ツークラ関東GUMI

ツーリングクラブ関東GUMI

バイク好き、ボルティー好きの仲間が集まって作ってます。
元Volty関東組

決戦前夜

2008年11月02日 | けんたの部屋
その日の空からは、いつ泣き出してもおかしくない感じだった。



後30分でさん太さんが来る時間だから、ばーちゃん家へボルティを取りに行く。
ばーちゃん家までは2分かからないくらいだけれど、ちょうど2/3くらいきたところで、ポツリときた。
「すぐにやむだろう」と都合よく思うけれど、そうはいかなかった。
雨脚が強くなってきたよ。
パワーフィルターにしてあるから、雨に濡らすのは避けたい。
取り敢えず様子を見ることにして、家へ引き上げる。

しばらくしてさん太さんより
「雨宿りしていたので、多少遅れる」
とメールがきたよ。
もう少しで着くのに。
空を恨めしく思う。



予定より少し遅れて、さん太さん到着。
思ったより早く着きそうだったから、ファーストフード店で朝ご飯にしていたら、いつのまにか雨が降っていたとの事。
無事に着いて良かったです。




今日は秋の筑波TT前日。
さん太さんが最終セッティングを実施するために来てくれたのに、空からはあいにくの雨が落ちてきている。
お茶を飲みながらかなりの時間をつぶしたけれど、午前中には雨は上がらず、仕方なしに午後から外装をレース仕様に換装する。




作業中、会社から電話が来て真っ青になる。((((゜д゜))))
いつかの再現で、直前キャンセルなんてコトもあり得るからね。
トラブルはトラブルだけれど、電話対応で何とかなったよ。
それにしてもかなり焦った。



レース仕様にするにも、二人いると早いね。
キャブも少しいじってもらったよ。
セッティングは大まかだから、明日現地の状況をみて決める事にする。

僕は前日の夜から現地入りし、さん太さんは朝早く掛けつけてくれる予定だ。




夜になり、ボルティや荷物を積み込み、出掛ける寸前にネットで首都高の状況を確認すると…。
夜なのに箱崎とか渋滞してるよ!
少し時間がかかると覚悟して出発。
が、首都高はどこも渋滞しておらず、普通に走れた。
ラッキー。



いつもに宿に入る。
毎度の事だけれど、着く頃には宿の人達はもう寝ている。
いつも泊まる部屋は1階の和室と決まっていて、今日もそうだろうと思いきや…。
2階の洋室となっていた。
なっているのは構わないのだけれど、この宿に初めて2階があることを知ったよ。
だから部屋はおろか、2階の上がり方が分からない。


さて困った。
廊下をウロウロするも、階段はない。
しばらく考えた末、宴会をしている人達に聞いて、階段のありかがやっと分かった。
一安心。

部屋に入り、コンビニで買ってきた団子を食べて布団にもぐりこんだけれど、なぜか中々寝つけない。
遠足前の子供か?
割りと長い時間、布団の中でゴロゴロした揚句に、
「寝たかな」と思った頃には起きる時間だった。



さん太さんと約束した6時少し前。
外に出ると、さん太さんがタバコに火をつけるところだったよ。




空が抜けている分、気温は低い。
僕の住んでいるところでは朝露を見る事がないけれど、今日は朝露を久々に見れた。
これから冬に向っていくんだね。




サーキットへ入り、ピットクルーとライダーの登録を済ましてから、ボルティを降ろしてパドックへ入る。
いつもの場所に陣取るとすぐに、fukuさんとたぬきさんが来てくれた。





7時30分
車検が始まる。
みんなに手伝ってもらい、無事に終わったよ。

予選に向けて調子を見るのに、暖機場で少し走らせてみる。
僕はこんな物だと思ったけれど、さん太さんは再調整しようと言う。
前回言う事を聞かなくてエライ目に遇ったから、今日は素直に賛同したよ。
ライダーなのに少しの不具合に気が付かないんだよねぇ。
ボルティの車体と一緒で鈍感だ。




9時30分
予選が始まり、3番目にコースに入る。
さん太さんが色々データ―を集めてくれていて、水色のボルティのライダーがすごいらしいと聞いてきたのだけれど、その気になる水色のボルが1番手で走ってる。
データ―を取るチャーンス!!


