映画「ホワイトゴッド 少女と犬の狂詩曲」を映画館で見てきました。
これはすごい映画である。今年見た公開作では文句なくナンバー1だ。
映画ポスターなどの静止画ではわからない躍動感がある。元妻がしばらく留守にするために元夫(父親)に娘と犬を預ける。少女が飼っている雑種犬に税金がかかることを父親が嫌がりいったん犬を捨てる。その犬と離ればなれになった少女の物語だ。これだけでは、どこにでもある話に見える。でも、これは違う。
この映画には、アクション映画のようなリズミカルな動きと疾走感、スリラー映画のような恐怖、そして人知を超えた愛情の世界がある。ストーリーは単純でわかりやすい。でも常に緊張感があり、見ていて次にどうなるのかを追うのに目が離せない。それによくまあ犬たちを手なづけたものだ。カンヌ映画祭で「ある視点」部門グランプリとパルムドッグ?!を受賞したのは当然と思わせる傑作である。
多感な少女リリ(ジョーフィア・プショッタ)は13歳にして自分を取り巻く世界に疑問を抱いていた。両親は離婚し、学校で所属するオーケストラでは問題児扱いされている。 どこにも居場所がないリリの心のよりどころは賢くて素直な飼い犬のハーゲンだけだった。
そんなある日、リリは数日間、折り合いの悪い父親のもとに預けられることになった。久々に対面したこの日も、 父親はアパートに連れ込んだハーゲンのことが煩わしくてしょうがない。最近、この国では雑種犬の飼い主に重い税を課す新たな法律が施行されていた。
当局からの税金の催促と、リリの反抗的な態度に怒った父親は、高架下にハーゲンを置き去りにしてしまう。 「必ず迎えに来るから!」と涙するリリ。これが少女と犬の長く壮絶な受難の日々の始まりだった。
リリはいっそう孤立感に打ちひしがれ、必死にハーゲンを捜し続けていた。途方に暮れて犬の保護施設をも訪れるが見つけられない。 ハーゲンは執拗な野犬狩りを行う当局に追われ迷い込んだ路地でホームレスに拾われ、野犬ブローカーに売り飛ばされてしまう。 安全な場所で穏やかに育ってきたハーゲンにとって、行く手に広がるのは恐ろしいほど無秩序な世界だった。 流浪の果てに裏社会の闘犬場へと駆り出され、獰猛な野生に目覚めるのであるが。。。(作品情報引用)
自分はいわゆる愛犬家ではない。10代から20代にかけて自宅でマルチーズを飼っていたことがあるけど、それ以降はまったくご縁はない。犬が好きで見たというわけではない。犬の映画といえばディズニーの「101匹のワンちゃん」を子供のころにみた。これはアニメだ。この映画ではCGを使わずに、200匹の犬を思いっきり走らせる。いずれも施設にいる犬のようだ。ある意味、野犬に近い存在の凶暴な犬といってもいい。そんな大勢の犬を手なづけ撮影する。それだけでもすごすぎる。
ネタバレ若干含みながら語る。(見ていない人は読まないでください)
1.犬と離れてからの少女
住んでいるアパートの人に雑種犬は飼っちゃいけないよと言われる。しかも、当局にたれ込まれ、危うく持ち去られそうになる。仕方なく、少女はオーケストラの練習に犬を連れていくが、演奏中にワンワン吠えられてしまう。指揮者である指導者にとがめられるが、逆らって犬を持ち返る。その話を聞いて父親はもはやこれまでと犬を橋の下に捨てる。犬は2人を追いかけてくるが、離れ離れになる。
少女は懸命に犬を探すが見つからない。がっかりした少女はやがてオーケストラのメンバーとして戻るが、ストレスがたまっている。オーケストラの先輩と酒を口にしたり、夜ディスコに出入りしたり遊び歩く。酔ってぶっ倒れて警察に保護されるが、ポケットからはドラッグの入った袋が見つかってしまうのだ。これはやばい!!
