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間違った報道で失ったもの

2016-05-22 22:45:00 | ニュース
最近連続して、STAP細胞関連のニュースがネットに上がっている。一つは、ハーバード大学の特許のニュース、もう一つはドイツのハイデルベルク大学のニュース。

これらのニュースを見て思うのは、日本になぜ報道の冷静さがなかったのかという事。

欧米のマスメディアがどれくらいの誤報、どれくらいのゴシップをするのかわからないが、
小保方氏を徹底的に悪者にしたマスコミ報道は異常だったのは間違いない。
大した期間もなく、毎日新聞社の須田桃子記者が「捏造の科学者 STAP細胞事件」という本すら出版している。

この出版が2015年1月。論文発表は2014年2月。1年も満たないうちにこの出版をした「執念の恐ろしさ」はすごいものである。何の躊躇もない小保方氏のみを中傷する著書を出版したこの記者は何をしたかったのだろうか?

また、小保方氏を昼夜、場所に関わらず追いかけ倒したNHK取材班やNHKスペシャルでの報道も異常である。小保方氏に対する敵意すら感じる。そして、報道された内容には、情報を受け取るものに対して冷静で公平な判断ができるとは思えない「思い込み取材」と「思い込み報道」しかない。もはやこれは犯罪といっていいのではないだろうか?

「報道」にはある一定の保障がある。それは報道活動を委縮させてはいけないという社会のなかの合意があるからだ。

意図的でない場合の誤報などの誤りは「基本的には許される」もので、マスコミ報道はそういうある種の「特権」のようなものの前提で「報道の自由」が保障されている。

しかしながらこの保障は「ウソを報道してもいい」と言ってるわけではない。

意図的なウソ、誰かを貶める為のウソ、個人を攻撃することが目的の報道が行われた場合は、しっかりと「ごめんなさい、間違ってました」と言わなければ、マスコミがマスコミ自身に保障さされている特権を自ら放棄することにもなりえる。

報道の恐ろしさは、加熱し始めると「他社より先」が至上命令となり、断片と思い込みでスキャンダラスな内容のみを追いかける点にある。

事実がスキャンダラスなら報道してもいいのかもしれないが、ろくでもない取材、誘導した質問、どうとでもとれる証拠をならべ、自ら進みたい報道の方針にあう証言のみを採用し、合わない証言は報道に含めないというような、あきらかな誘導報道の場合は、新聞全面一面を使って謝罪するべきである。

これは、マスコミがマスコミ自身を守るために必要なのだ。


いわゆるネット民と呼ばれる連中のなかのアンチ小保方は、なんら事実も知らないで単なる一研究者に対する個人的憎悪感情をまきちらしているのだ。この連中がとんでもなく知能レベルが低かったとしても、まき散らした誹謗中傷には情報品質を表すタグはついていないから、事実と虚偽が等価に扱われてしまう。

これはネットの特性であるからそれはそれで結構だが、問題はそれをさらにマスコミが信じ込み明らかに取材が足りない部分をネット情報で補っている点である。

結果何が起きたか?

日本からSTAP研究の芽が消えたのだ。ハーバード大学、グーテンベルク大学が冷静に検証したような冷静さを日本から奪ったのだ。



マスコミのやった事による損失の大きさは計り知れない。


マスコミは報道の自由が保障されている。
だからこそ、思い込み、スキャンダラスなバリューを狙っての報道は徹底して排除しなければならないし、一度間違いを報道したならば、相応の「謝罪」をすべきだ。


「事実として信じた、若山教授の証言が・・・」などと言いそうだから付け加えておくが、証言する人物の背景(ウラ)もとらずその言葉を信用するなんていうのは、素人取材以外の何物でもない。

またこの一連の研究の実態を明らかにせず、すべての責任は小保方氏にあるかのような報道も、やはり取材が素人レベルでしかないと言える。実際の研究の肝心なところは若山氏が行っていたということが冷静に報道されていれば、小保方氏への一方的な誹謗もなかっただろうし、あれほど異常加熱した取材はなかったはずである。



マスコミは早々にこの姿勢を改めないと、日本の化学技術が世界から遅れること、若い研究者を潰すこと、マスコミ自身の保障を損なう事、報道の自由が脅かされること、報道があてにならず、ネット情報をあてにする人が増え、マスコミ自身の価値を自ら貶めることにつながる事など、とんでもない損失につながることを知るべきである。


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