タイヤを温めるため、各車ペースは遅い。
離される速度じゃない。
しばらく隊列を崩さず回るが、3周目に2番手を走っていた選手が一番前に出た。
水色もそれに続くと思っていたら…。




後をみて前に行かないよ。
僕も前に出ない。

……。

……。

ず―っとタイヤ温めペースだねぇ。


さて、どうしよう。
ちょっち躊躇するも、エンジンも様子見だし、遅かれ早かれ勝負はしなきゃだから、思いきって前へ出る。
と、水色もペースアップ。
お互い相手の手のうちは見たいんだね。




割りとまじめに走っているものの、水色を引き離せない。(@_@)
相手は間隔を詰めもせず、離しもせず。
ペースは極普通で、決勝ではトップ争いできないペース。



予選も半分くらい過ぎた辺りかな。
水色に第1コーナーの突っ込みで前に出られた。(・_・;)
やっぱりここがウィークポイントだねぇ。

前に出られたからといって離されるわけでもなく、僕が前を走っているよりペースは速いけれど、十分に付いて行ける。
本気じゃないのかな?
本気じゃないとしても、僕より早い事は確実だから、本戦では食らいついていかなきゃ。



後塵を拝しているとはいえ、心情としては隙があれば前に出るつもりだ。←予選なのに
コーナー入口でラインを変え、前へ出ようと画策する。
勝負している感じいっぱいの走りは久しぶりだよ。
楽しい!!

結局前出る事はできなかったけれど、楽しい予選だったよ。




予選の結果は水色に次いで3番手、0.1秒遅れだった。←1位とは0.4秒遅れ
上出来だね。



ここから本選までかなりの時間が空く。
エンジンが冷えるのを待って、少し調整だ。

調整を終えると、特にやる事はない。
ウロウロして、顔見知りに声を掛けたり、初めて参加するライダーと話をしたりしてみる。
特に今回は専門学校のチームがいて、おっさんばかりのレースだから、若いおにーちゃん(おねーちゃんでも可)が参戦してくれるのは非常にうれしい。もし、このレースに参加してみたい人がいて、でも教えてくれる人がいなくて困っている人がこのブログを見ていたら、サーキットで是非声を掛けてもらいたい。
ノウハウについて、可能な範囲でお話させてもらうので、どんどん質問して欲しい。



予選が終わってからも、いっぱい応援に来てくれたよ。
TTお茶会では最大人数だ。
お祭りだから、人がいっぱい集まってくれるとうれしい。



TTの予選と決勝の間に、NS2の2時間耐久レース入ってる。
これのおかげでかなりの待ち時間だよ。
偶然ピット上の観覧席に上がると、ちょうどスタートの時間だった
ル・マン式スタートで始まるこのレース。
足の早さも少しは順位に関係するのかな?
予選1位がかなり遅れて発進してる。
耐久だから逆転のチャンスはかなりあるけれど、スタートの出遅れは、精神的にダメージがあるね。




11時45分
お茶会集合の時間。
食堂へ行くともうみんな注文していた。
僕は肉うどんにしたけれど、周りを見るともつ煮を食べてる人が多いよ。
「そっちにすれば良かったなぁ」とも思うけれど、筑波へ来ると、なぜかうどん類を頼んでしまう。
緊張なのかもしれないけれど、食欲があまりわかない。
なんてナイーブな僕。←小心者

食事をしながら少し話しをして、
さん太さんと2人、みんなより一足先に陣地へ戻って昼寝をすることにする。
朝早かったからね。


アスファルトの上に横になりながらも、耳は2時間耐久の実況に向いてる。
第3ライダーに交代してから、ものすごい追い上げをしてるチームがあるみたい。
タイム差を計算すると、1位にはゴール前に十分追いつく。
さん太さんも同じコトを考えていたみたいで、「追い上げているチームが逆転しそうですね」と話してきた。
でも実際には、僕なんかが思ったよりも早く1位の後に張り付いた。
すごいね。
汚れた英雄みたいだ。
追いついて、簡単にパスすると思っていたけれど、ここに来て1位も頑張っているらしく、抜いたと言う実況はすぐには聞こえてこない。
勝負は最終周まで続き、ゴール寸前で逆転したようだった。





