淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

ウィル・スミス&マーティン・ローレンス主演映画「バッドボーイズ RIDE OR DIE」。いつものパターンではあるけれど、それでもやっぱり面白いっ! 352

2024年06月30日 | Weblog
 6月最後の日曜日。もう明日からは7月。なんて速いんだろう。あっという間に月日が過ぎてゆく・・・。
 今日もまた映画館に映画を観に行く。
 ウィル・スミス&マーティン・ローレンスの主演映画、「バッドボーイズ RIDE OR DIE」だ。
 混んでいるかと思って行ったら、客は8人だけだった。まあ、隣に誰もいなければそれでいい。とにかく、近くに人がいるのが一番嫌だ。
 ポップコーンと珈琲を持ち込んで、それを食べたり飲んだりしながら開演を待つ。この時間が好きだ。



 北米映画週末ランキングで、今回の最新作「バッドボーイズ RIDE OR DIE」がボックス・オフィスのNo.1に輝いたという。3日間の興行収入は5600万ドル。ヒットしている。
 本作は、あのジェリー・ブラッカイマー製作(ワンパターンの大味アクションだとよく言われていたりするけれど・・・)による、「バッドボーイズ」シリーズの4作目となる。
 監督が、前作「バッドボーイズ フォー・ライフ」のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーだと聞いて、ちょっと戸惑った。前作はそれほど面白い出来栄えだとは思えなかったからだ。
 それに主役のウィル・スミスは、例のアカデミー賞の授賞式でのクリス・ロック殴打事件があったし、第1作からすでに約30年も経ったアクション・コメディ映画のシリーズ第4作である。マンネリ化は免れない。
 面白いんだろうか?



 ところが、今回の「バッドボーイズ RIDE OR DIE」、ウィル・スミス主演映画としては18本目のオープニングNo.1を獲得してしまったのだ。
 ウィル・スミス、完全復活である(前作「バッドボーイズ フォー・ライフ」も、世界興収4億2650万ドルを稼ぎ出す大ヒットを飛ばしている)。



 そして今回も、これまでのシリーズのテイストはちゃんと受け継いでいる。
 マイアミ市警の凸凹刑事コンビ、バッドボーイズ(ウィル・スミスとマーティン・ローレンス)の2人は、ある日、殉職した上司警部が麻薬組織から多額の報酬を受け取っていたという事実を知る。しかし、ぬれぎぬを着せられた上司の無実を証明しようと独断で捜査を始めるが、麻薬組織の罠に嵌って警察と犯罪組織の両方から容疑者として追われる身となってしまう・・・。
 映画の前半は少しダルい。どうでもいいようなエピソードが挟まってちょっと苛々する。
 ところが後半からはいつもの「バッドボーイズ」節が炸裂して、最後までド派手なアクションがフル・スロットル!
 確かにワン・パターンではあるけれど、そのワン・パターンがまた心地いいのだ。前半、もう少し引き締まった展開を見せていたら、もう少し評価は高かったんだけど・・・。
 でも、大画面で観る「バッドボーイズ」、やっぱりスカッとします。






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TBS新ドラマ「笑うマトリョーシカ」、その初回を観た。原作はまだ読んでいないけど、ドラマの出だしは中々いい感じ。確かに不気味さは漂ってる。351

2024年06月29日 | Weblog
 6月29日土曜日、天気は晴れ。気温がぐんぐん上がって28度。
 朝起きて朝食を摂ったけれど、それからまた二度寝してしまった。起きて時計を見たら午前11時。午後1時からジムで「ターゲット・アブス」を予約していたので、そろそろ起きないとと思っていたら、身体が怠くて起き上がるのが億劫になってしまった。
 こうして、いつものように心の中で葛藤が始まるんだ。
 ジムに行ってちゃんと体を動かそう、いやいやこのまま蒲団に潜ってのんびりしてようよ・・・天使と悪魔がまた戦ってる。
 それでも意を決して蒲団から飛び起き、さっさと着替えて、ジムへと向かった。それにしても暑い。これだと外をランニングするのはちょっときついだろう。今日はやっぱりジムで汗を流そう。
 夕食は、「丸亀製麺」。
 空いていると思って中に入ったら、長い行列が出来ていた。
 「鬼おろし 肉ぶっかけ」を食べて、話題の「うどーなつ」をテイクアウトしてみる。まん丸い小さなドーナツに、カレー粉味か、きび糖味のどちらかを自分でぶっ掛けるという仕立てになっていた。
 「うどーなつ」は売れているらしく、お1人様3袋まででお願いしますとの張り紙が張っていた。
 満足して店を出た。
 もうすっかり夜の帳がおりていた。
 こうして土曜日もまた、あっという間に過ぎてゆく・・・。



 昨日の夜は、TBS系「金曜ドラマ」の新番組、「笑うマトリョーシカ」の第1回を観た。
 ドラマ「笑うマトリョーシカ」は、早見和真による原作小説があるらしいのだが、そんな小説があることなんてまったく知らなかった。
 ドラマは、冒頭シーンから衝撃的な展開をみせる。
 男(渡辺いっけい)が車の中で誰かに携帯で電話をしている。「今、あることを調べている」と相手に話したその瞬間、ダンプカーが猛スピードで突然突っ込んで来て、男はその場で絶命する。男が電話していた相手は新聞記者をしている実の娘(水沢あさみ)だった。彼女は、父の不可解な事故の真相に迫るべく、謎の糸を辿りながら、ある行動へと出ることに・・・。



 このドラマ、最初、主人公の新聞記者(水川あさみ)が謎の事件を追う過程で、若き有能政治家(櫻井翔)と、その秘書(玉山鉄二)へと辿り着き、背後に渦巻く政界の闇を暴いてゆくという物語なのではないかと思いながら観ていたのだが、政治家役の櫻井翔があまりにも不気味で、このままいったら一筋縄の展開にはならないかもとしれないと考え直し、いい意味で期待が膨らんでしまった。
 色んな伏線が張り巡らされている気がするし、当然にして大きなどんでん返しが用意されているに違いない。
 でもなあ・・・初回は好調でも途中で息切れしちゃうドラマって、過去に何本も観てきているしなあ。この「笑うマトリョーシカ」は、そういう失望感だけは勘弁してほしい。
 ということで、まずは初回だけの感想ですが、TBS新ドラマ「笑うマトリョーシカ」、次回を期待させる、そんな予測不可能な展開ではあります。








