淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「コールドプレイのサードアルバム『X&Y』は、途轍もなく美しい音を紡いでいる」

2005年06月08日 | Weblog
 夕暮れの風。透き通った薄青色の空。
 沈む橙色の太陽と、寂しそうに出番を待っている冷たい月のかけら。
 
 僕は、コールドプレイのサードアルバム「X&Y」を静かにターン・テーブルに落とす。
 圧倒的な音の群れ。
 でもそれは、激しさや狂おしさとは異質のものだ。
 むしろ、それは悲しみと切なさを纏(まと)っている。そして、小さな諦念と矜持さえも。

 前作「静寂の世界」から約3年の年月を経て、ここにロック史上にその名を残す名盤がまた生まれた。
 世界で今、最も売れているロック・バンド、コールドプレイ。60曲から70曲の中から、彼らは選び抜いた珠玉の音たちをここに深く刻み込んだのである。

 僕は、このアルバムを聴くために、昨日の夕暮れ時、車を飛ばして「田代高原」までの路を急いだ。コールドプレイのニューアルバムを聴くための場所に。
 夕方の6時30分。
 人は誰もいなかった。車が時折、一本道を走っている。八甲田の頂に薄っすらと雪が積もっている。草原を風が舞っている。太陽が西の方角に傾き、空は寂しそうに俯いている。
 車を止めてCDを差し込んだ。どきどきする。
 一曲目の「SQUARE ONE」から圧倒された。鳥肌が立つ。
 不覚にも涙が零れた。美しい。あくまでも美しい。
 これがロックの美しさ!

 僕はしばらく暮れゆく山々を眺め、ただその繊細な音の渦に身を任せていた。
 
 僕は少しだけ幸福になる。
 
 
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