18年にもなりますか

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もの言わぬ客

2005-06-27 02:17:54 | 風景
▲マクドナルドの一人掛けテーブル。椅子が固定されていて座るのに苦労するが、電源も配置されていて、モバイラーや携帯の充電には事欠かない。

先日JR新大阪駅にあるマクドナルドに立ち寄った。もしかしたら1年以上ぶりなのではないかというくらい久しぶりである。

 そのマクドナルド。以前利用したときとは異なり店内が改装されていてコンパクトにまとまって機能的になっていた。基本的にファーストフードの店は、同じようなテーブルが配置されているのだが、JR新大阪駅店の場合は他店とはちょっと違っていた。その違っている点とは、まず喫煙、禁煙のエリアが明確にモノトーンの店内デザインで分けられていたことと、そして、一人掛けの個人席がしっかり用意されていて、しかもその席には100V電源が用意されていて、特定の利用者を想定したものになっているのだ。その個人席はちょっと私には着席するのに狭かったが、まあもともと狭い店内だから仕方ないかと我慢して利用した。

 その店内の改装ぶりに関心していてふと感じたのは、一体誰がそういう店内にしようと言い出したのか?ということだ。

 店内改装には費用がかかるから、一般には売上が悪いとか、客離れが起きているという現象を把握して、その対策として店内改装が妥当と判断されて行なわれるものだが、今回の改装はどういうところから出たのだろうかと考えた。

 日本マクドナルドは低価格路線が仇になり、業績面での回復が待たれるが、JR新大阪駅店の利用者は場所がら多い筈である。新幹線に乗る前の15分で軽くバーガーを調達するのに丁度いいロケーションにある。それでも改装するというのであれば、低価格戦略で狙った顧客増に至っておらず、もっと多くの利用者の確保が必要だということが背景にあると考えられる。

 実際に利用しているお客が店に対してどうこう言ったわけではないが、マクドナルドが考えたのが分煙と、一人掛席の増設と、座席毎に電源を置くことだったということになる。

 お客は何も言ってないが、店に来たお客が店で何をしているのかをしっかり見て考えたのだろう。それが正解かどうかはわからないが、いずれにしてもモノを言わないお客から聞こえてくる「要望」を拾った例だと思う。

 さて、企業活動ではこのような「モノを言わないお客」が何を言わんとしているのかを常にウォッチして、拾いあげてそれを商品やサービスにつなげることが必要とされている。一言で言ってしまえば簡単だが、しかし、その為には本当にきめの細かい観察と裏付けデータが必要になる。店の改装ひとつとっても入念な観察が背景にはあるはずだ。

 果たしてそこまでの細かい対応が自社でも出来ているのか、ちょっと心配になった。