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「悪は存在しない」350

2024年06月28日 | Weblog
 これまた久しぶりの映画館、「シネマ・ディクト」。
 最近、「シネマ・ディクト」で上映されている作品のどれもこれもがそそられる映画のオン・パレードで、観に行こう観に行こうといつも予定を立ててはいたのだけれど、中々時間があわず、かなりの作品を見逃してしまっていた。
 今回観ようと思っていた映画は、第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した、「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介による作品だということで、上映が始まった先々週からずっと日程と睨めっこしていたのである。
 それが上映最終週になって、ギリギリ観ることが出来た。
 この映画だけは何としても観たかった!



 映画館に入ったら、いつもの受付の女性から開口一番、「あらら」と言われてしまう。すいません、毎週通って来たいんだけど・・・。
 定番の、一番後ろのスクリーンから見て左側の2席に座っていたら、なんと館主のTさんがわざわざ挨拶しに来てくれた。いやいや、もっともっと観に来れるよう、これからも精進いたします・・・。
 映画「悪は存在しない」に関しては、まったく予備知識をせず観ることに決めていた。もちろん、これまでも映画を観る前提のスタンとしては、なるべく事前に関連する情報だったり、物語の内容や評論の類いを読み込まないように心掛けてはきたつもりだけれど、この「悪は存在しない」については、どんなストーリーでどんな内容の作品なのか、全然知らずに臨むことにしたのだ。
 ただ、映画評論家の蓮實重彦氏が書いたあるエッセイの中で、「悪は存在しない」を絶賛していて、若干冒頭のシーンに触れていたのだが、その部分だけははからずも読んではいた。



 豊かな自然が残る長野の山村。
 そこで暮らすある中年男性と娘の2人は、自然のなかで慎ましくも豊かな毎日を過ごしていた。男性は山で木を切ってそれを燃料とし、雪解け水が流れる小川から毎日水を汲み取る日々を続け、小学生の娘は離れた分校へと毎日歩いて通っている。
 ところがある日、村に新たなグランピング施設を作る計画が持ち上がる。それは経営難に陥った東京の弱小芸能事務所が、政府からのコロナ禍関連の補助金を得ることで成立するような計画だった。
 そして、芸能事務所の職員2人によるグランピング施設計画の「説明会」が開かれるのだが、その内容は、豊かな水源に汚水を排水することになる杜撰な計画で、その事実を知った住民たちは大きく動揺する・・・。


 ここまでの一連の流れを、映画は静かなせせらぎのように、ゆっくり、そして絶妙な間を取りながら語ってゆく。
 思わず観ながら唸ってしまった。それほど劇的な物語を提示しているわけじゃないのに、なんなんだ? この圧倒的で畳み込むようなサスペンスは!
 とにかく語りが素晴らしい。何気ない言葉の羅列が続くのに、どこまでも濃厚な遣り取りで、それでいて透明感に満ち溢れている。
 ラストの数分間がまた凄い。
 こう来たか!
 恐るべし、濱口竜介監督!
 映画「ドライブ・マイ・カー」は、蓮實重彦氏と同様、それほど素晴らしい作品だとは思えなかったけれど、この映画「悪は存在しない」は本当に素晴らしい映画に仕上がっていると思う。
 タイトルの意味も、衝撃的なラストを目撃することでよく分かる。






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久しぶりにマンガ三昧! 「住みにごり」、「ダイヤモンドの功罪」、「平和の国の島崎へ」、「女子柔道部物語 社会人編」をまずは読む。349

2024年06月27日 | Weblog
 ほんと久しぶり、「TSUTAYA」に立ち寄る。
 DVDレンタルが全盛のころは頻繁に「TSUTAYA」に車で来ては、映画館で見逃していた映画や青森市内で上映しなかった映画を、片っ端からチョイスして借りまくっていたものだ。
 まとめて5本の映画とかを借りたりしたので、返還期限まで必ず観終わることを迫られ、全部の映画を観切れずに、泣く泣く返還ポストへ期限ギリギリの時間帯に投げ込んだことも何度かあった。
 それが今や、「ネットフリックス」とか「アマゾンプライム」とか「ディズニー+」なんかのサブスクで、わざわざレンタル屋さんまで行かなくても観ることが出来る。便利になったものだ。
 ということで、暫くぶりに「TSUTAYA」の店内に入ってみたら、案の定、DVD・Blu-rayのコーナーは少しばかり縮小されていて、その分、コミックのコーナーが若干広がっていた。
 それにしてもこのサブスク全盛時に、わざわざ出掛けて来てまでレンタルDVD・Blu-rayを借りにくる人間なんているんだろうか?
 そう思って、ビデオレンタルのコーナーを覗いてみた。何人かのお客さんが、数枚のディスクを小脇に抱えて陳列棚を食い入るように見ていた。それなりに需要は今でもあるようだ。
 うーん・・・。


 今日の来店目的はコミックのコーナーで面白そうなマンガを見つけ、何冊か読んでみるということなので、今度はそっちのコーナーに移ってみる。
 たくさんのコミックが並んでいて、何が何だか分からない。昔なら、毎週必ず本屋さんへと立ち寄り、何時間も居座って、好きな書籍やコミックを買っていたものだけれど、最近は、ほとんどの書籍類を「Amazon」で探すので、かなり楽チンだった。欲しい本が即座に見つかるし・・・。
 まあ、それがいいのかと改めて問われると、本屋さんという神聖な場所の重要性って、それはそれで絶対にあるのだけれど・・・。


 それに最近は、マンガ週刊誌も含めほとんどコミックの類いは読んでいないので、何が面白くて何が面白くないのか、そういう基本的な基準さえほとんどないといっていい。
 なので、表紙の帯を読んだり、先日の「アメトーク!!」でのマンガ紹介を頼りに、ゆっくりと探して歩く。
 それにしても膨大なコミックの数だ。いつもながらその多さに圧倒される。


