淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

ゆきのまち映画館の黄昏 32

2010年11月12日 | Weblog
 トベラの木の、赤橙色に熟した美味しい実や、ハマナスの木に実るトマトのような形の大きな赤い実。それから、トチノキに実った薄茶色の真ん丸いお月様のような実を摘んだり、子どもに、オニグルミの木に付く葡萄のような実を摘んでやって、その緑色の皮を砕き、そこから出る皺の種を幾つも集めたりしながら、秋の一日を過ごした。
 晩秋の柔らかな太陽が、わたしたちを包み込む。夕闇が迫ると、わたしと息子は丘を急いで駆け上がり、家へと続く細い一本道をその日の収穫物を肩に担いでやってくるあの人をびっくりさせようと、よく道脇の赤く染まったハナミズキの樹木の後ろに隠れ、待ち伏せをした。




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