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映画とライフデザイン

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映画「F1/エフワン」ブラッド・ピット

2025-06-30 17:16:24 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)

映画「F1」を映画館で観てきました。

映画「F1」ブラッド・ピット主演のF1レーサーの物語だ。監督は「トップガンマーヴェリック」ジョセフ・コシンスキー。「トップガンマーヴェリック」には感動した。予告編で観るレース場面に同じような臨場感が期待できそう。古典的なサクセスストーリーでブラッドピット流れ者の一匹狼ドライバーだ。西部劇にも日本の時代劇にもいくらでもある物語だ。そんなことはどうでもいい。ともかくF1レースの迫力が凄すぎる。自分は映画館原理主義者でないが、これを配信で見る奴はありえない

車上生活者のドライバーソニー(ブラッドピット)がアメリカデイトナの耐久レースに参戦している。高順位にあげるレース請負人として独り気ままに日銭を稼いでいる。1990年代にF1で活躍し、大クラッシュを起こして姿を消した。そんなソニーの前に低迷中のF1チーム(APXGP)を率いるルーベン(ハビエル・バルデム)が突如現れる。チーム浮上のために旧友のソニーにF1復帰を三顧の礼で乞うのだ。

チームには若い自信家のドライバーのジョシュア(ダムソン・イドリス)や女性初のテクニカルディレクターのケイト(ケリー・コンドン)がいるが、目下最下位。突然現れたソニーの常識破りの言動にチームの面々は反発して衝突を繰り返す。それでも徐々に信頼を得るようになる。

大画面に映えるレース場面の迫力がすばらしい!

いきなり映像に映るデイトナのナイトレースシーンでのブラッドピットがカッコ良すぎる。一気に引き込まれる。ただ、カッコいいシーンだけが続くわけでない。レースシーンでは全速力で走るクルマが大量に大破する。CGだけの世界ではない。実物のクルマが次々とクラッシュするのだ。このスタントは命がけだ。これまでのレーシング映画を超越する。レースシーンの興奮が2時間半以上続いても飽きない。

正直言ってF1について詳しいわけではない。この映画ではただ単に全速力で走らせるだけでない。ルールを熟知したものだけが知るレースの駆け引きのようなものが散りばめられている。イエローフラッグやレッドフラッグがもつ意味などはルール以上に奥深いものと初めて知る。

制作費が2〜3億ドル規模だという。日本映画ではありえないレベルだ。何度もクラッシュするごとに予算は増えていっただろう。チームを率いる役のバビエル・バルデムがレースのクラッシュシーンでアタマを抱えるシーンが何度もでてきた。映画の予算管理をするプロデューサーも同じような心境だったろう。そのおかげでこれだけのすばらしい映画ができるのだ

⒈いきなりのレッドツェッペリン

デイトナのナイトレースにブラッドピットが登場する。いきなりぶっ飛ばす。なんてカッコいいんだろう。バックで流れるのがロバート・プラントのヴォーカルでレッド・ツェッペリンのセカンドアルバムから「Whole Lotta Love」だ。もう1000回以上は聴いているけど、こんなに気分が高揚することはない。ジョセフ・コシンスキー監督が「トップガンマーヴェリック」でいきなり「Danger Zone」を流して自分を興奮させたのとまったく同じパターンだ。背筋がゾクゾクする。

実はこの曲の歌詞はかなりエロい。翻訳すると18禁そのものだ。でもそんな感じがしないで映像に見惚れているうちに 有名なジミー・ペイジのギターソロだ。タイミングがレースの緊張感と完璧に合ってピッタリだ!レッドツェッペリンの曲の力、臨場感あるカメラワーク、そしてブラッド・ピットのカッコよさ。 この3つが揃ってるから、いきなり高揚感が高まる。

ジョセフ・コシンスキー監督のインタビューを読むと「冒頭の数分間で観客を物語に引き込むのが監督の役目だ」と言っている。なるほど有言実行だ。「ブラッド・ピットだから絵になる」とも言い切れる。

⒉FIレースでの駆け引き

 ルイス・ハミルトンが製作側の総指揮&技術監修として加わっている。ルイス・ハミルトンは現役F1ドライバーの中でも別格と言われる存在で、歴代最多タイ7回のワールドチャンピオンを持つ伝説級のドライバーだ。そんな人物がメンバーに加わると映画の奥行きが広がる。