 迷った末に買ったのが、テレビでも絶賛していた「住みにごり」と「ダイヤモンドの功罪」、それから手に取って面白そうな予感がした「平和の国の島崎へ」と「女子柔道部物語 社会人編」、これらをピックアップしてレジへと並んだ。
 家には、読んでいない「手塚治虫文庫全集」もあるし、美内すずえの「ガラスの仮面」もいまだ道半ばで本棚の隅に眠ってる。
 帰宅して、まずは「たかたかし」の「住みにごり」を読んでゆく。
 いやあ、滅茶苦茶面白いやんけ!
 こういうマンガを待っていたのだ!
 読み始めたら止められなくなって、あっという間に午前様。これまでに発売されている全巻を買い求めてきたわけじゃなかったので、すぐに「住みにごり」の続きを買おうと決めた。

 やっぱり、マンガって、面白いっ!









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「ザ・ビートルズ 全曲バイブル新版 公式録音全213曲完全ガイド (日経BPムック)」が「Amazon」から届いた。まるで、ぶ厚い電話帳のような重さで内容も凄い。348

2024年06月26日 | Weblog
 昨日、家に帰ったら、「Amazon」から「ザ・ビートルズ 全曲バイブル新版 公式録音全213曲完全ガイド (日経BPムック)」が届いていた。
 持ってみたら、かなり重くてぶ厚い本だった。
 早速、部屋に入って捲ってみる。
 ビートルズ世界デビュー60周年記念保存版だという。15年ぶりに全面刷新されて「新版」として新たに出版されたのだ。そうか。今年はビートルズがデビューしてちょうど60年になる節目の年だった。
 まず、「ザ・ビートルズ 全曲バイブル新版 公式録音全213曲完全ガイド (日経BPムック)」の中身が凄い。というか、深い。ここまで丹念に1曲1曲を深掘りした文献なんて、これまでなかったんじゃないだろうか。
 この本、よっぽどのマニア以外、買わないかもしれない。それほど圧倒的な内容だ。
 ビートルズの楽曲、公式に録音された全213曲を、「楽曲解説」、「パソコン解析」をベースに詳細に解説しているのだけれど、2023年11月2日、「最後の新曲として発表された「ナウ・アンド・ゼン」までも完全にピックアップされていて、完璧なる仕立て。
 全213曲を、なんと発表順ではなくレコーディング順に紹介するということもやっていて、あまりに几帳面過ぎて笑ってしまうほど。
 音源を解析・分析・検証し、データを表やグラフや図解を駆使して紹介しているのだけれど、ここまで来ちゃうとガイドというよりも、音楽研究書の類いである。
 恐れ入った!



 それにしても、本棚に、いったい何冊のビートルズ関連の書籍が並んでいるだろう?
 かなりの数になると思う。
 そして、「いつか暇になったらちゃんと読んでいこう」なんて流暢なことを考えている不届きものなので、ただただ未読のビートルズ関連本が次々と溜まってゆくのである。
 いつか、音楽カフェを開いたら、そこに本棚を設け、音楽に関する書籍だけをたくさん並べようと思っているのだが、ある意味それを口実にしているだけな気がしないでもない。
 困ったものだ。




 なんだかんだ言ったって、最期に還るのは、やっぱりビートルズなのだ。
 小学校のときに初めて映画館で観たビートルズに打ちのめされ、そこからとうとうここまで来てしまった。
 長い長いビートルズとの旅だった。
 辛いときや悲しいとき、最期はビートルズのアルバムを聴いて何とか立ち直り、とうとうこんな遠い場所まで来てしまったのだ。




 もう一度、聴き直そう。
 ビートルズを聴き直し、ローリング・ストーンズを聴き直し、村上春樹を処女作「風の歌を聴け」から年代順にちゃんと読み直していこう、今、心からそんなふうに考えてる。
 時間がないんだ、青春は・・・。





 

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北野武監督作品「首」。映画のほうが小説の数倍面白かったけど、でもやっぱり彼の監督映画で一番好きなのは「あの夏、いちばん静かな海。」だ。347

2024年06月25日 | Weblog


 北野武監督が撮る映画が好きだ。
 これまで、彼が監督したすべての映画を観て来たけれど、どれもみな一定の水準を超えた力作ばかりだ。
 そして昨日は「首」を見た。
 実はこの作品、去年の時点で原作を既に読んでいた。そのことはブログでも以前に書いたけれど、小説自体それほど面白いとは思えなかった。
 小説は、貧しい農民の茂助が豊臣秀吉の軍勢を目撃したことから、戦で出世しようと雑兵に紛れ込み、そこで羽柴秀吉と千利休に雇われている曾呂利新左衛門と遭遇したことで、信長、秀吉、光秀、家康を巻き込む熾烈な覇権闘争に巻き込まれてゆく様を描いていた。
 つまり主役は茂助という人物で、そこに「噺家」の元祖のように語られる、曾呂利新左衛門が絡むストーリー展開だった。
 ところが、文体が軽いというか、あっちに行ったりこっちに行ったりするので焦点が合わず、散漫な歴史小説に終始していたように思えた。
 それが映画になった途端ら、俄然面白くなる。
 北野武節が大炸裂!
 人間という生き物がいかに強欲で狡賢く、身勝手なんだということを、これでもかというくらい徹底的に描写する。
 日本の歴史上、最も有名な、信長、秀吉、家康という偉人? たちを、丸裸にしてこきおろす。これこそが人間の本性なんだと!
 醜く、弱く、そして残酷な人間の最低最悪な部分を、どこまでも暴いてゆくのだ。
 さすが、北野武!
 こういうところがいいんだなあ。
 これは面白かったです、北野監督の「首」。



 でも北野武といったら、処女作「その男、凶暴につき」のようなバイオレンス系、そして「アキレスと亀」とか「監督・ばんざい!」とかのユーモア・コメディ・タッチ系、それから「あの夏、いちばん静かな海。」や「キッズ・リターン」などの抒情系というかセンチメンタルな路線、これに大きく分かれると思う。あとは「Dolls」というようなちょっと異質な映画もあったけど・・・。



