おかんのネタ帳

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青春映画、バンザイ!

2005-09-23 22:47:56 | 舞台・映画・ドラマ
昨日の「パッチギ!」やけど、見てたらダンナがちょうど帰ってきて(ご飯の用意もあるし)じっくり見られなかったし、誰もいない夕飯時に再度チェック。見る人によっていろんな感想があると思うけど、けして、社会的、政治的にどうのこうのというのではなく、あの時代の、フツーの高校生たちの「青春映画」って感じやね。京都という町と、あの時代を体験したものにとっては、リアリティのある「青春」やと思う。

在日の朝鮮高校生キョンジャと、普通の府立高生康介の恋を軸に、ケンカに明け暮れる朝鮮高校と対立する府立高校の生徒たち、大人たちが刻んでしまった差別、南北を分断する「イムジン河」のように、京都に流れる「鴨川」を日本人と在日の分断の象徴とした感しです。
全編に流れる「イムジン河」の曲。発禁というより、厳密的には発売自粛という曲やけど、南北朝鮮の統一を願う歌として知られてますよね。2年ほど前、フォークルの再結成の時に久々に歌われました。
主人公の康介は、キョンジャがフルートで吹いていたこの曲に出会い、ギターを習ってこの歌を歌うんです。
「イムジン河」はじめ、キィーワード的に、あの時代の象徴的なモノが登場してるのもオモシロいですね。(私の年代やからわかるのかも?)
「阪神パークのレオポン」も、「オックス」の失神も、「イレブンPM」とか「ロバのパン屋さん」とか、それに、帰国船で「楽園」といわれた祖国への帰国も。

朝鮮人対日本人、大人が、歴史が作ってしまった敵対心。抗争の中、亡くなったチェドキという朝高生の通夜の席で、在日の人が断片的に歴史を語ります・・・「国会議事堂のレンガは誰が積んだ?」「生駒のトンネルは誰が掘った?」・・朝鮮半島から強制的に連れて来られたという歴史。どうしていいかわからない無常感の中で、最後に、康介は涙ながらに、「イムジン河」を歌います。
日本で生まれて日本で育った在日の人も、帰化して日本国籍になった人も多くいます。アイデンティティは人それぞれ。
私の世代では、まだビミョウに差別意識があるのかもわからへんけど、この映画を見た若い人たちが、国籍や出身地に関係なく広い心を持ってくれることを望みますね。
韓流人気もいいけどさ。こんな映画を見ると、いろいろと考えさせられますね~。