍させる。30代半ばとなったが、彼女の美しさは衰えない。ペドロ・アルモドバル監督の色彩設計と彼女のあでやかさは実によく似合う。最近前よりも彼女が裸体を見せるシーンが目立つ。活きのいい魚のようにベッドで暴れまわる彼女の妖艶な姿は美しい。
今回の映画では、ミケランジェロ・アントニーオ監督が60年代に描いた不毛の愛の世界を併せ持っていると私は感じる。けだるい匂いをむんむんさせながら、色彩設計の美しさと妙なアンバランスさをもって映画を成り立たせている。主人公の映画監督、ペネロペのパトロン役、主人公の妻役いずれも愛の不毛の世界をとらえた渋い演技を見せている。