クリント・イーストウッド監督 2011年の映画。 主役はレオナード・ディカプリオ。
BSで深夜にやっていて、途中から見始めたし最初は見通すつもりもなかったのだが、なんとなく最後まで見てしまった。
ので、断片的でかつ話の本筋とはずれた見方になってしまうが・・。
エドガーとはFBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーのことである。長期にわたり権力を持ち続けた、毀誉褒貶の多い人物であったらしい。また、同性愛の傾向があったようで、映画でもそれをほのめかすシーンが描かれている。
一方で母親の強い影響下にあり、男らしくあらねばという気持ちも強く持っていた。生涯私設秘書として務めたヘレン・ギャンディに求婚をして断られてもいる。
このヘレン・ギャンディ(ナオミ・ワッツ)の演技、特に年齢を重ねてからの演技がとても気になった。エドガーとヘレンは私生活をともにしているわけではないのだが、ヘレンは職場ではいわばオフィス・スパウズとして、あるいは実際の夫婦よりも精神的に強いつながりを深めているように思える。
エドガーのいわばパートナーと目されるクライド・トルソンとも、後年は枯れたつながりになっていく。この辺の描き方は、年輪を重ねたクリント・イーストウッドならではの描き方という気がする。
この映画は、どうやら「高齢者映画」であるようだ。肉体が衰えていく中での精神的な関係性の純化、力を失うことへの恐れ、さらにはその受容、という過程こそが、イーストウッドの描きたかったこと、と言ったら、うがちすぎといわれるだろうか?