風邪気味だな。 寝ないといけないんだけど・・。 テレビをつけたら、表題のドキュメンタリー番組をやっていた。
ちょうど大滝詠一さんの命日だ。今日は。
「風街ろまん」は、1971年の春から秋にかけて録音されたという。当時の録音テープを聴きながら、細野氏、松本氏、鈴木氏が、曲が作られたときの背景などを振り返って語る。
自分史的には「春らんまん」を初めて聴いたのは高校1年の春、吉田拓郎氏がDJをやっていた深夜放送を通じてのことだった。そのとき、吉田氏から「日本語のフォークとロック」に関する当時の取り組みというか、当時の人たちにそういう問題意識があったことを聞かされたと記憶している。
ほどなくして、「風を集めて」や、「夏なんです」などもFMで録音して知ったが、アルバムをCDで買って、曲の全貌がわかったのは相当あとのことだ。
この時代の音楽、吉田拓郎もそうだけど、日本語のことばそのものへのこだわりと、もうひとつ、日本の街並みや自然の風景などが、とても見事に描写されている曲が多いことに、いつも感心させられる。
番組でも触れていたが、「夏なんです」の曲の感じなど、日本の、湿っていて生ぬるくてけだるい夏の感じが実に良く表現されていている。「春らんまん」も霞がかかっているような、落ち着かない感じがいかにも日本の春を感じさせる。
ちなみに、最初に書いたように、このアルバムは春から秋にかけて作曲され(発売はその年の11月20日)たせいか、冬の風景を描写した曲はない。秋も、台風の歌があるが、それだけだ。
番組では、このアルバムは東京オリンピックで失われた東京の風景へのオマージュとして書かれたとも語られている。そういえば、路面電車とか、電車通り、狭い路地裏みたいな歌詞が目立つなあ、と思っていた(当時、都電は急速に姿を消しつつあった)。
松本氏は今度の(2020年)オリンピックについても否定的なニュアンスで語っておられた。ま、たしかに、我々は何かを得るかもしれないが、なにも失わないというわけには行かないんだろうなあ。
日本の風景をたっぷり吸い込んだ音楽、というのは、今の音楽の中にもあるのだろうか。今の若い人たちは、あるいは聞き取ることができているのかもしれないが・・。
*1行目追記しました。最初はこれがテレビ番組の話であることが、全くわからなかったので・・。