映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 井浦新&杉田雷麟 

2024-03-24 19:38:09 | 映画(日本 2019年以降)
映画「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」映画館で見てきました。


映画「青春ジャック止められるか、俺たちを2」は1983年の若松プロに入ろうと志願した脚本家井上淳一の若き日の成長物語である。自らメガホンを持つ。「福田村事件」でも脚本を書いていた井上は左翼思想を感じさせる男だ。荒井晴彦中心に討論会形式でまとめた本「映画評論家の逆襲」での左巻き発言は、どうも好きになれない。

それなので,今回見ようかどうか迷ったが,若松プロの監督志望の女性を描いた「止められるか、俺たちを」の1作目が良かったので、とりあえず観てみようかという軽い感じで映画館に向かう。最近出番が多い若手の芋生悠の存在も気になる。でも、予想外によかった。

1983年、ピンクの巨匠若松孝二監督(井浦新)が名古屋で自分の作品を上映するシネマスコーレという名の映画館を経営しようとする。ビデオ機器のセールスマンだった木全(東出昌大)が人伝てで紹介されて映画館の支配人に起用される。バイト志望を募ったところ、映画研の女性金本(芋生悠)が入ってきた。名画座として、二本立ての名画を上映しても、客がなかなか入らない。新東宝から名古屋でピンク映画の上映館を探していると言う話を聞きつけ,若松監督は番組編成を変えた。


シネマスコーレに挨拶で来ていた若松監督に向かって河合塾の予備校生の井上(杉田雷麟)が弟子入りを志願する。東京に帰ろうとする若松監督が乗る新幹線に井上が飛び乗り,東京で助監督業をするがうまくいかない。1度は名古屋に帰っていたが、若松監督と和解して監督が頼まれた河合塾のセールスプロモーションの短編映画を大学生になった井上が監督として作品を作ることになる。


久々に笑いころげる映画に出会った。
若松監督のパフォーマンスを巧みに演じた井浦新の演技がむちゃくちゃ面白かった。何度もハラを抱えて笑った

前回も門脇麦演じる女性映画監督の成長物語であった。この映画も同様に予備校生から大学に進学する脚本家井上淳一の成長物語である。左巻きの強い井上の嫌な部分は感じない。在日韓国人の外国人登録のための指紋について言及する場面があるが,さほどいやらしくはない。まだ大学生なのに、助監督を頼まれても、大人の仕事ができるわけがない。ドジを踏んでばかりで、若松監督に怒られる。1度は放り出されるが、また戻され、鍛えられる。でも完全に任せられない。その任せる任せない部分のパフォーマンスが実に面白い。映画館内も笑いの渦となる。


若松孝二も慈善事業で映画館経営をやっている訳ではない。映画館名シネマスコーレは「映画の学校」を意味する。東出昌大演じる映画の支配人が,大林信彦監督作品の3本立てのような普通の映画の名画座としようとするが,それでは儲からない。若松監督はピンク映画を中心の上映に染めようとするのだ。客の入りは、ピンク映画と普通の映画では全く違う。それでも支配人は普通に戻そうとする。この辺の映画館の上映事情が語られている。


固有名詞が実際の名前で呼ばれる映画である。河合塾もその通りの名前で出てくる。結局,監督志望の井上が作った脚本は,偏差値30の女の子が予備校で頑張って、東大に入ろうとする話である。演技指導を井上監督に任せているはずなのに、見ていると、若松監督が口出しをしてくる。仕方ないだろう。ただ,若松監督のパフォーマンスにあまりに理不尽な話が多すぎるので、笑えてしまうのだ。



理屈っぽい井上監督の自戒のような言葉が,井浦新演じる若松監督のセリフによって語られる。人の映画を批判してばかりとか、結局監督でモノにならず、脚本家になろうとしたけど、うまくいかなかったとか、井上監督を評価するそんな話が出てくる。「映画は言葉でなく映像で語れ」とか。「理屈は映像では伝わらない」など若松監督語録の気になる言葉が随分と多い映画だった。

新宿ゴールデン街でばったりあったということで,若松監督が赤塚不二夫を出演させようとしてどこかに出番はないかと電報を持ってくる郵便局員役で登場させる。それがモデルになった映画の実際の映像として、エンディングロールのところで本物の赤塚不二雄が出てきたときには、さすがに感動した。
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番外21(福岡 超コスパいい和食)

2024-03-23 20:54:53 | 散歩
福岡に出張に行ってきました。
超コスパのいい和食を食べました。映画ここのところ不調困った。

アオリイカ


アスパラ


白子ポン酢


ズワイガニの茶碗蒸し


穴子と揚げ出し


茄子のそぼろ煮


レアカツ 本鮪


太刀魚


ホタルイカ


メンチカツバーガー


和牛しゃぶしゃぶ


鯛めし これがうますぎる


これで6600円 全部味がいい
奇蹟だ。
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映画「12日の殺人」

