用務先からの帰り、久し振りにここに寄ってみた。
ビルの谷間に建っている、少し変わった神社だ。
もっとも、変わった形になったのは近年(といってもここ十数年)のことで、もとはごくふつうのつくりだった。
ここはふつうの参道だったものが、表通り沿いにおおきなビルが建ったときにビルの真下をとおる道になってしまった。
ビルは参道をまたいでいるのだ。
この界隈は、昨年大きな通りができ、高層ビルも完成して面目を一新しつつある。
もともとこの辺は住宅や小規模なビルの並ぶ、ふつうの街だった。
20年近く前、この近くの駅からオフィスまで、この近くの道を歩いて通勤していた。
大きな通りの裏側に平行する細い道がある。小さな書店が角にあり、そこから細い道が続いている。
書店はそれほど品揃えはないが、雑誌なんかは良く買ったりした。
少し歩いた先にコンビニがあり、そこでパンを買うのが習慣だった。ここで買うか、数百メートル先のプロントで買うか。朝は時間がない。コンビニの方が客さばきが良くて、早く買えるが、パンはプロントの方がおいしかった。プロントはその後割と早い時期に閉店してしまい、飲み屋か何かになったように記憶しているが、今は何もない。
コンビニと、その先にあった古い木造の医院(目医者だったかな?)はもう跡形もなく、どこにあったかもわからない。たぶん医院のあった場所は道路になったのだろう。
細い道はやがて突き当たり、その先にかなり急な坂がある。若かったから毎日登っていたけど、夏なんかはちょっとしんどかったと思う。
山の上の方はもとお屋敷街で、当時は廃墟のようになっているところがけっこうあった。今は整備されている。その先に、近く立て替えを予定しているホテルがある。
本当はもっとオフィスに近い駅があるのだが、直前に起きた事件の舞台となった路線だったので、しばらく利用を見合わせて、こうして長い道のりをあるいていたのだ。
もっとも、1年ちょっとでだんだん疲れてきて、結局最寄りの駅を利用することになるのだが。
少し移動して、公園の近くに来た。近くにはかつてのオフィス(さっきとは別の)があって、ここもなじみ深いところだ。
ここはさる銀行の本店があったところ。もう更地になったようだ。
凸の字を逆さにしたような、特徴ある形をしていたが、使い勝手が悪かったのか、末広がりの逆の形で縁起が悪いとされたのか、竣工20年で解体されてしまった。
ちなみに、中、入ったことあるよ。まあ建物のなかは普通のつくりだったけど。
それと、建物の建設工事が始まる前のことも覚えいている。平成の初め頃のはなしだ。
位置関係はわすれたけど、この近くに歯医者があって、そこの待合室や、治療室の窓越しにここの敷地がよく見えた。
当時は駐車場だった。
たぶんその前にあった建物を解体して、一時的に駐車場にしていたのかもしれないけど、その前に何があったのかはわからない。
やがて工事が始まり、大型のダンプなどが敷地を出入りするようになる。その前の歩道を通って通勤していたが、時々ダンプの出入りのために工事の人に止められた。
近隣のビルは地下街で結ばれていたが、このビルも完成すると、地下でつながるようになった。飲食店ができるのかと思ったが、それはできずなぜか骨董品屋のようなものが開業した・・。
さいきんのことのように思っていたけど、もう20年以上前のことだねえ。