1時くらいに起きだし、決勝の準備を始める。


少し早めに、スタート前チェック場で待機。
ホントに早すぎて、1番乗りだよ。
でも関東組のみんなが付いていてくれる。
心強いね。

スタート前チェックを受け、コース入場の待機位置まで前進。

時間になり、さん太さんと二人、コースに入る。



歩きながら思う。
何度見ても広いなぁ。


この光景を何度見ただろう。
かなり筑波には通っているけれど、
レースに出なきゃ中々見れない光景。
いつ見てもうれしい。



選手紹介の後、エンジンスタート。
握手して、さん太さんはコースから出る。





さて、スタートはどうしよう。←いまさら?!
普通に発進するか、回転数上げておくか。
周りはブンブン言わしてる。
回転は上げるけれど、少し控えめにしよう。←特に意味はないよ



フライングしないように、リアブレーキを踏んでおく。
スタートが遅れないように、合図の日章旗へ目を凝らす。






「バッ」と音が聞こえる気がした。
クラッチを繋ぎ、少しでも前へとアクセルを開ける。



ヒャッホー!!
今回のスタートは調子良いよ!
前の2台にグンと近づく。

グリッドの順番通りに、第1コーナーへ進入する。
あわよくば1台くらい抜きたかったけれど、そうはいかなかったね。



立ちあがり。
予想以上に先頭が前に出てる。
前半は様子を見て…、なんてコトは言っていられなくなった。
得意と思っていたインフィールドで差が詰められない。


第2ヘアピンを立ちあがり、バックストレッチに入ると、先頭は一段と離れていく。
僕のボルも予定通りの加速をしているのだけれど、立ちあがり方が悪いのかな?



最終コーナー。
水色との決定的な違いが分かる。


進入は同じ速度だと思う。
中間も。
出口が決定的に違う。
出口で車体をコントロールできずに、アクセルを開けられない僕に対して、水色は上手い具合に、僕より2本も3本も内側のラインで加速していく。
ここで少しづつ離されていき、取り戻しの効かない差となっていった。



リアサスのストロークがかなり深くなっていたのは気になっていたけれど、大丈夫だろうと放っておいた事を後悔する。
多分これも、コントロールしづらい原因のひとつだと思う。←腕の問題が一番だけどね




タイムも上がらないどころではなく、下手すれば4位に追いつかれようかと言うくらいのタイムしか出ないよ。



3周目の第1コーナー。
出口に向ってより倒してみる。

コーナリング速度を少し上げたことと、タイヤがまだ温まりきっていなかったせいか、このときにフロントがかなり滑る。
滑ったとはいえ、強力なグリップのおかげでコケなかったけれど、ちょっち真っ青になる。

ここで気力を落している場合ではないので、目を三角にしてアクセルを開ける。
でもねぇ、近づかないのよ。
第2ヘアピンまで来ると、先頭の姿がよく見えるようになるけれど、
1位2位との差は少しづつ広がることはあっても、なかなか縮まらない。


それとね、なぜか予選より本選の方がタイムが出ないのよ。
困ったね&おかしいね。
予定では今ごろ、トップと激しいバトルを繰り広げているはずなのに。




これはいつもの事といえばそうなんだけれど、かなり由々しき問題だ。
プレッシャーに弱いねぇ。精神的にも修行しなきゃだよ。

Pラップにタイムが出るたびに泣けてくる。





第2ヘアピンで前車2台を視界に入れつつも、差は縮まる事は最後までない代りに4位に追いつかれる事もなく、10周のレースは終わった。



前回に続いてまた3位。
無事にチェッカーくぐれたから良しとしたいものの、このまま3位が定位置となっては非常に困る。
次回こそは優勝したい!





色々ハンディはあるけれど、今回も無事に走りきれました。
これも関東組のみんなを元とする応援(特に筑波まで来てくれた方々)と、さん太さんの飽くなき研究と絶え間ないセッティングのおかげです。
この場を借りて改めて御礼を。
ありがとうございました。

次回のレースは夏になります。
春もあるのだけれど、寒くて練習に行かないので出ません。

こんな僕だけど、次回も応援よろしくね(はーと)。
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