主人公のチームが対決するドライバーの名前にハミルトンの名前が出てくる。映画はフィクションだが、あえて意識したのか肝心なレースの時に上位を競い合う最強ドライバーがハミルトンだ。名前を貸したのが良かった。

おもしろいと思ったのが、雨のレースの時のタイヤのチョイスの場面だ。300km/hを超えるスピードで走り、コーナーワークではタイヤも消耗するだろう。「タイヤ選択」におけるドライバーの勘とピットの戦略ミスが勝負のカギになるのだ。特に雨のレースではなおさらだ。この辺りの雨天対策をストーリーに織り込む。

ソニーは悪知恵が働く。接触事故を起こして赤旗でレースを中断させ、仲間と先行車の差を詰める。イエローフラッグやレッドフラッグにこんな深い意味があるなんて初めて知る。停止=リタイアというわけではないF1のルールも示す。マシンやコース、駆け引きを知り尽くしている人物が製作者にいるのでストーリーもただ走らせるだけにとどまらせない。すごい!

デイトナ・インターナショナル・スピードウェイにおける冒頭ナイトレースは、2024年ロレックス24時間(耐久)レースのレースウィークに撮影されたようだ。アブダビ・ヤス・マリーナ・サーキットもレーシング場面で出てくる。

⒊カメラワークのすばらしさ

監督のジョセフ・コシンスキー「トップガン マーヴェリック」撮影技術チームをこの映画でも参加させる。大画面で観るとものすごい臨場感である。「乗り物に乗せるカメラ技術」をF1に応用しているのだ。これまでのレース映画はほとんどがCGや過去映像の合成だったと違いがわかる。

解説を読むと、主人公のチーム(APXGP)のマシンは改造F2シャシーに高性能カメラを搭載し、リアルな映像を狙う。これにより「本物のF1カーのすぐ横で撮っているかのような迫力」が生まれている。被写体ブレが少なく“速さ”が分かる映像を目線の高さで撮っている。ドローンは上空から俯瞰するだけでなく、マシンの超接近ショットを追従させ、スピード感を最大化させている。観ていてウキウキする。

時効だと思うが、若き日に某高速道路で200km/hを超えるスピードを出したことがある。一瞬メーターが200km/hより上にふれた時心臓が止まりそうになった。ここではそれを超えるドライブをずっと目で追っていられる。幸せだ。

⒋FIレーサーと体力づくり

以前にF1レーサー中島悟の日経新聞私の履歴書で、科学的フィジカルトレーニングに励んだ記事を読んだことがある。車の運転にこんな体力づくりがいるんだと一瞬驚いた直後にそりゃそうだと思ったものだ。ともかく 強靭な心肺機能が必要らしい。レース中の心拍数は平均160〜180bpm、一部のコーナーでは200を超えることも。またコーナリングで首に強烈な負荷がかかる。鍛えねばならない。コンマ1秒単位の操作を長時間続けながら判断し続ける。そんなことは普通できない。レース後は体重が数kg落ちるそうだ。これは常人では無理だ。

ブラッド・ピットルイスハミルトン監修による特訓で“ベテランFIドライバー”のリアルさを作った。すばらしい。本物のレーサーに混ざってサーキットでドライビングできたのも自ら鍛えたからこそだろう。


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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めっちゃリアル (onscreen)
2025-07-18 07:58:54
科学的フィジカルトレーニング とか、めっちゃリアルでしたね!

その辺まで抑えているとは、実に文句のつけようがない映画でした(笑)
返信する
コメントありがとう (wangchai)
2025-07-18 19:47:36
>onscreen さんへ
>めっちゃリアル... への返信

コメントありがとうございます。
おっしゃる通り実にリアルでしたね。この映像体験十分楽しめました。科学的フィジカルトレーニングについては、この映画を観ていて以前日経新聞私の履歴書で中島悟が語っていたことに感銘を受けていたことを思い出した次第です。

お互い長くgoo blogで頑張りましたね。あと少しですね。
返信する
ですねー (onscreen)
2025-07-21 13:22:49
>wangchai さんへ
>コメントありがとう... への返信

<goo blog あと少しですね。

ですねー
とりあえず、はてなブログも初めてみましたがまだまだ慣れません...
goo blogって終了すると、過去ログのリンクも維持されないのか心配です

s質問してみるかな...
返信する
ありがとうございます (wangchai)
2025-07-22 05:02:27
>onscreen さんへ
>ですねー... への返信

おはようございます。
私はまだ手付かずです。検討も進んでいません。本格的な夏に考えます。
返信する

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