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うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

円安容認

2022年04月29日 | 社会・経済

昨年など12時間以上働いていたことを考えると、いまがとても忙しいわけではないのですが、それにしては疲れていて、新しい記事書くこともできませんでした。今朝も目が覚めたのが11時で、それ以後もなんだか体調がよくない。。
連休初日ですが、まあ例年あまり関係ないし、月曜はたぶん超激務だろうし・。
きょうはいちにち静養。

というぼやきはともかく。



金融政策決定会合ですが(急に話が変わりますが)、引き続き緩和姿勢継続ということで、ドル円が131円まで下落しています。エネルギー、食品などの値上がりにより、インフレーションは進んでいますが、いわゆるコストプッシュ型のインフレで一時的なものだというのが日銀の見解です。

実はアメリカの四半期GDPも第一四半期がマイナスになっています。アメリカの場合はコロナ後(ではないが)の消費の回復力が強く、こちらはデマンドプル型のインフレで人件費(賃金)も急上昇しているのですが、相次ぐ利上げで住宅ローン金利が上昇、先行きの景気に警戒感が広がりつつあります。

この米の利上げと日本の緩和継続による金利差が、図式としては円安を呼ぶ要因となっています。インフレは世界的な傾向であり、日銀は国内の長期金利上昇を強引に抑えようとしている。

ここで利上げをすれば、コロナ禍で体力を奪われた企業に打撃を与えかねない。というのもありますが、企業だけではなくというか、金利が上がれば国債費も上昇します。日本の国債残高はGDPの2.6倍に達しており、先進国の中でも突出しています。

金利が上がれば、理論的には株価の下落要因になります。新規買い入れはほとんどなくなりましたが、日銀の上場投資信託(ETF)残高は36兆円〈昨年9月末〉に達しています。国債の買い入れも減少しましたが、残高は昨年末で500兆円。国債は償還により残高が自然に減少しますが、ETFを中央銀行が持ち続けることには色々と弊害もあり、株価が下落すれば日銀のバランスシートを毀損する恐れも出てきます。



ということで、日銀としては機動的に金融政策をとりにくくなっているのか、というのがうさぎ的な解釈でした。

いちおうナラティブとしては成り立ちそうです。GW中は商いが薄いので、円を大きく売り込む動きが出るのでは、という日銀関係者もいるという事ですから、的外れとは言えますまい。

とはいえ、先の米景気のこともありますが、この先一本調子で日米金利差が拡大し続けるのか、米景気が金融引き締め下でも順調かどうかはわからない。
あとは戦争の先行きとかもね。。


ちらちらと見聞きしたところでは、エコノミストのエミン・ユルマズさん(元野村証券)は、日銀の政策を強く批判しています。自ら円の価値を毀損していると。母国であるトルコがとった低金利政策(によってトルコリラは一時大きく下落)と同じことをしているといいます(NHKのインタビュー)。

月曜日にシンクタンクの方のセミナーを受講したのですが、この方によると黒田日銀総裁の政策は、任期の途中から様変わりしている、現在でも他国にくらべ、最も柔軟な政策実施の余地を持っている、と言います。現状の円安、インフレ高進状況もすべて見越したうえでの政策施行であると。

ただ、リスクとしては今後、日銀への批判が強まる(既に悪い円安という言葉が新聞でも連日見られるように)、それに伴い、現総裁の任期終了(1年後)を期に政策の変更を迫られる可能性がある、との見立てです。
というより、それを見越したのが今の政策なのかもしれません。

悪い円安と言う言葉ですが、為替レートと言うのは様々な経済活動の結果として出てくるもので、単に中央銀行の政策を変えることで(長期的に)変えられるものではない。この方によれば日本は既に10年ほど前から(円高を導く)活力を失っており、今の円安(と50年ぶりと言われる購買力平価)は必然であるという見立てです。

同じようなことは伊藤元重(東大名誉教授)さんも言っていました(産経新聞)。

ミスター円、榊原英資氏も、現在の為替の状況はかつて(プラザ合意の頃)とは著しく変わっている、今日米政府が協調介入しても実効性はないだろうと、どこかで語っておられました(NHKのニュースだったかな)。どのくらいがドル円の適正レートかは、現時点では何とも言えないとも。



国としての実力が低下しているという事実は、こうして聞いてみるとある種感慨深いものはあります。長いレンジでいえば平成30年間、もう少し絞れはこの10数年間でいろいろな指標が落ちましたね。。

一人当たりGDPも、平成の前半には10位以内に入るときがありましたが、今日本は30位ぐらいで韓国と同じか下。シンガポールが日本の2倍です。
シンガのクライアントや見込み客ともやり取りしていますが、相手のメールのテンポがとても速くて、なんか自分たちがぐずでのろまな日本人のような感じがして気おくれがします。。

ネットでは声高に日本批判をする人、逆の人、いろいろいますが、じゃあそういうひとが稼いでるかっつったらねえ。。

だけど、まだこれからなのかもしれませんが、とりあえず今はインフレもそう劇的ではない(海外ニュース見ていると欧州でもひどいことになっている。独仏はガソリン280円/lとか)し、いちおう平和だし。

結局、昔からずっと言われていることに帰るような気がします。各自が人生で一番大事なことを追求せよと。
それだって、できる環境ならいいんですけど、戦争が始まったらおしまいですからね。。
コメント (2)
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