 個人的には、「アウトレイジ」、「キッズ・リターン」、「座頭市」、「3-4X10月」、「その男、凶暴につき」あたりが大好きだ。
 なかでも、やはり「あの夏、いちばん静かな海。」が素晴らしかった。この映画は当時、青森県庁の西側にあった「みゆき座」という映画館で観た記憶がある。
 映画には北野武自身出演しておらず、とにかく静謐で、透明感に溢れる素晴らしい青春映画だった。まさしく、「キタノ・ブルー」だ。
 そんな北野武監督が作り出す映画は、いつも期待を裏切らない。
 まだまだ映画を撮り続けて欲しい。心からそう願う。







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「そして、あらゆる青春の破片は、またあのときの高円寺へと還ってゆくー」346

2024年06月24日 | Weblog
 学生時代、高円寺の街には何故か数多くの友人たちが住んでいた。
 偶然なんだとは思うけれど、高円寺、そして新高円寺周辺に、同じ青森から上京してきた高校時代の同級生や友人たちのアパートが集中していて、友人から同郷の友人を紹介されると、またその輪が広がって、高円寺周辺は差し詰め「青森から上京した若者たちの共同コミューン」のようだった。
 だから、板橋の大山に居る以外、ほとんど高円寺周辺の友人宅を転々としていた気がする。夜、友人たちとお酒を飲みに出掛けたり家飲みしたり麻雀をしたりするので、自分のアパートまで電車で帰るのが面倒になって、そのまま高円寺の友人アパートに泊まってしまうのだ。


 数年前、大病を患って亡くなってしまった高校時代のクラスメートのアパートによく泊まったものだった。
 一緒に高円寺の高架橋の下にたくさんあった飲み屋をはしごして歩いた。
 そうだ、思えばあの頃はお酒がそれなりに強かったんだ!
 1人でウイスキーボトル一本空けたことだってあったんだ!
 へべれけに酔っぱらったけど・・・。
 若くて体力も半端なかったのだろう。徹夜してそのままアルバイトに行ったことが何度もあった。
 そうかあ・・・アルコールに結構強かったのかぁ。



 今でも鮮明に覚えてることがある。
 20歳になったその日の夜(だったか次の日だったか)、その亡くなってしまった同郷の友と一緒に高円寺のガード下でたらふくお酒を飲み、べろべろになって、どちらともなく「ヨーイドン!」と叫びながら全力疾走しながら競争したことを。
 飲んで走ったことから具合が悪くなって、お互いそのままカード下の脇に倒れ込み、大声で笑いあったっけ。
 「もう二十歳だぜ・・・」と、どちらかがぽつんと呟き、「若くねーんだなあ、ちくしょうめ・・・」と、またどっちかが呟いた。
 その言葉を今でもちゃんと覚えてる。そいつから、ショーペンハウアーの哲学を教えてもらった。クラシック音楽をいつも聴いていた。
 二十歳なんて、今思えばまだまだヒヨコのヒヨコじゃないかよ!
 人生ってやつは、本来そこから始まるんじゃないのかよ!
 今思えば、そういうことに尽きるのに・・・。


 今日(6月24日月曜日)でD大とのコラボは終わり、泊まっていた「東村山」を後に青森の街へと帰るべく、午後、国分寺駅から中央快速に乗り込んだ。
 吉祥寺を過ぎ、阿佐ヶ谷を過ぎた辺り、屋上に「爛漫」の巨大広告塔を載せたマンションが高架橋から見えてきた。懐かしいマンションだった。まだ昔とおんなじ風景だった。
 当時、毎日のように通っていた高円寺高架下のロック・バー(お昼は珈琲を出していた)「キーボード」ももうなくなってしまった。髭のマスターは北海道に帰ったと聞いたけれど、今どこで何をしてるんだろう?
 この店でひたすら聴き狂った、イーグルスやジャクソン・ブラウンやブルース・スプリングスティーンやザ・バンドが無性に聴きたくなる。
 死ぬまで青春なんて言葉、んなもん、綺麗ごとにしか過ぎない。すべては過ぎ去り、すべては終わってゆく。
 サヨナラだけが人生だ。
 死んだらそこで、何もかもが終わりを告げるんだ。それだけのことだ。



 9回裏逆転代打満塁サヨナラ・ホームランなんて、人生ただの幻想である。








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「愉楽と廃頽の新宿歌舞伎町」345

2024年06月23日 | Weblog
 新宿歌舞伎町にある鰻専門店「うな鐵」の「はなれ」で鰻の肝と冷えたビールを飲む。東京に来るといつも立ち寄る店で、ほんと美味しい。
 それにしても新宿歌舞伎町は凄い人で溢れ返っていた。まるで芋洗い。外国人の観光客が大挙押し寄せていて、スマホで写真を撮ったり徒党を組んで歩いてる。
 歌舞伎町のど真ん中「うな鐵」「はなれ」の近くに、今はもうないKという大きなキャバレーがあって、そこで昔、青森から上京していた同じ年齢の友達たちが何人も学生アルバイトでウエイターをしていた。お前も一緒にバイトしようぜと誘われ、同郷の仲間たちと働いたことを、その場所に立って懐かしく思い出す。
 当時のホステス(今でいうとキャストということになるんだろうか)が100人以上も在籍していて、体育館のように広い店内には総勢10人にもなる生バンドも常時演奏していた。
 当時、女子大生のアルバイトもいたし、モデルみたいに綺麗な女の子も大勢そこでホステスをしていた。なにせ、100人以上の女性たちである。連日、大人気で超満員だった。なので、ウエイターの仕事も超忙しかった。
 男性学生ウエイター全員が青森出身なので、仲間同士みんな津軽弁で遣り取りするから、店長に「お前ら、何言ってんのか全然分からん!」と笑いながら怒られたこともあった。


