さっきまでの、あの穏やかで、そして心地よい風は一体なんだったのだろう?
青い空と、爽やかな微風と、頬を照らす太陽の光、あれはなんだったのだろう?
県営名古屋空港発13:15FDA335便の飛行機から眼下に眺める風景は、余りにも様変わりしていて、まるで夢でも見ているみたいだ。
たった80分間で、こんなにも周りのすべては一変してしまうのか・・・。
今日の午前中は、暖かい太陽の下、名古屋市内をタクシーで周って仕事をこなした。
あんなに名刺入れに詰め込んだ名刺が、もう2日間でほとんどない。何人もの人に会い、何人もの人と名刺交換をした。判らなくなるほどだ。
そして仕事を終えて帰路に着く。
早い。本当に早い。
一日はすぐに過ぎ去り、あっという間に名古屋市周辺を巡る仕事の旅も終わってしまった。
今、眼下に見えるのは、凍えそうな雲と、そこから覗く荒んだ原野、ただそれだけだ。
しかも、白い粉を塗(まぶ)したように、雪が山間部に薄っすらと積もっている。
初雪が降ったのだ、街に。
それにしても、何て憂鬱な雲なんだろう。
気が滅入る。
青森空港に定刻より5分も早く降り立った飛行機から出た瞬間、身震いするほどの寒さに包まれた。
寒っ。
まだ車のタイヤ交換もしていなかったので、空港から坂道を下る際には少し緊張した。
前を走っていた仙台ナンバーの自家用車は、悲鳴を上げるようにして路肩に停まり、そこから一切動かない。
こっちは、それでも恐る恐るスリップしないようにギアをセカンドに入れたまま、ゆっくりと車を走らせた。
なんで、今、雪なんだよ。ツイてないな。
それでも街中に入ると、雪は全然積もっていなかった。濡れた車道は雨が降った後のようだ。
出張した一人が同じ方向なので、家の近くまで送り、そこから家の車庫を目指した。
吐く息が白い。
遠くへと出掛け、そこから自分の住む街へ帰ると、何故か胸がきゅんと締め付けられる。
どうしてだろう?
また同じ日常が始まり、いつもと変わらぬ生活が繰り返されてゆく。
そのことに対して怯えるのだろうか。
飛行機に乗っている間もずっと、「このまま急降下したら、気を失って痛みも苦痛もなく死ねるのかなあ・・・」と、そんなことばかり考えていた。
帰りたくない。
否、帰りたくなかった。
そのまま何処かにふらっと消える事が出来たら、どんなにか幸せだろう。そんな事も考えていた。
この街は嫌いだ。
でも大好きだ。
だから一番愛する、そして一番嫌悪する、そんな街なのだ、この生まれた街は。
夜になる。
電話が入り、市内の歓楽街にある某料亭へと向かった。
気の合う何人かの仲間たちとの会食。そして懇談。それはそれで愉しいひととき。
1次会で帰ることに。
疲れている。
それにしても寒い。
氷雨が顔を打つ。
寒いな、この街。
ほんと寒い。
青い空と、爽やかな微風と、頬を照らす太陽の光、あれはなんだったのだろう?
県営名古屋空港発13:15FDA335便の飛行機から眼下に眺める風景は、余りにも様変わりしていて、まるで夢でも見ているみたいだ。
たった80分間で、こんなにも周りのすべては一変してしまうのか・・・。
今日の午前中は、暖かい太陽の下、名古屋市内をタクシーで周って仕事をこなした。
あんなに名刺入れに詰め込んだ名刺が、もう2日間でほとんどない。何人もの人に会い、何人もの人と名刺交換をした。判らなくなるほどだ。
そして仕事を終えて帰路に着く。
早い。本当に早い。
一日はすぐに過ぎ去り、あっという間に名古屋市周辺を巡る仕事の旅も終わってしまった。
今、眼下に見えるのは、凍えそうな雲と、そこから覗く荒んだ原野、ただそれだけだ。
しかも、白い粉を塗(まぶ)したように、雪が山間部に薄っすらと積もっている。
初雪が降ったのだ、街に。
それにしても、何て憂鬱な雲なんだろう。
気が滅入る。
青森空港に定刻より5分も早く降り立った飛行機から出た瞬間、身震いするほどの寒さに包まれた。
寒っ。
まだ車のタイヤ交換もしていなかったので、空港から坂道を下る際には少し緊張した。
前を走っていた仙台ナンバーの自家用車は、悲鳴を上げるようにして路肩に停まり、そこから一切動かない。
こっちは、それでも恐る恐るスリップしないようにギアをセカンドに入れたまま、ゆっくりと車を走らせた。
なんで、今、雪なんだよ。ツイてないな。
それでも街中に入ると、雪は全然積もっていなかった。濡れた車道は雨が降った後のようだ。
出張した一人が同じ方向なので、家の近くまで送り、そこから家の車庫を目指した。
吐く息が白い。
遠くへと出掛け、そこから自分の住む街へ帰ると、何故か胸がきゅんと締め付けられる。
どうしてだろう?
また同じ日常が始まり、いつもと変わらぬ生活が繰り返されてゆく。
そのことに対して怯えるのだろうか。
飛行機に乗っている間もずっと、「このまま急降下したら、気を失って痛みも苦痛もなく死ねるのかなあ・・・」と、そんなことばかり考えていた。
帰りたくない。
否、帰りたくなかった。
そのまま何処かにふらっと消える事が出来たら、どんなにか幸せだろう。そんな事も考えていた。
この街は嫌いだ。
でも大好きだ。
だから一番愛する、そして一番嫌悪する、そんな街なのだ、この生まれた街は。
夜になる。
電話が入り、市内の歓楽街にある某料亭へと向かった。
気の合う何人かの仲間たちとの会食。そして懇談。それはそれで愉しいひととき。
1次会で帰ることに。
疲れている。
それにしても寒い。
氷雨が顔を打つ。
寒いな、この街。
ほんと寒い。