映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「お嬢さん」 ハ・ジョンウ&キム・ミニ

2017-04-12 20:24:21 | 映画(韓国映画)
韓国映画「お嬢さん」を映画館で観てきました。


日韓併合以降の朝鮮を舞台にした映画だという。なかなかチャンスに恵まれなかったが、ようやく観れる。監督は「JSA」「オールドボーイ」と韓国映画の傑作を作ってから「イノセントガーデン」でハリウッドデビューをしたパク・チャヌクであり、「チェイサー」「ベルリンファイル」ハ・ジョンウ宮部みゆき原作の韓国版「火車」「泣く男」キム・ミニの共演である。

映画賞をかなりとっている作品を全く先入観なしで観てみた。超満員で立ち見ならぬ座り見ができるすごい状況だ。ハングルでなく第一話という文字がでる。戦前の朝鮮のドツボ地帯に、ハ・ジョンウ演じる1人の詐欺師が相棒を連れ出そうとしているシーンからスタートする。狙いを定めるのは日本人大富豪お嬢さんである。淡々とストーリーに身を任せる。素朴な侍女がお嬢さんのお世話をするうちにもともとの考えと違う動きをし始める。キム・ミニがやさしい小ぶりのバストトップをさらすだけで進むが、ちょっとした逆転があり、へえそうなのかと話が進むところで第二話に移る。

実はそこからが見ものなのだ。単なる結婚詐欺の話が複雑に入り組んでくるのである。しかも、エロティックな匂いをプンプンさせながら。


1939年、日本統治下の朝鮮。スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、藤原伯爵と呼ばれる詐欺師(ハ・ジョンウ)から、ある計画を持ちかけられる。それは、莫大な財産の相続権を持つ令嬢・秀子(キム・ミニ)を誘惑して結婚した後、精神病院に入れて財産を奪い取ろうというものだった。計画に加担することにしたスッキは、人里離れた土地に建つ屋敷で、日本文化に傾倒した支配的な叔父の上月(チョ・ジヌン)と暮らす秀子のもとで、珠子という名のメイドとして働きはじめる。

しかし、献身的なスッキに秀子が少しずつ心を開くようになり、スッキもまた、だます相手のはずの秀子に心惹かれていく。。。(作品情報より)

日本占領下の朝鮮を描いた映画がここのところよく目につく。その中でもいちばんきわどい映画かもしれない。あえて言えばエロティックサスペンスといってもいいだろうか?日本でいうと石井隆、若松孝二といった監督がつくる映画のテイストである。


騙そうとして侍女となった女の子が、お嬢さんに一気に魅かれていく。お互いの肌を見せるようになった後戯れる。そのあたりは第2話で詳細となるが、この2人のレズビアンシーンはなかなか見れない興に入ったものである。リズミカルな抱き合いは本気に戯れているような妖艶さをもつ。キムミニの官能的なヌードも美しいし、新人キム・テリもそのしなやかな身体にまとわりつく。これは観ていて股間にも刺激を与える。


日本語はちょっとという感じかもしれない。これは即席なんで仕方ないかな?訓練したというが、ハ・ジョンウなんかはもう一歩だ。戦前日本語教育を受けた朝鮮人たちはもう少しうまく話せたのかもしれない。金大中元大統領がかなり流暢な日本語を話していたのを聞いたことがある。一般人もそうだっただろう。それにしても春画も随分ときわどいものを見せるし、韓国人がみるからそう思わないかもしれないが、マ〇コ、チ✖コの連発には驚く。
ここでの室内美術はなかなかのものだし、日本ロケも一部あったようなので、リアル感はある気がする。きわどさと話の逆転を楽しむ映画だ。


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映画「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」 ナタリー・ポートマン

2017-04-05 20:21:50 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「ジャッキー」を映画館で観てきました。


最近の若い人には知らない人も多いだろうけど、自分が小さいときはジャクリーンというのはセレブの象徴のような人であった。船舶王オナシスとの再婚も女性週刊誌にずいぶんと取り上げられているのを新聞の広告で見ていた気がする。まさに劇的な人生を送っていた彼女だが、ここではJ・F・ケネディが暗殺され葬儀に至る非常に短い期間を描いている。時間的には短いが非常に濃い日々である。

映画として抜群といった作品ではないが、ナタリーポートマンはいつもながらお見事な演技。「女の業」や情念のようなものをその表情とセリフできっちりと見せている。


1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領は、テキサス州ダラスでのパレードの最中に銃撃される。 目の前で愛する夫を暗殺されたファーストレディのジャッキーことジャクリーン・ケネディ(ナタリーポートマン)は、怒りと衝撃に震えていたが、悲しんでいる時間はなかった。すぐにジョンソン副大統領が新たな大統領に就任して激務を引き継ぎ、刻一刻と夫が過去の人になっていくのを目の当たりにしたジャッキーは、彼の名前と功績が後世に残るかどうかは、この数日間の自分の行動にかかっていると気付いたのだ。
自らの手で築き上げてきた<ケネディ伝説>を永遠にするために、ジャッキーは命の危険さえも顧みず、最後の使命に身を投じる──。(作品情報より)