 そんな新宿、そんな歌舞伎町の雑多で猥雑な街が大好きだった。
 だから、上京していたころも、青森に帰ったのちに出張で何度も上京した際も、一番訪れたのは新宿だ。
 映画を観たのも新宿、デートした場所も新宿、お酒を飲んだ場所も新宿、ジャズ喫茶やロック喫茶をはしごしたのも新宿が一番多い。新宿の「ディスコ」で朝まで踊りあかし、始発電車で大山のアパートまで帰ったことだって数えきれない。
 こうして、休日でごった返す新宿歌舞伎町の雑踏を歩いていると、そんな若いころに絶えず漲っていた、煮え滾るパワーのような感覚が少しだけ蘇ってくる。


 もしも、今のような硬めの仕事に従事するんじゃなくて、滅茶苦茶ド派手な水商売の道を選択していたとしたら、一体どんな人生になっていたんだろうとふと考えることがある。
 「うな鐵」の「はなれ」で満腹となり、若い時分の想い出に浸りながら新宿歌舞伎町入り口付近で信号待ちをしていたら、目の前にタクシーが止まり、中から高級そうな黒の上下を着こんだ茶髪の若い男性が颯爽と降りてきた。
 水商売だろう。ホストかもしれない。ちらっと見たら、分厚い長財布の中には万札がびっしりと詰まっていて、そこから運転手さんにお金を渡していた。お釣りは受け取らなかったようだ。


 そういえば二十歳のころ、この新宿歌舞伎町の路上でホストやりませんかって声を掛けられたことがあった。
 勿論即座に断ったけれど、もしあのとき、愉楽と廃頽が渦巻くこの街に、どっぷりと浸かる決心をしていたなら、今頃人生どうなっていただろう?
 たぶん、生きてはいない気がする。身体を壊して廃人になってるかも。女性がらみで大失敗するか、破天荒な人生を送り、落ちることろまで落ちたと思う。でもそれだって、否定的な意味合いばかりじゃない気がする。
 快楽と廃頽の人生にもまた、それなりの悦びが存在し、濃厚で濃密な時間が存在する。欲望は蜜の味で、堕落もまた美しい。

 どっちの人生が良かったかなんて、誰にも分からない・・・。







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「無念と望郷の上野駅」344

2024年06月22日 | Weblog
 今日は6月22日土曜日。
 昨日の土砂降りとは打って変わって気温は朝からぐんぐんと急上昇。確かに暑いんだけど、それほどの辛さは感じない。
 仕事で月曜日まで東京に滞在することになる。それでも今日と明日は土日ということで、講義で使おうと都内の主要地域を取材で歩き回ることにした。
 上野に行く。
 まずは観たい観たいと思ってた「東京都美術館」の「デ・キリコ展」に足を運んだ。デ・キリコは、「形而上絵画」の巨匠で、好きな画家の1人だ。日本では10年ぶりの大規模な個展となるようで、東京の次は神戸で開催されるらしい。
 休日なので入場規制が行われているかもと危惧したけれど、それほどの大混雑という感じじゃなかった。
 「イタリア広場」、「形而上的室内」、「マヌカン」、「晩年」などのテーマに分かれ、初期から晩年までの彼の作品が展示されていて、圧巻だった。
 キリコはいい。

 

 「東京都美術館」を出ると、夏の明るい陽射しが降り注いでいた。
 隣の「上野動物園」入り口は長蛇の列。近くでは「台湾フェスティバル」も開催されていて、ここもまた大賑わいだ。
 上野・・・。すっかり昔の上野の雰囲気は様変わりしていて、少しお洒落な都会になった気がする。
 そういえば東京で暮らしていたころ、夜になって板橋・大山のアパートの部屋に独りぼっちぽつんといると、あんなにも嫌悪していた故郷の街が急に恋しくなってきて、祖母の作ったご飯とおかずも無性に食べたくなり、サンダル履きのまま何も持たず、大山駅から池袋行きの東上線に乗り込み、そこから山手線で上野駅まで行って、そのまま夜11時20分発(だったと思う)の上野発青森行き急行「十和田5号」に乗り込んで、故郷青森へと帰ったことを思い出す。
 上野駅、13番ホームだった。



 夜の11時過ぎに上野駅を出発する青森駅行きの夜行列車は、いつも閑散としていて、寝台列車ではないので、4人掛けの固い座席を独り占めし、足を伸ばしてそのまま眠った。
 夜明けを迎えたのは盛岡あたりだったろうか。そこから八戸駅を通過して浅虫温泉まで来ると、もう午前10時過ぎになる。
 そこから少しずつ青森市内の懐かしい風景が車窓から見えてくる。青森駅へと滑り込むその少し前、高架橋から中心市街地を見渡すと、自宅が一瞬だけ見え隠れした。
 こうして、突然帰ろうと決めた、約12時間の長い旅が終わる・・・。


 そんないきなり「故郷帰り」をいったい何度実行したことだろう。
 何の計画も持たず、突然、思い立って「上野駅」から乗り込む上野発青森行き急行「十和田5号」。
 大嫌いだった故郷から離れたら離れたでその地が無性に恋しくなり、夜行列車に飛び乗って帰り着く北の街・・・。
 上野は夢と望郷の駅だった。
 

 そしてまた、初夏に塗れる上野の駅に、こうして独り立つ歳を重ねた男がいる。それなりに長い人生だった。
 でももう、夢などない。
 望郷の念に駆られたあの頃の、ちからも信念も、ここにはもう一切合切何もない・・・。






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「夢と挫折の板橋区」343

2024年06月21日 | Weblog
 激しい雨が降っている。それに肌寒い。
 今日(6月21日金曜日)から東京は「梅雨入り」だという。スマホで青森市内の天候を見てみたら、最高気温が28度。首都圏よりも本州最北端の県庁所在地のほうが気温が高いなんて・・・。
 そんな最悪の中、傘を差して歩いてはいるものの、大粒の雨が傘からはみ出た肩や膝下に当たって、びっしょりと濡れている。駅に着いたら寒さで震えてしまった。
 電車を乗り継いで、板橋区内にあるD大学へ。
 今日は午後から、ここの社会学部のY先生のゼミで講義を行うことに。
 「青森」の風土と現況を学生たちにパワポで講義し、ついでに「音楽社会学」の視点から、CDで高橋竹山の「津軽じょんから節」を流した。黒人音楽との類似点を話すその過程で、ブルースやジャズの起源にも触れ、ビリー・ホリディの「奇妙な果実」もCDで聴かせた。