2.少女と離れてからの犬(ハ―ゲン→マックス)
飼い主を追っていくが見つからない。そうしていくうちに同じような野犬たちがいる場所にたどり着く。そこで1匹の犬となかよくなる。野犬狩りの当局に見つかり追われるが、なんとか逃げ切る。(このカーチェイスならぬドッグチェイスがなかなか迫力ある)でも仲良しの犬とはぐれ、ホームレスの男に保護される。彼は悪知恵が働き、野犬ブローカーに売る。闇ブローカーは賭け闘犬の試合に出すために、野生の犬のように凶暴に育て上げるのだ。
試合では見るからに強そうな犬と戦う。負けそうになるが、最後の力を振り絞って相手を噛みやっつける。
(この闘犬シーンもすごい迫力だ。)
ここで主人公の犬は完全に猛獣と化しているのである。この犬が欲しいという別のブローカーと今の持ち主が争う中を主人公は巧みに逃げだす。そのとき、仲良くなった犬と再会するが、再度当局にみつかる。今度は逃げ切れず犬の養護施設に入ってしまう。
3.クライマックスへ
施設に入ったが、闘犬でキズだらけの主人公の犬には貰い手がいないだろうと処分されるところだった。
ところが、とっさの隙に管理人を襲う。凶暴でもう手がつけられなくなっている。すると同じような野犬も一緒になって大勢逃げ出すのだ。ここからは大勢いる犬のリーダー格になって、今まで自分を懲らしめた人たちを襲うのである
逃げる犬たちの動きは実にスピーディだ。
ハンガリーの首都ブタペストで交通規制をしてとられたという映像が疾走感あふれ興奮が高まる。
次から次へと恨みをはらすべく人に飛びついていく。野生の猛獣と一緒である。
まさにスリラーかオバケ映画の世界だ。
野犬が暴れていることを知り、少女はハーディがいると信じる。はたしてどうなるか。
すごい興奮であった。
最後にキーとなるのがリスト作曲「ハンガリー狂詩曲第2番」だ。
難曲といわれるこの曲が何度も流れる。
ある時はシビアに、ある時はやさしく流れるこの曲とともに自分の興奮が最高に高まった。
ホロビッツのピアノ↓
リストの曲となるとこのくらいの名手でないと無理
これはすごい映画である。今年見た公開作では文句なくナンバー1だ。
映画ポスターなどの静止画ではわからない躍動感がある。元妻がしばらく留守にするために元夫(父親)に娘と犬を預ける。少女が飼っている雑種犬に税金がかかることを父親が嫌がりいったん犬を捨てる。その犬と離ればなれになった少女の物語だ。これだけでは、どこにでもある話に見える。でも、これは違う。
この映画には、アクション映画のようなリズミカルな動きと疾走感、スリラー映画のような恐怖、そして人知を超えた愛情の世界がある。ストーリーは単純でわかりやすい。でも常に緊張感があり、見ていて次にどうなるのかを追うのに目が離せない。それによくまあ犬たちを手なづけたものだ。カンヌ映画祭で「ある視点」部門グランプリとパルムドッグ?!を受賞したのは当然と思わせる傑作である。
多感な少女リリ(ジョーフィア・プショッタ)は13歳にして自分を取り巻く世界に疑問を抱いていた。両親は離婚し、学校で所属するオーケストラでは問題児扱いされている。 どこにも居場所がないリリの心のよりどころは賢くて素直な飼い犬のハーゲンだけだった。
そんなある日、リリは数日間、折り合いの悪い父親のもとに預けられることになった。久々に対面したこの日も、 父親はアパートに連れ込んだハーゲンのことが煩わしくてしょうがない。最近、この国では雑種犬の飼い主に重い税を課す新たな法律が施行されていた。
当局からの税金の催促と、リリの反抗的な態度に怒った父親は、高架下にハーゲンを置き去りにしてしまう。 「必ず迎えに来るから!」と涙するリリ。これが少女と犬の長く壮絶な受難の日々の始まりだった。
