気ままにフィギュアスケート!

男子シングルが好きです。

明子ちゃんとお母さん

2009-03-24 17:45:58 | 女子選手
NHKの明子ちゃん特集、ふるさと発ドキュメント「母にささげる氷上の舞」は本当に素晴らしい内容でした。いつものチュッキョフィギュアは3分番組なので番組全体をなるべく文字化してお伝えしていますが、この番組は25分もあるのでそれは無理というか、やる根性がありません。(汗)
動画もあるようですが簡単にご紹介と感想を。セリフ部分も話した全体の中の一部のみです。番組ではずっとMetisさんの「母賛歌」が流れていました。

まず拒食症の頃を振り返って。
明子ちゃん「二度と私は氷の上には立てないなっていうふうに自分でもう感じてしまっていたんですね」
お母さん「心の中で必死に守ってあげるってのが、あの時の私の気持ちですね」

明子ちゃんは毎朝豊橋の自宅から1時間かけて、職場であり練習拠点でもある名古屋の邦和スポーツランドに通っています。貸し靴コーナーで普通に働いている明子ちゃん。この映像はとても新鮮です。お客さんは余り気付かないそう。
練習は1日4時間、月曜以外は毎日です。

1日の練習が終わると、豊橋市内にあるお母さんが営む小料理屋に毎日向かいます。お母さんの作った夕食を食べ、本当に疲れた表情で「もう疲れた」と言う明子ちゃん。お母さんによると、「疲れたと10回ぐらい連発すると元気になる。息抜きの場」ということだそうです。
「疲れた」という言葉と一緒に疲れを吐き出していくんでしょうね。お母さんがそれを暖かく受け止めてあげているようです。
ちなみにお母さんの作るお料理は、お野菜たっぷり、お豆腐など体にいい食材を使った和食中心のとてもおいしそうなものです。

でも以前はお母さんは話を聞いてもらえるような人ではなかったそう。
明子ちゃんはスケートを4歳で始め、お母さんは試合には必ず駆け付けました。熱心さの余り他の子と比べたり、ジャンプが跳べなかったことを叱ったり、負けると2~3時間も説教をしたり。
明子ちゃんはどうして他の子と比べるの、と反抗の気持ちを持っていました。
高校時代は国際大会で優勝もし、お母さんからの期待は高まるばかりでした。

ところが仙台の大学へ進学し、1ヵ月で食べられなくなりました。原因はうまくならなければというプレッシャーと1人暮らしのストレスから。
体力がなくなって外出ができず、夜も眠れなくて睡眠薬に頼る日々。50kg近くあった体重は32kgまで減りました。摂食障害と診断され、実家へ戻ることになりました。

戻ってきた明子ちゃんを最初見たときはお母さんには大きな衝撃で、オバケと思ったそうです。でもそんなことはおくびにも出さず、普通に接しました。
でもやはり何も食べられない毎日が続きましたが、1ヵ月して豆腐やゆで野菜が食べられるようになり、お母さんは泣いて喜びました。
自分の夢を娘に託していたが、それが間違いだったと気付きます。スケートは自分のものではなく娘のものだと気付いたと語ります。

療養は4ヵ月に及び、体力が戻ってくると明子ちゃんは大学に戻り、スケートも再開します。
その後は2006年ユニバーシアドでは優勝、2008年NHK杯では2位。
「健康に楽しんで滑ってくれればお母さんはそれで十分だからって言ってくれるので。前より上手になったって言ってくれるその一言が私にはすごく嬉しいので」と明子ちゃん。

長久保コーチと2A-3Tの練習。本当に厳しく辛そうな練習です。
長久保コーチは今年のがんばりで来年の順位が決まる、四大陸の順位でGPSに出られる試合数が決まる、と明子ちゃんに言います。「わかってるよ」と微妙に反発気味の明子ちゃん。
長久保コーチ「技術的には直すものがないところまできている。(失敗は)本当に精神的なもの。余分な力を入れないで跳ぶかっていう問題だけだと思うので」
明子ちゃんの大会前の気持ちを落ち着かせてくれるのが「母賛歌」です。

四大陸出発の中部国際空港にお母さんは見送りに行きますが、今では試合前に「がんばれ」とは言わないようにしています。
大会期間中は余分なプレッシャーを与えてはいけないと、一度も連絡を取りませんでした。
帰ってきてからは、順位については何も言わず、ただがんばったねとねぎらいました。

