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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

バレエ 『白鳥の湖』 マリインスキー劇場バレエ団(2006年6月)

2007年01月02日 | バレエ

             “Sidewalk along the School”


先日、NHKでバレエ『白鳥の湖』が放映されていました。マリインスキー劇場バレー団が2006年6月にロシアで公演したもので、時間は2時間ほど。

バレエのDVDは定価では5千円前後しますし、レンタルにもほとんど置いてありません。私はたまに図書館の視聴覚ブースで視ることがあるのですが、それも最近は予約者が一杯で利用できないし、やはり図書館ではリラックスはできません。

なので、こうやって自宅のテレビでバレエを観ることができるのはとても貴重な機会です。ちゃんとビデオに録画もしました。

主役のオデット(オーディール)を演じたのは、ロバートキナというダンサー。とても有名な人だそうです。

見ていて感動したのが、群舞のきれいさ。最初のジークフリート王子の誕生会では、シンプルな舞台で飾りつけなどはほとんどなく、肌色の光が舞台を覆います。そこに、軽い感じの肌色の長く細いドレスを着たバレリーナたちが踊るのですが、そのドレスのシンプルできれいなシルエットが群舞で余計に映えてきれいに映ります。

湖で踊る白鳥役のダンサーたちも、本当にすべてのダンサーが主役の輝きで、見ているこちらも夜の湖にいるような気分にさせてくれるのです。

ロシアのバレリーナはみんな華奢なのかな。女性のダンサーたちはみな小柄で、腰が驚くほど細く、見ていて折れてしまいそうなのですが、そのダンサーたちがみな素晴らしいステップを踏みます。


以前ある振り付け監督が、周りと調和して踊る群舞にこそバレエの醍醐味があると言っていました。ダンサーたちにとってはそれでも主役をやりたいのでしょうが、見る者にとっては、いつも群舞は楽しみです

また宮廷の場面では、キャラクターの役割で道化師を演じる男性ダンサーがいるのですが、彼の踊りも見事でした。体型はずんぐりむっくりで、見た目にはバレエダンサーには見えないのですが、それだけに舞台では目立ち、キャラクターとして非常に目立ちます。

他に印象的だったのが、悪魔役のダンサー。とても力強くてダイナミックな踊りをします。彼と主役の王子との対決では、勝つのは王子なのですが、悪魔や役の人の一挙手一動がとても迫力があります。


私は『白鳥の湖』はヌレエフとマーゴ・フォンティンのものを見たことがあるのですが、おそらくテクニックの面ではやはり現代のものの方が上なのだと思います。

ただ、役へのなりきりという点では、ヌレエフのほうが情熱的・陶酔的に王子になりきっていたように思います。

これは、最後悪魔との対決に破れ姫と別れなければならない旧来のバージョンと、最後にハッピーエンドで結ばれる今回のバージョンの違いかもしれません。こちらの先入観として『白鳥の湖』は悲劇だという思い込みがあるのですが、今回のバージョンのように最後に王子が白鳥と結ばれるという設定では、悲劇性が薄れ、それだけドラマとしてこちらが感情移入できる側面が薄れているように思えます。

ただ、主役のロバートキナと王子役の男性は、どちらもスタイルが9頭身ぐらいありそうな完璧な体型で、詳しいことは私には分かりませんが技術的にも完璧なのだと思います。とても美しい踊りを披露してくれます。

とりわえロバートキナは、振り付けが他のダンサーと違うということもあるのでしょうが、一つ一つの手の動き・脚の動きが、人間とは違う本当の白鳥に見えてきます。

超一流のバレエ団ですから、どんなに端役の人でもすごい技術を持っている集団だと思うのですが、やはりロバートキナは立ち居振る舞いにしても、単にじっと立っている姿にしても、オーラが出まくりなのです。


涼風

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