『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』という映画を観ました。製作されたのは2001年のアメリカ映画です。
軽いタッチの恋愛映画。といってもポイントは恋愛そのものよりも恋愛とセックスが人々の人生にとってどういう重みと意味を与えていくかを、男女十人近くの登場人物の糸の絡まるような関係を通して描いています。
ひとつひとつのエピソードはとても類型的。でもそれだけにどれかのエピソードは自分にも当てはまると感じる人はとても多いのではないかと思います。
この映画の個人的な発見はヘザー・グラハムの演技でした。彼女はその容姿からどうしても“かわい子ちゃん女優”に見えてしまう。その彼女は今回24歳でセックス経験の少ないままミドル・クラスの歯科医と結婚した29歳の人妻を演じています。
お嬢さんで自分を守ってくれそうな男と結婚したけれどどこか満たされない、そんな人妻のよくある雰囲気が出ていました。今まで見た彼女の映画の中では異色の役柄。他の映画ではいつも活発な女の子の役ばかりだけど、若くて美人だけど欲求不満な女性を上手く演じています。これは彼女の出演作ではかなりリアルな演技だと思います。この映画が撮られたのはもう4年前。その後のキャリアでは『キリング・ミー・ソフトリー』や『踊るマハラジャ★NYへ行く 』といった非現実的な映画を観ると、彼女の容姿をそのまま利用したような安易な映画にばかり出演している(この二つともそれなりに彼女の魅力は出ているのだけれど)。
でも本当は、この『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』のような普通の日常(?)を描いた映画のほうが向いているのじゃないだろうか。
涼風