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柴田淳の歌詞の魅力(2)

2015-12-25 19:09:00 | 音楽
さて、柴田淳さんの歌詞の素晴らしさについて続けると、
次にあげたいのが「後ろ姿」という歌。
これは「紅蓮の月」のカップリング曲ではあるが、そのタイトルから想像できる通り内容はと言えば、複雑な片想いの感情をどストレートに表現している。

曲の頭から最後までぜーんぶそのまま微妙な片想いの内容なので歌詞の一部だけを取り上げるのはとても難しい。なんか違う。
でも仕方がないから、ちょっと取り上げてみると。

例えば、歌いだしでいきなりこんな具合だ。

「正確なこたえならば、最後まで、聞けなかった」

この出だしで、なんとなく付き合いが始まったけど、2人の間に「恋人」としての確からしさが無かった事がわかる。

その後には、彼の冷たい行動がいくつか並んで行くが、その間には彼女の不安がそのまま表現されている。

「離れていきそうなあなたのシャツの裾強く握った」

「隣で微笑んでも、微笑み返してくれない」

「答えはとうにわかってるのに、どうして さよなら言えないの? 大嫌いこんな私」

もう、完全に心がない彼とまだ信じていたい彼女のそのままの歌である。

そして、

「明日のいいことも、昨日の夕立も
一番に伝えたいのは、
いつだってあなたしかいないの」


「愛してる人に愛されたかっただけ
あなたとなら 私だって幸せになれる気がして」

と、そんな重い要求はしてないのに…という女子らしい心情を吐露し、最後は、


「明日の雨音も、昨日みた夢も
一番に伝えたかった、
いつまでも、誰よりもあなたに」


と、「伝えたい」から「伝えたかった」とあきらめの感情で終わっている。

もう魔術師だろうこれは。

絵画で言えば、フォービズム(野獣派)のようなタッチで描かれた切ない女性の片想いの物語。






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