2024-03-17 18:28:26 | 映画(フランス映画 )
映画「12日の殺人」を映画館で見てきました。


映画「12日の殺人」はフランスのサスペンス映画である。2021年に「悪なき殺人」というドミニク・モル監督によるサスペンス作品があり、これは面白かった。年間通じてもベストクラスのレベルだった。その同じ監督が作った新作でセザール賞も6部門で受賞している。楽しみにしていた作品である。

フランスのグルノーブル2016年10月12日の深夜、女子大学生クララがパーティーの帰りに何者かによって襲われ,ガソリンをかけられ火をつけられて焼死体となって発見された。昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソーが捜査を担当する。2人はクララの周囲の容疑者となり得る男たちに聞き込みをする。クララの男関係は派手で,事情徴収を受けた男たちは全員クララと関係を持っていた。しかし,警察は容疑者を特定することができない。


残念ながら、期待したほどは面白くなかった。
深夜まで一緒にパーティーをしていた女友達と襲われる直前までスマホで会話をしていた。その女友達から男関係を確認して,現在の彼氏,セックスフレンドと思しき男などに次々とヒアリングしていく。惚れっぽい女だったらしい。被害者の男関係は入り乱れている。どの男たちも怪しい。でもアリバイがあり決め手がない犯行現場の近くに住む男や以前妻に暴行を働いて逮捕された経歴のある男など捜査線に浮上する男は、大勢いるけれども決め手はない。


自分が大好きな韓国クライムサスペンスの名作に「殺人の記憶」がある。未解決事件をスリリングに追っていく作品だ。ソン・ガンホの名演技が光る。出足からドキドキハラハラする展開が続いていく。その作品と比べると,フランス映画らしく抑えた基調という事は理解できるが,もう一つ平坦すぎて面白さを感じなかった。それぞれにコイツが犯人と思わせる緊張感が弱かった。監督の前作はストーリーの起伏が面白かったけれども、今回はそういうテイストが全くなかった。


だからといって,それぞれの演技が悪かったわけではない。主役刑事はストイックな仕事ぶりを示すために自転車競技場でもくもくと走る。ベテラン刑事は家庭環境が複雑で、離婚の危機に陥っている。ある容疑者を犯人と決めつけボコボコにするやりすぎの場面もある。最後に向けては夜中にずっと張り込む女性刑事も登場させる。ただ,それによってこちらが感じるようなものはなかった。

ここに来て忙しくなったこともあるが、映画運がない。
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映画「ゴールドボーイ」岡田将生&羽村仁成

2024-03-10 16:13:32 | 映画(洋画:2019年以降主演男性)
映画「ゴールドボーイ」を映画館で観てきました。


映画「ゴールドボーイ」岡田将生主演のクライムサスペンス映画で、金子修介監督がメガホンをもつ。「ばかもの」から金子監督とは相性は悪くない。最近辛気臭い映画が多く、急に鑑賞ペースが落ちてしまう。中国人作家による原作の映画化という割には評価は悪くない。娯楽作品を観てみるかという感覚で選択する。

岬の先の絶壁の上で記念写真を撮っている夫婦と義理の息子東昇(岡田将生)がいる。結婚のプロポーズをした記念の場所を見るためにきた3人だが,写真を撮った後突如として息子が両親を崖から突き落とす。警察に電話をして,父親が意識が朦朧となり妻を引っ張るように崖から落ちたと義理の息子が証言した。

犯人が最初にわかってしまう展開だ。でも、単純ではない。遠く離れた浜辺に2人の少年と少女がいて、浜辺で記念撮影をしていた。ところが撮った動画に崖から夫婦を突き落とす証拠映像が映っていた。

崖から落ちた主人は沖縄でも有名な企業グループの東オーナーだった。TVニュースで報道されているのを確認した3人はこの義理の息子から金を奪いとることを思いつく。


展開のテンポがよく,最後まで楽しめるサスペンスだ。
人間関係は複雑にもかかわらず,わかりにくくはない。脚本港岳彦のうまさであろう。ネタバレサイトは見ずに映画館に行くのが望ましい。自分も一定以上の話はしない。中国人作家による原作があるとはいえ、今回海の匂いを感じる沖縄を舞台にしたのは正解だったと思う。

岡田将生が主演でクレジットトップであるが,実質的には安室少年(羽村仁成)が主人公である。gold boyも少年のことだ。脅されている岡田のほうも妻から離婚を申し出されている事情がある。夫婦関係は冷え切っていた。