 夕方、やっと今日の授業が終わる。
 外に出たら、雨は小降りになっていた。でも風が冷たくて肌寒い。独り、雨降る板橋区内を傘を差しながら歩いてみる。
 夜になり、大学近くに取った、今日のねぐらへ何とか辿り着く。
 板橋区・・・。この板橋区もまた、数えきれないくらい数多くの想い出で詰まっている街だ。
 高校を卒業して東京で暮らし始め、借りたアパートが板橋区の大山だったからだ。ここにずっと東京での4年間、暮らし続けた。一度たりとも板橋の街を出なかった。だから、東京っていうのは、イコール板橋だった。


 大学へはほとんど行かず、昼と夜がまったく逆な生活を送っていた時期もあった。
 アパートから100歩も歩くと銭湯があって、その銭湯は夕方4時から開くので、起きると目覚めの一風呂を浴びによく通ったものだ。侘しくて哀しくて、こんな生活、いつまで続くんだろうと悶え苦しんだ。
 毎日が日曜日だった。絶えず苛々していた。夜になると、50ccのバイクで池袋にぶらりと行ったりもした。
 毎晩、夜の都内を彷徨した。



 そんな18歳から22歳まで暮らし続けた板橋の地で、まさか区内の大学に行って、若い学生たちを前に、黒人ブルースやウイーケンドや高橋竹山の音楽を語るなんてこと、マジで予想だにもしなかった。
 あのころ、未来はいつも不確かで、将来の夢だけが頭の中でグルグルと回っていた。そしてその最後に待っていたのは、ほろ苦い挫折と東京との辛い決別だけだ。
 嗚呼、板橋・・・。
 夢と挫折の板橋が、今またここに居る・・・。






 
 

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「愛と追憶の東京駅」342

2024年06月20日 | Weblog
 午前10時台の東北新幹線に乗り込んで「東京駅」。
 都内にあるD大学の社会学部のゼミで講義を行うための東京入りだ。
 駅を降りたけど、それほどの暑さは感じない。朝、青森を出たときの気温のほうが高かった気がする。それほど今日(6月20日木曜日)の青森市内は晴れ渡っていて暑かった。
 少し時間があって小腹も空いていたので、「新丸ビル」に立ち寄って軽めの遅い昼食を摂る。


 東京駅・・・。
 この東京駅周辺にもまた、たくさんの懐かしい思い出が詰まっている。
 学生時代、皇居のお堀端にある高級ホテル「パレスホテル」でずっとアルバイトをしていた時期があった。
 「リネン」担当で小部屋が用意され、そこでホテルの宴会で使うサイズごとに分けられたテーブル・クロスを管理するというアルバイトだった。
 時給もかなり高く、大学生のアルバイトが大勢いた。社員用の食堂がまた素晴らしく、高級ホテルということもあるのかもしれないけれど、月に一度は必ず豪華なステーキなんかが振舞われた。
 ホテルの窓から、美しい皇居が見えた。
 お堀の周りに生い茂った樹木は春夏秋冬その色を変え、夜になると日比谷方面のビルの灯りがとても綺麗だった。
 いつか必ず、いつか必ず、このホテルに泊まってやるぞ。そんなことを考えながら仕事をしていたことを今では懐かしく想う・・・。


 東京駅周辺にはまだまだたくさんの思い出がある。
 駅からタクシーで何度も何度も官庁詣でを行ったし、青森ねぶたを「東京ドーム」に出陣させる大きなイベントに参加するため、当時の組織の仲間たちと「東京ドームホテル」に連泊して作業したことがあった。
 真冬だった。
 仲間の中に何人かランニングをしている男女がいて、ドームでの仕事が始まる、夜明け前の午前4時にホテルのロビーで待ち合わせ、みんなで水道橋から東京駅方面へと走り、そのまま皇居を1周したのだ。
 真っ暗な皇居の周りをみんなでランニングしていたら、少しずつ東の空が赤みを差し始め、やがて限りなく透明なブルーにすべてが塗りこめられてゆく。
 本当に美しかった・・・。



 それから今の組織に移って、東京キャンパスを立ち上げる際、「神保町」に準備室を設けてそこでの仕事に従事していたときは、青森・東京間をいつも往復していて、東京駅で降りると電車に乗らず皇居を通り、歩いて「神保町」まで行っていた。そんな時期もあった・・・。
 こうしてまた、色んな思い出の詰まった東京駅に今日も降り立ち、暫しの間、立ち尽くしたままで感傷に耽っている自分がいる。

 こんな風にすべては過ぎ去り、あとに残るのは、微かで儚いセンチメンタルな、そんな想い出だけなのに・・・。





 

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「ザリガニの鳴くところ」、「ビリー・サマーズ」(上・下)、「頬に哀しみを刻め」、「すべての罪は血を流す」・・・。嗚呼、いまだに未読の書籍たちが迫って来る。341

2024年06月19日 | Weblog
 どうしようか・・・。
 この溢れに溢れた本の数。それもまったく手を付けていない、読まずに積読された本で身動きがまったく取れずにいる。
 これから全部の本を読破するのって、時間的にも不可能に近いと思う。でも、なんとしてでも読み切りたいとは思う。あれもこれもそれも、今すぐに読んでみたい本だらけだからだ。
 でも・・・時間が・・・取れない。



 なので、昨日も掟破りをしてしまった。
 かなり前に買っていた、ディーリア・オーエンズのベストセラー・ミステリー小説「ザリガニの鳴くところ」のことだ。
 ご多分に漏れず、本を買ったまではいいのだけれど、読もう読もうとしながら時間だけが経過してしまい、映画化された「ザリガニの鳴くところ」が「ネットフリックス」で新たに配信されたので、昨日の夜、そっちを先に観てしまったのだ。
 じゃあ、なんで原作本を買ったんだよ、ということになるわけで、そうなると改めて原作本をさらに読もうとまでは思わなくなる。
 でも映画は面白かった。
 さすが、全世界で累計1500万部を売り上げたミステリー小説を映画化しただけのことはあった。
 ラストのどんでん返しも見事だったし。


