ウリパパの日記

自由気ままに・・・

トリノ・エジプト展

2009-09-12 14:18:06 | 展覧会
今週木曜日、上野の東京都美術館で開催されている「トリノ・エジプト展」を見学してきました。お目当ては、門外不出のツタンカーメン王の石像「アメン神とツタンカーメン王の像」。平日ということもあり比較的空いていて、じっくり楽しむことができました。

何故イタリアにエジプトの遺産が? 
イタリアのトリノはサボイア家のサルデーニャ王国の都として栄え、1861年から3年あまりイタリア統一後初の首都がここに置かれました。ナポレオンのエジプト遠征に従軍しフランスのエジプト総領事となったベルナルディーノ・ドロヴェッティがエジプトで収集したコレクションが、サルデーニャ王国によって購入され、現在のトリノ・エジプト博物館の中核となったそうです。ドロヴェッティの収集品には数多くの彫像やパピルス文書など貴重な作品が多数含まれています。

今回のトリノ・エジプト展には、大型彫像やミイラ、彩色木棺、死者の書、パピルス文書、ステラ(石碑)など、1824年の博物館設立以来、館内ですら動かされたことがない作品を含む選りすぐりの名品約120点が日本で初公開されています。

彫刻ギャラリーでは、照明や鏡を駆使した演出により数々の彫像が浮び上がっています。「アメン神とツタンカーメン王の像」は王よりもテーベの主神アメンのほうが大きく表現されています。そして王はアメン神の肩を抱いているのですが、アメン神は王に触れていない。これらはアメン神に対するツタンカーメン王の従属関係が示されているとのこと・・・
金属光沢のある石材から作られた「イビの石製人型棺の蓋」は高さ2m近くにもなります。「オシリス神をかたどった王の巨像頭部」は頭部(立像の一部)だけで1.5mの大きさで、当時神殿に建てられていた姿は想像を絶するスケールだったに違いありません。ライオン頭のセクメト女神の石像も印象に残っています。

彫像のほかにもヒエログリフが刻まれた石碑、木棺、石棺、ミイラなど古代エジプト文明に触れることができました。このトリノ・エジプト展は東京では10月4日まで開催され、仙台、福岡、神戸、静岡と約1年かけて日本国内を巡回します。

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