60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

読みとチャンキング

2007-04-01 23:19:45 | 文字を読む
 「4756892183」というような文字列を読んでから、数字を見ないですべてを復唱するのは困難です。
 ところが「475 689 2183」と区切ってあれば、読み方も区切って読むので記憶しやすく、復唱もしやすくなります。
 心理学では短期的に記憶できるのは7つ前後としていて、「4756892183」は10個の数字ですが区切りを入れて三つのかたまり(チャンク)にすれば、覚えられるといいます。
 
 文字列で「KHNMBIOPNASUASIV」というような場合は、14文字ありますからとても覚えられません。
 しかし「KH,NM,BI,OP,NA,SU,AS,IV」と2文字づつに切れば7個の文字列となりますがやはり覚えにくいでしょう。
 同じ7個の文字列でも「K,F,D,H,J,C,X」なら覚えられるのですから、二つづつにまとめてもKHとかNMといった無意味な文字列はなじみがないので覚えにくいのです。
 区切り方を変えて「KHN,MBI,OPN,ASU,ASIV」として逆から読めば「VISA,USA,NPO,NHK」となるので簡単に覚えられます。
 意味があって4つぐらいのかたまりになれば楽に覚えられるのです。
 
 意味のあるかたまりに分けて(チャンキング)見れば、頭に入りやすいというのは、文章を読む場合も同じです。
 図の例では一番上の場合は、区切りがないので少し読みにくくなっていますが、漢字かな混じり文の場合は、漢字が区切りの役割を果たしているので何とか読めます。
 二番目の場合は区切りと句読点があるのでさらに読みやすくはなっていますが、区切りが細かすぎてかえって読みづらい部分があります。
 三番目の場合ぐらいの区切りであれば、区切られた部分がそれぞれ意味のまとまりを持つので読みやすくなります。
 実際の文章では句読点だけがあって、空白の区切りはないので、意味のまとまりによる区切りは読む側が判断してつけなければなりません。
 
 意味のまとまりに分けて見るためには、文章の文字を頭から一文字づつ読み取っていったのではなかなかうまくいきません。
 ひとつの文全体か、少なくても句読点で区切られた区間全体を見て判断する必要があります。
 そのためには視幅を広げて、一行の一度に目に入る文字数をある程度多くしておかなければなりません。