リリはいっそう孤立感に打ちひしがれ、必死にハーゲンを捜し続けていた。途方に暮れて犬の保護施設をも訪れるが見つけられない。 ハーゲンは執拗な野犬狩りを行う当局に追われ迷い込んだ路地でホームレスに拾われ、野犬ブローカーに売り飛ばされてしまう。 安全な場所で穏やかに育ってきたハーゲンにとって、行く手に広がるのは恐ろしいほど無秩序な世界だった。 流浪の果てに裏社会の闘犬場へと駆り出され、獰猛な野生に目覚めるのであるが。。。(作品情報引用)
自分はいわゆる愛犬家ではない。10代から20代にかけて自宅でマルチーズを飼っていたことがあるけど、それ以降はまったくご縁はない。犬が好きで見たというわけではない。犬の映画といえばディズニーの「101匹のワンちゃん」を子供のころにみた。これはアニメだ。この映画ではCGを使わずに、200匹の犬を思いっきり走らせる。いずれも施設にいる犬のようだ。ある意味、野犬に近い存在の凶暴な犬といってもいい。そんな大勢の犬を手なづけ撮影する。それだけでもすごすぎる。
ネタバレ若干含みながら語る。(見ていない人は読まないでください)
1.犬と離れてからの少女
住んでいるアパートの人に雑種犬は飼っちゃいけないよと言われる。しかも、当局にたれ込まれ、危うく持ち去られそうになる。仕方なく、少女はオーケストラの練習に犬を連れていくが、演奏中にワンワン吠えられてしまう。指揮者である指導者にとがめられるが、逆らって犬を持ち返る。その話を聞いて父親はもはやこれまでと犬を橋の下に捨てる。犬は2人を追いかけてくるが、離れ離れになる。
少女は懸命に犬を探すが見つからない。がっかりした少女はやがてオーケストラのメンバーとして戻るが、ストレスがたまっている。オーケストラの先輩と酒を口にしたり、夜ディスコに出入りしたり遊び歩く。酔ってぶっ倒れて警察に保護されるが、ポケットからはドラッグの入った袋が見つかってしまうのだ。これはやばい!!
2.少女と離れてからの犬(ハ―ゲン→マックス)
飼い主を追っていくが見つからない。そうしていくうちに同じような野犬たちがいる場所にたどり着く。そこで1匹の犬となかよくなる。野犬狩りの当局に見つかり追われるが、なんとか逃げ切る。(このカーチェイスならぬドッグチェイスがなかなか迫力ある)でも仲良しの犬とはぐれ、ホームレスの男に保護される。彼は悪知恵が働き、野犬ブローカーに売る。闇ブローカーは賭け闘犬の試合に出すために、野生の犬のように凶暴に育て上げるのだ。
試合では見るからに強そうな犬と戦う。負けそうになるが、最後の力を振り絞って相手を噛みやっつける。
(この闘犬シーンもすごい迫力だ。)
ここで主人公の犬は完全に猛獣と化しているのである。この犬が欲しいという別のブローカーと今の持ち主が争う中を主人公は巧みに逃げだす。そのとき、仲良くなった犬と再会するが、再度当局にみつかる。今度は逃げ切れず犬の養護施設に入ってしまう。
3.クライマックスへ
施設に入ったが、闘犬でキズだらけの主人公の犬には貰い手がいないだろうと処分されるところだった。
ところが、とっさの隙に管理人を襲う。凶暴でもう手がつけられなくなっている。すると同じような野犬も一緒になって大勢逃げ出すのだ。ここからは大勢いる犬のリーダー格になって、今まで自分を懲らしめた人たちを襲うのである
逃げる犬たちの動きは実にスピーディだ。
ハンガリーの首都ブタペストで交通規制をしてとられたという映像が疾走感あふれ興奮が高まる。
次から次へと恨みをはらすべく人に飛びついていく。野生の猛獣と一緒である。
まさにスリラーかオバケ映画の世界だ。
野犬が暴れていることを知り、少女はハーディがいると信じる。はたしてどうなるか。
すごい興奮であった。
最後にキーとなるのがリスト作曲「ハンガリー狂詩曲第2番」だ。
難曲といわれるこの曲が何度も流れる。
ある時はシビアに、ある時はやさしく流れるこの曲とともに自分の興奮が最高に高まった。
ホロビッツのピアノ↓
リストの曲となるとこのくらいの名手でないと無理