ケネディ大統領が暗殺されてからジャッキーがホワイトハウスを出るまでにこんな出来事があったのかは知らなかった。
まずは、ジョンソン大統領の大統領就任の宣誓を暗殺されて半日もしないうちにしてしまうという事実に驚く。おなじみのピンクのシャネルスーツに身を包んだジャッキーがすぐその横に立ち会うのだ。ジャッキーのスーツには殺されていた時の血痕が飛び散っている。空白を作らないというのはわかるけど、ものすごい残酷なことである。


JFKの葬儀にあたっては、ジャッキーはこれまでに暗殺された大統領の葬儀の資料を取り寄せ、それを意識した葬儀をボビーことロバートケネディ長官とともにプロデュースしている。暗殺されたあと、周囲は警戒してジャッキーの希望を拒絶しようとするが、ジャッキーは押し通す。まだ小さい子供たちのけなげな姿を全世界に対して結果として強く印象付けた。


今回はアップの映像が目立った。血痕が飛び散った顔をジャッキーが涙ながらに拭いていく映像が印象的だ。ジャッキーを追うカメラのアングルもすばらしい。





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映画「ムーンライト」

2017-04-03 05:25:05 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「ムーンライト」を映画館で観てきました。


アカデミー賞作品賞となれば、すぐさま見るしかない。でも映画館は割とすいていた。ララランドと違いジャケットの華やかさがないからかもしれない。いじめの話と聞いていたが、確かに小さい時からいじめられ続ける。やるせないと思いながら、彼に対してやさしく接する麻薬ディーラーファンのやさしさに心を惹かれる。

高校生になると、いじめはエスカレートする。おいおい最悪だ。その時には優しくしてくれたファンはもう亡くなっている。でも親しいケヴィンは優しくしてくれているのだが、とんでもないことをいじめっ子がたくらむ。ここまではやるせない場面が続くが。。。直後大逆転する。

黒人が密集するドツボ地域で育った1人の少年の物語だ。


作品情報をそのまま引用してみる。
// リトル
シャロン(アレックス・ヒバート)は、学校では“リトル”というあだ名でいじめられている内気な性格の男の子。ある日、いつものようにいじめっ子たちに追いかけられ廃墟まで追い詰められると、それを見ていたフアン(マハーシャラ・アリ)に助けられる。フアンは、何も話をしてくれないシャロンを恋人のテレサ(ジャネール・モネイ)の元に連れて帰る。その後も何かとシャロンを気にかけるようになり、シャロンもフアンに心を開いていく。

ある日、海で泳ぎ方を教えてもらいながら、フアンから「自分の道は自分で決めろよ。周りに決めさせるな」と生き方を教わり、彼を父親代わりのように感じはじめる。家に帰っても行き場のないシャロンにとって、フアンと、男友達ケヴィンだけが、心許せる唯一の“友達”だった。


// シャロン
高校生になったシャロン(アシュトン・サンダース)は相変わらず学校でもいじめられている。

母親のポーラ(ナオミ・ハリス)は麻薬におぼれ酩酊状態の日も多くなっていた。自分の家で居場所を失ったシャロンは、フアンとテレサの家へ向かう。テレサは「うちのルールは愛と自信を持つこと」と、昔と変わらない絶対的な愛情でシャロンを迎えてくれる。 とある日、同級生に罵られひどいショックを受けたシャロンは、夜の浜辺に向かうと、偶然ケヴィンも浜辺にやってくる。密かにケヴィンに惹かれているシャロン。月明かりが輝く夜、二人は初めてお互いの心に触れることに… しかし、その翌日、学校ではある事件が起きてしまう。


/// ブラック
あの事件からシャロン(トレバンテ・ローズ)は大きく変わっていた。高校の時と違い、体を鍛えあげ、弱い自分から脱却して心も体も鎧をまとっている。ある夜、突然ケヴィン(アンドレ・ホーランド)から連絡がある。 料理人となったケヴィンはダイナーで働いていて、シャロンに似た客がかけたある曲を聴きふとシャロンを思い出し、連絡をしてきたという。あの頃のすべてを忘れようとしていたシャロンは、突然の電話に動揺を隠せない。 翌日、シャロンは複雑な想いを胸に、ケヴィンと再会するのだが―。


ドツボなエリアをうろついている少年がいる。友人たちのいじめに耐えかねて逃げ回って空き家に逃げ込む。そこを助けたのが麻薬ディーラーのファンだ。幼い時の自分にどこか通じるところがあると感じて、優しく接する。でも母親はよくは思わない。亭主はいない売春婦まがいの生活をしている母親は、麻薬中毒である。しかも、母親はファンの筋から薬を買っている。


それでも、少年シャロンはファンになつく。この時まだ小さいリトルことシャロンはファンとその恋人のテレサに何も話さない。目の前の出来事に対して呆然としている。そのまなざしがいい。この映画で一番印象に残るまなざしだ。いじめは万国共通だ。程度は別として永遠になくならない。

悪い映画とは思わないが、「ラ・ラ・ランド」を大きく超越する映画とは思えない。「それでも夜が明ける」同様黒人主体の映画が仕組まれてアカデミー賞になってしまったという感じがしてならない。白人と黒人のたすき掛けというのはちょっとどうかと思う。

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