 それにしても、焦る。
 次々と話題作となる書籍が出版され、よせばいいのにそれをついつい買ってしまうのだけれど、未読のまま本棚に積み上がってゆくだけだからだ。プレッシャーである。身軽にしたい。
 最近もまた、スティーブン・キングの「ビリー・サマーズ」がメチャクチャ面白いという噂を聞いて上下巻を買ってしまったけれど、いまだに手付かずだし、「このミステリーがすごい! 2024年版」海外編で第1位を獲得した、S・A・コスビーの「頬に哀しみを刻め」や、続く「すべての罪は血を流す」も、即買ったまではよかったのだが、まだ1ページも捲っていない。


 ミステリー小説が大好きで、昔は一気に何冊もまとめて読んでいたのに、最近は本を捲る回数も減り続け、数ページ読むだけで一日が終わっちゃうということが頻繁にある。
 これって末期的な状況である。由々しき事態である。


 こうなったら、読書一極全集中である。ひたすら本を読み漁ろう。
 死ぬまでに、すべての書籍を処分出来たらどんなに気持ちがいいだろう。
 モノを全部無くしたい。断捨離をしてきれいさっぱり立ち去りたい。
 脳科学の研究では、「何もしない」、「ぼんやりしている」ときだけに働く脳の活動を「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ぶらしい。確かにそれが必要だ。
 そういう時間をいつかちゃんと確保するためにも、今はひたすら溜まったものをせっせと放り投げる時間に充てなければ・・・。
 一刻も早く、真のミニマリストになりたい。
 嗚呼、いまだに未読の書籍たちが迫って来る。




 

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「青森市内の最高気温が30度超えの火曜日。潮風吹くウォーターフロント。街中は外国人観光客で溢れてた」340

2024年06月18日 | Weblog
 気温30.3度。
 まだ6月だというのに、この北国の街にも猛暑到来だ。
 6月18日火曜日は「ゼミ」がある日なので、朝から準備に追われて慌ただしい。お昼は「学食」で200円ランチ。とんかつだった。
 午後1時から「ゼミ」で卒業論文指導を行い、後期から始まる「観光行政論」のための打ち合わせのため、中心市街地へと赴く。
 暑い。
 汗が滴り落ちてくる。
 打ち合わせを終え、「青森駅前」に出たら、欧米の外国人たちが大勢行き交っていた。「&ラビナ」という駅前の商業施設の中の「スターバックス」やイタリアン・ファミレスの「サイゼリヤ」に、多くの外国人が食事を摂ったり珈琲を飲んだりしながら寛いでいる。


 「ねぶたの家 ワ・ラッセ」にも多くの観光客。その後方にある人口砂浜に出たら、青森港の「新中央ふ頭」に大型客船が停泊しているのが見えた。
 たぶん、この大型客船の乗船客たちなのだろう。
 目の前の海岸沿いをジョギングしている男性がいた。いいなあ、気持ちよさそうに海沿いを走ってる。平日の遅めの午後、みんな仕事をしているその最中、6月の太陽を浴びながら潮風に吹かれて走るなんて、そんな幸せな人間もこの世界にはいるわけで・・・。


 明るい青空を見上げながら、大きな溜息をついてみる。
 たとえば今から仕事を辞め、忙しさや煩わしさや億劫な出来事から解放され、毎日自由な時間が生まれたとしたなら、それで大きな幸せを勝ち取ることって出来るんだろうか?
 そうなったら、毎日海沿いを走ったり、溜まりに溜まった本を読み漁ったり、旅行に出掛けたり美味しいものを食べたり出来たとして、それで心からの幸福感と充実した時間を得られるって、そんなこと本当に心の底から思っているのだろうか?


 たぶん、今ある仕事を辞して、悠々自適な毎日が訪れたとしても、未来に対する漠然とした不安は消えずに残っていて、何もかもが自由な世界もまた、それはそれで素直に楽しめないんじゃないかと思ってみたりする自分がいる。
 この真夏のような6月の海辺を楽しそうにランニングしているあの男性だって、それなりに悩みがあり、日々の暮らしに対する苛立ちだってあるはずだ。
 何所に行っても何をしても悩み事は付き纏い、それが完全に払拭されるわけじゃない。
 人間は、究極、「死」という恐怖から逃げ通すことなど絶対に出来ない。

 

 ああ・・・。
 毎日を楽しみたい。笑って過ごしたい。爽やかでいたい。
 でも絶えず吹き上がる、この「なんとなく遣り残した感」って、いったいなんなんだろ?





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TBS系日曜劇場「アンチヒーロー」最終回は怒涛のラスト30分! 面白かった! これ、すべての伏線が回収されていないので必ず続編あるな。339

2024年06月17日 | Weblog
 昨日の日曜日、セ・リーグとパ・リーグで行われている「日本生命セ・パ交流戦 2024」は、楽天が優勝できるか出来ないかの瀬戸際ギリギリだったので、何度もスマホで試合の途中経過を見て一喜一憂していた。
 楽天イーグルスは6月16日(日曜日)が対広島戦。
 2位のソフトバンクと同率で首位に立っているので、この試合は絶対に負けられない試合だった。
 結果、5対3で楽天が勝利。試合後、他球場の試合結果を受け、最高勝率となることが確定したことから、球団史上初の、セ・パ交流戦優勝が決定した。
 今季の楽天は下位にずっと低迷していて、仙台へ試合を観に行く気分にもなれず、ビール券の付いたスタジアム特別席の券も知り合いに全部あげてしまった。
 これで後半戦、勢いがついてくれれば万々歳なんだけど・・・。
 そして、今日(6月17日)月曜日。
 今度はドジャースの大谷翔平が今季2度目となる2打席連続本塁打を放ったという。試合もロイヤルズに3対0で快勝した。
 2つの嬉しいニュース、月曜日からちょっとだけ気分がいい。