一方で少年は父親(北村一輝)と母親(黒木華)が離婚をしていた。その後妻と少年との関係が悪かった。浜辺で少年と一緒にいた先輩浩は母親のつれ子夏生(星乃あんな)と一緒にいるが,その家庭も複雑だった。

息つく間もなく次から次に殺人事件が起きていく。オー!こうくるかと思う場面も多い。主人公の少年は中学から高校受験の時期に既に微分方程式を解いてしまう数学的能力を持っている設定だ。悪知恵を次から次に実現させていく。


沖縄県警の刑事役を江口洋介が演じる。殺された夫婦やその娘とは親戚関係にある。謎解きとして鋭い能力を持った刑事ではない。ただここで警察としての江口洋介の存在がなければ,話がおかしくなる。悪役としての岡田将生の存在もいい感じだ。一緒に悪さをはたらく少女星乃あんな存在感がある。この年齢で殺人に絡む演技は容易ではない。将来の有望株の登場である。

おもしろかったが、それなりに欠点もある。音楽が弱かったのが残念。挿入曲として、マーラー5番の名フレーズを使った。でも、日本映画でこれを使ってうまくいった試しがない。倖田來未のエンディング曲はいい。どんでん返しが続いたあと最後に向けてはどう決着させるのかと思ったが,帳尻を合わせた感じだ。こうなるかなあ?と思いながら,最後の場面を追っていた。
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ドキュメンタリー映画「リトル・リチャード アイ アム エヴリシング」

2024-03-06 20:37:53 | 映画(洋画:2019年以降主演男性)
映画「リトル・リチャード アイ アム エヴリシング」を映画館で観てきました。


映画「リトル・リチャード アイ アム エヴリシング」チャックベリーと並ぶロックンロールの帝王リトル・リチャードの人生を語るリサ・コルテス監督のドキュメンタリー映画である。

ビートルズに関心を持ち始めてすぐ典型的ロックンロールの曲「ロングトールサリー」が好きになり、リトルリチャードの名前を知った。いわゆるオールディーズと言われるロックンロールミュージックで誰もが知っている曲を作ったのがチャック・ベリーであり,リトル・リチャードである。

初期のビートルズは2人の歌を自らアレンジしてアルバムに収めていた。ロック界に影響与えたなんて宣伝文句が飛び交っているが,このリトルリチャードだけはまさに本物である。そんなリトルリチャードの人生を描いたドキュメンタリーとなると見てみたくなる。


編集力に優れた音楽ドキュメンタリーである。
ものすごい数のフィルムから映像を的確に引用し,それぞれをコンパクトにわかりやすく編集してまとめている。リトルリチャードの音楽人生がこの映画を見るだけでよくわかる。気分が高揚する映画である。

映画ではリトルリチャードの生まれてからの家族との関わりやその後音楽界で這い上がっていく履歴、そしてヒット曲を出してからのリトルリチャードの姿を追っていく。ポールマッカートニー,ミックジャガーといったロック界の巨人の証言なども交え、いかにリトル・リチャードがロック界に大きく影響を与えたのかも示している。。

若き日にコンサートツアーで一緒だったミック・ジャガー「ロックンロールは彼が始めた」と証言し、ポール・マッカートニー「歌で叫ぶのはリチャードの影響」と語る。この映画でリトルリチャードの歌っている歌詞がかなり卑猥だと言うことを知った。これはこれでいろんな影響与えているかもしれない。


ゲイだったリトル・リチャードが偏見を持たれた人生を送った。リトルリチャードと言えばあのオカマっぽいメイクやファッションが印象的である。ジョークを飛ばしまくりで,大きな口を開けながらボクシングのモハメッドアリのように大口を叩く。見ようによっては,バットマンのジョーカーのようにも見えてくる。


リチャードに不利だった契約書にサインして後に作曲して得られる印税がもらえない悲劇も映画の中で触れる。これには驚いた。ともかくオールディーズの曲がライブハウスでかかるとリトルリチャードの曲が流れる割合はむちゃくちゃ多い。ビートルズだけでなくエルビスプレスリーやパットブーン、クリーデンスクリアウォーターリバイバルなど彼の曲のリメイクを歌っているアーティストは多い。金に困った話にも触れる。契約書の読み込みさえ間違っていなければ本来は巨万の富を築いたはずだったのに気の毒である。

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京都出張

2024-03-03 13:50:54 | 散歩
関西に出張してきました。
まず夕方に入った京都



鴨川が見渡せる場所で水だき




取り分けてもらう。おいしい


翌日、東寺


東福寺


美しい庭 大好き


裏庭


橋を渡っていくと




人がいないところで佇むのがいい


なぜか紅葉のない冬の東福寺が好きだ。
近くのハンバーガーが人気

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