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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

バレエ 『チャイコフスキー: 《白鳥の湖》』

2006年08月19日 | バレエ
DVDの『チャイコフスキー:バレエ《白鳥の湖》』を観ました。

映画『エトワール』を観て以来、バレエ関連の映像をちょこちょこ観てきたのですが、本格的な、つまり一幕から最後までの作品はやっと初めて観ました。

この『白鳥の湖』は主演がルドルフ・ヌレエフマーゴ・フォンテイン。ヌレエフは旧ソ連時代に1961年に西側に亡命した伝説的なダンサーということです。

白鳥オデット役のマーゴ・フォンテインという女性は、ヌレエフの亡命後に彼とコンビを組んで数々の名演を残したそうですが、びっくりなのがその年齢。ヌレエフ亡命時に彼が23歳だったのに対し、彼女はそのときすでに42歳。

バレエ団のパリ・オペラ座を取材した『エトワール』では、女性ダンサーは40歳で引退することになっていると団長が語っていましたが、このフォンテインと言う人は、普通なら引退を考える年齢でヌレエフとコンビを組み始めたそうです。

このDVDは1966年の舞台ですから、ヌレエフ28歳、フォンティンは47歳です。

この舞台でヌレエフは主演だけでなく振り付けも担当しているそうです。おそらく一流のダンサーが集う劇団で、主演を務めるだけでなく、振り付けも行うのですから、28歳の青年が何十人も参加するプロジェクトをコントロールしているんですね。

よほどずば抜けた才能を彼がもっていたということなのでしょう。

技術的に他のダンサーよりどれほど凄いかは僕には分かりません。ただ素人でも、あるいは素人だからこそ、ヌレエフとフォンティンには一種の“華”があり、オーラが漂っていることが分かります。

またヌレエフの鋼のような肉体が踊るとき、触れると切れそうなその動きは限りなくシャープで、空気を切り裂いていくようです。

『白鳥の湖』はダンサーの教科書のような作品なのでしょうが、観ていても、時々ドラマの展開とは関係なく、“バレエとはこういうもの”というような踊りを、とりわけ群舞で見せてくれているような気がします。

私はとくに第四幕での白鳥たちの群舞の動きと、そこに絡むオデット姫とジークフリート王子の踊りが好きになりました。

66年の映像ですが、DVDだからか、とてもクリアな映像で違和感は全然ありません。私は映像も音響も全然気にしない性質ですけど、チャイコフスキーの音楽も聴いていて弾む感じでとてもよかったです。


涼風



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