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滑舌の練習

2007-07-22 00:55:51 | 芸能
 アナウンサー志望の人や俳優志望の人がどうしても避けて通れないのが滑舌の訓練である。

 訓練を受けた人と受けていない人では、やっぱり言葉の明瞭さが全く違う。しかし、どのようにすれば滑舌が良くなるのか?をごくごく丁寧に解説した本があまりにも少ないし、ネットでもやっぱり無い。

 そこで、ちょっとしたコツをお伝えする。

 一口に滑舌といっても、早口言葉ができればいいと言う物ではない。アクセント(イントネーション)、子音の無声化、鼻濁音もきちんと出来ていないとダメ。たとえば、瓜売りの早口言葉の場合。

 「瓜売りが、瓜売りに来て、瓜売り残し、売り売り帰る、瓜売りの声」の場合、瓜と売りは、アクセントが異なる。

 「菊栗、菊栗、三菊栗、合わせて菊栗、六菊栗」の場合の菊のキは、無声化しなければならないなどなど。簡単じゃない。

 そういった中で、アナウンサーも言いにくい言葉がある。これはトリビアの泉でも話題になったようだが、「高速増殖炉もんじゅ」、「手術中」、「貨客船万景峰号」、「取りざたされる」、「白装束集団」、「出場」、「栃乃洋」、「老若男女」、「暖かく」、「火星探査車」がそれだ。

 この単語だけならまだ何とかなるかも知れないが、文章中に出てくるとかなり手強くなる。

 「主人は手術中の為、出場できない。主治医は手術のベテランだ。」
 「大相撲、栃乃洋などらが出場。」
 
 こんなのもある。

 「有為雄(ういお)の見誤りをお哀れみ」
 「厩の生わら、生濡れわら」
 「書写山の社僧正、今日の奏者は、書写じゃぞ、書写じゃぞ」

 「この杭の釘は、引き抜きにくい、抜きにくい釘、引き抜きにくい釘」

 
 などなど。


 さて、この攻略法だが、おおよそ殆どの(拗音・チャ・キャ・シャなどの音以外)言葉は、母音だけ発声して練習すればかなり楽に攻略できる。

 「有為雄(ういお)の見誤りをお哀れみ」などは、「ういおお、いあああいお、おああえい」と何度か練習してからやってみればビックリするぐらい簡単にクリアできてしまう。またこのとき、母音だけの時と、子音も発声した時の口の開け方の違いをしっかり意識するといい。子音を発声して上手く言えない時は、大抵口の開け方が足りない。

 やっかいなのが拗音。これはいろいろ探しても攻略方法は載っていない。たとえば「手術中」で引っかかる場合(自分もそうだが)の対策はどんな本にも載っていない。自分なりの攻略方法は次の通りだ。

 「しゅ、じゅ、つ、ちゅー」あるいは「SHU,JU,TSU、CHU-」と一音ずつ分けて練習し、それから、しゅじゅつの”つ”をかなり意識して強く言う様にしてみる。かなり強く言おうとしても、強くならないから大丈夫。

 慣れないうちはどうしても、「しゅ、じゅ、ちゅ、ちゅー」になるから、「じゅ」のあとの「つ」が「ちゅ」にならないように、「つ」に意識をしっかり置いておきたいから、意識的に「つ」を強く言おうとすると、かなり改善される。

 ちなみに「さ・し・す・せ・そ」をきれいに発音したいときは、子音の発音時に前歯を合わせるようにするとよいそうだ。ただし、「し」の時は、少し前歯を前後にズラして、上の前歯を前にするイメージ、発声するときれいに聞こえるらしい。

 「ら行」の音が「だ行」の音と区別がつかない場合などもあるが、これは完全に舌の長さが影響する。「だ音」も「ら音」も舌が上あごに付くが、この付き方(つく位置ち、つく強さ、ついてから離れるまでの速さ)などを意識的に掴む必要がある。

 これに苦労している人は、たとえば、「だ」といいながら、その発声時の舌の位置を変えてみれば分かる。普通に「だ」と言うとき、舌は比較的上あごの前側に付く。「な音」は上あごの前歯裏と前歯裏の歯茎に舌が付く。「だ音」は、前歯には付かないが、でも、上あごの前方なのは変らない。この「だ」を発声しながら徐々に舌の付く位置を後ろにずらしていくと、なんと不思議なことに、「ら音」になる。これが極端になると、いわゆる巻き舌になる。

 アナウンサーは、「ら音」が巻き舌にならないようにと指導されるから、「だ」と「ら」の舌の位置は極端に変らないが、でも音は明確に違うことが必要だ。舌の長さが違うと位置も変るのでこれは個人で最適な位置を見つけるしかない。

 ら行音の練習は

 「陸路にリレーされている連絡船に乗らなければならない。」
 「室蘭のリラなどの花束が、団十郎らに贈られる」

 「ら」と「な」と「だ」の組み合わせだ。明確な舌の位置の意識と、母音発声方法で練習すれば解決できる。



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