うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

歳末音楽

2017年12月29日 | 音楽

年末といえば第9番「合唱」だが、僕は実演をもう長いこと聞いていない。20年以上前、スヴェトラーノフ指揮NHK交響楽団の演奏を聞いたが、NHKホールは音響いまいちで、あまり堪能できなかった記憶がある。

それと、毎年チケットを取ろうとして失敗しているのだが、大みそかにベートーヴェンの全交響曲連続演奏会がある。たしか岩城宏之さんが始めて、今はコバケンさんが毎年担当されている。聞きたいのだが、年末は色々予定も立て込んでいて、果たせていない。

そんなわけで?先日車でちょっと遠出したときは、ベートーヴェンの交響曲ボックスセットを持って順番に聞いていた。

以来、うちにある全集をすこしずつまとめて聞いている。全集は何セットあるのか、よく覚えていないが、3セット目はセル・クリーブランドのもの。これ、音以外は一番好きですね。最近のリマスタリングされたものは、もっと音がいいのかしら。

実は順番が逆なのですが、その一つ前に聞いたのが、こちら朝比奈隆・大フィルの90年代初めごろの演奏。

これが朝比奈氏にとって5番目の全集だが、このテイクが話題に上ることは少ないようだ。

ほぼ同じころの、新日本フィルとの演奏。先の全集よりもこちらのほうがずっと有名で、ネットなどでも取り上げられる機会が多い。

これもリマスタリングで音が良くなったと聞くが、手持ちのは古いもので、全体にオフマイク気味であまり芳しい録音ではないという評判もよく聞く。

が、今回聞いてみて、一番目からうろこが落ちたのはこれだった。世評通り素晴らしい演奏だ。

録音は’88年から’89年にかけてで、ちょうど昭和から平成になるまさにその節目のころだ。サントリーホールも、開業間もないころだ。

ああ、あの頃ねえ・・と、ちょっと遠い目になってしまうが、多少のスノビズムやらなにやらはあっても、あの時代、経済や技術の面で世界中から注目を集めるようになっていた日本は、文化芸術に対してももっと関心を持ち、育成を図るべきだという、なんというか、余裕のようなものがあったと思う。その残り香は90年代の前半ぐらいまでは感じられたのだが、ちょうど阪神大震災のころぐらいから、それも変わってきてしまったような印象がある。

それでこの、キース・ジャレットのソロピアノもまた思い出して聞いてしまった。

こちらも’87年春のサントリーホールでの録音だ。まだ僕はキース・ジャレット知らなかったので、聞くすべもなかったのですが、あの時代の空気はなんとなく覚えているので。。

まあ、昔の話ですねえ。

 

コメント
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