 
 そして昨日の夜は、NHK大河ドラマ「光る君へ」を観てから、楽しみにしていた、長谷川博己主演のTBS系日曜劇場「アンチヒーロー」最終回を観た。
 朝から、これだけを待っていたのである。
 さすが、あの「VIVANT(ヴィヴァン)」を手がけたプロデューサーが制作した作品だけあって、丁寧で練りに練った脚本と演出で毎回唸っていた。
 主人公は「殺人犯をも無罪にしてしまう」というワルな弁護士(明墨)で、彼がアンチなヒーロー役に徹しているのは、冤罪へと落し入れられた無実の死刑囚を救うためという別の目的があったからだった。



 物語自体も過去の冤罪事件を基軸にしながら、現在進行形の事件も絡めて進んでゆく。そしてそれらは最後に大きな塊となって一つに繋がるのだ。
 明墨の法律事務所で働くスタッフ役として北村匠海と堀田真由が、そしてパラリーガル役で大島優子が出演しているのだけれど、やはりラスボスたる検察庁幹部の野村萬斎の怪演が光っていた(ただ、野村萬斎のセリフ回しって、あまりにもオーバー過ぎて過剰な演技で結構辛かったけど・・・)。
 でも、この演技過多って、香川照之や市川猿之助らが出演していた、これまでの「半沢直樹」を含めたTBS「日曜劇場」独特の、悪役演技の伝統芸ではあるのだが・・・。



 そして昨日の「アンチヒーロー」最終回。
 ネタバレになっちゃうので詳しくは書けないけれど、ラスト30分に及ぶ裁判シーンは怒涛の展開となって、息もつかせぬ面白さ!
 CMもぶっ飛ばし、長台詞が飛び交い、これまでの伏線を次々と回収する。
 でも、ラストのラストで冤罪事件における真犯人は判明されなかった。これって続編があるってことでしょう?
 個人的に、ラストの大どんでん返しに関わった2人の女性も、推理して予想がついていたので、当たった瞬間、やったと小躍りしてしまった。
 これまたネタバレになるので、まだ観ていない人はここから先、読まないで頂きたいのだけれど、パラリーガルの白木(大島優子)と、野村萬斎の部下である緑川(木村佳乃)、赤峰(北村匠海)に紫ノ宮(堀田真由)、主人公の親友だった桃瀬(吹石一恵)と・・・。
 分かります?
 全員が「白」、「緑」、「赤」、「紫」、「桃」という色が名字に付いているのだ。
 そう。この、ある共通項が物語の鍵を握っている。こういうちょっとした隠し味もまた憎いと思う。







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「悲しい気持ちー」338

2024年06月16日 | Weblog
 毎週土曜日の夜、楽しみにしていた、日本テレビ今田美桜が主演するドラマ「花咲舞が黙ってない」が15日で最終回を迎えた。これで土曜日の夜の憩いのひとときがなくなってしまった。淋しい。
 別にドラマ史に残るような傑作だとか、今期のTVドラマでダントツに素晴らしいとか、さういうわけじゃなくて、勧善懲悪、予定調和だけれど、その分、肩の凝らないストレスフリーな明朗ドラマで、観ているだけで心が和み、あとの睡眠にも何となくスムーズに入って行けそうな、そんな気分になるからだ。
 そういえば、昨日紹介した「PRESIDENT」の「睡眠特集」のなかで、「TRF」の「DJ KOO」がインタビューに答えていた記事、「なぜ、あの人は年を取っても元気いっぱいなのか?」のことをふと思い出した。
 彼は、起床時間と睡眠時間が忙しさでいつも不規則らしく、その分コマ切れでもトータル時間で睡眠の帳尻を合わせているのだとか。
 だから、気持ちよさから睡眠誘導を図るために、眠りにつきながら「刑事コロンボ」や「名探偵ポワロ」なんかの何度も繰り返して観てきた古い海外ドラマを流すことで、吹き替えの声優たちの心地よい会話を聞いて眠ってしまうのだという。
 読んでいて、おんなじようなことをしているんだと、こっちも思わず笑ってしまった。



 そんな今日の日曜日は午後から雨が降り、止んでも空一面にどんよりとした雲が流れている。
 今日もまた、2時間ばかり「スポーツジム」に出掛けた以外は、家に籠って過ごす。何にもしたくなくて、まったくヤル気が起こらない。
 ただゴロゴロしていると、いつのまにか睡魔に襲われ、数十分寝てまた起きるの繰り返しだった。



 これじゃあいけないと、起きて新聞を読む。
 しっかし・・・紙面のほとんどが気の滅入るような、心が落ち込むような、そんな記事で溢れてる。つまりこれが今の世界のリアルなのだ。
 悲しくなる。
 たとえば、日本産婦人科医会の調査によると日本の10代の妊婦200人に1人が梅毒で、それが20代や30代でも急増しているという。先天性梅毒は、胎児にも大きな影響を及ぼし、生まれてからも難聴や目の病気に罹る割合が高くなる。それじゃなくても日本は凄まじい少子化なのに・・・。
 かと思えば、イスラエルの侵攻によってガザに迫る凄まじい飢餓に対する記事も載っていた。栄養失調で苦しむ子どもたちの治療を行える医療施設はたったの2か所。5歳未満の子どもたち8000人が飢餓に苦しみ、怪我に泣いているのだ。地獄絵図である。
 アメリカはもっとイスラエルに介入すべきだとその記事を読みながら憤慨していたら、そのアメリカでは、トランプとバイデンとの超高齢者対決。そしてトランプ自体も有罪判決、バイデンの息子も有罪判決が下されるという末期的状況だ。
 いないんだろうか? 共和党も民主党も、若手の優秀な人材は・・・。



 日本国内でも殺人や窃盗や放火事件が頻繁に起こっていて、政治家たちのどうしようもない言動と行動によるニュースも次から次へと露わになっている。地球温暖化や南北の人口問題はますます顕著になってくるし。
 こんな世界を見ていると、どうしようもなく虚しく、そして無性に悲しくなる・・・。







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