お母さん「成績より、スケートがすべれればいい。彼女が元気にスケートを滑れることが私の幸せですから」

明子ちゃんは帰国翌日から練習します。次の目標は12月の全日本です。(約10ヵ月後のために翌日から練習!OPシーズンにオフは1日たりともないのですね)
「あきらめてしまったらそこで前にも進めないと思うので、自分を信じてまっすぐ進んでいけたらいいなって」

この番組を見て初めて、なぜ明子ちゃんが摂食障害を起こしたのか、なぜそれを克服し再び国際大会で活躍するところまで回復することができたのか、それが少し理解できたような気がしました。
これまでは彼女が病気を乗り越えてきた人だということは知識はあっても、その辺りが感覚的に理解できなかったのです。

昔を振り返って明子ちゃんのお母さんは自分を責める言葉を並べます。でも親なら子供に期待し、期待に応えてくれる子であればあるほどさらに過剰な期待をし厳しくしてしまうことは多いと思います。
明子ちゃんの病気を境に、彼女のお母さんは大きく変わりました。
それに応えるように生き生きとスケートを楽しみ、今まさに選手として大輪の花を咲かせようとしている明子ちゃん。今シーズン、彼女ほどお客さんの心を捉えた日本の選手はいません。
それも背後にいつも見守り、支え続けてくれるお母さんあってのことなのですね。

私の拙い省略しまくった文ではあまりお伝えできませんでしたが、素晴らしい内容でした。フィギュアスケートに興味のない人にも考えさせられることの多い番組だと思うので、たくさんの人に見てもらいたいです。
今回この番組を秀樹さんがお知らせくださったお陰で見られました。どうもありがとうございました!

韓国連盟からの回答

2009-03-24 17:45:42 | 女子選手
19日に日本の連盟が韓国の連盟宛に提出した、キム・ヨナ選手の報道内容についての調査を求める要望書の回答が昨日返ってきたようですね。

YOMIURI ONLINE
<回答では「金選手がテレビのインタビューの中で、特定の国、選手について言及したことはないことを確認した」と調査結果を報告、「(放送した)テレビ局も、その事実がないことを認めた」としている。>

時事ドットコム
<日本連盟が公表した韓国側の回答では、「スペースが限られたリンクでウオーミングアップをする時、周囲の選手によく気を付けた方がいいという一般的な状態を金妍児が言おうとしただけ」などと説明。最後に「われわれはこのような誤解が再び起きないことを望む」と付け加えた。>

ヨナ選手が言ってないと否定するならば、SBSが「日本の選手」と捏造したことになります。SBSは韓国国内でお詫びと訂正をきちんとしたのでしょうか。
問題は日本の選手を侮辱され、日本のファンが気分を害したことではありません。
今回のことは、一部の韓国ファンの過激な言動が予想されること、このような発言がジャッジや世界のフィギュアファンが日本の選手に対して悪印象を持ってしまわないかという危惧、そして何より日本の選手たちに余計なプレッシャーがかかって思い通りの演技ができないのではないかということなどを考え合わせて、悪い影響を心配しているのです。
そこまで考えると、ヨナ選手とSBSには韓国内の一部過激ファンを抑えるような発言・報道をする義務があり、世界に対しても同様のことをする義務があると思います。何と言っても何もないところに火種を撒いたのは彼らなのですから。
韓国連盟の「われわれはこのような誤解が再び起きないことを望む」という発言は、ヨナ選手とSBSに対して発せられたものであると信じます。

ヨナ選手の発言に対しての真央ちゃんの言葉。
産経新聞 スポニチ スポーツ報知
真央ちゃんにしてみれば当然の発言ですよね。フィギュアファンならわかりきったことですが、改めてこんなことを尋ねられる彼女の困惑が伝わってきます。
真央ちゃんとか大ちゃんとか、日本のトップ選手は若くても人間的にもできた人が多いです。日本人らしい美徳を強く持っているんですよね。

私は特に真央ちゃんファンというわけではないのですが、フィギュアを見ているうちに彼女のことは応援しずにはいられなくなりました。彼女のアスリートとしての真摯な姿勢に打たれました。
実はフィギュアファンになった当初はマスコミが余りにも持ち上げるので、心理的な距離を置いて見ていたんですけれどね。もちろん演技の素晴らしさ、美しさは最初から好きでした。でもフィギュア番組で余分な真央ちゃん映像が余りにも多いので、男子ファンとしてはおもしろくなかったものですから。全責任はテレビ局にあるんですけれどね。(汗)

世界選手権の会場では公式練習が始まっていますね。ヨナ選手には取材規制がかかっているようです。
スポニチ スポーツ報知