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視覚イメージのグループ化と同化効果

2006-07-04 23:30:43 | 視角と判断

 A,B,C,Dの背景はすべて同じ濃さの灰色です。
 また、円形もそれぞれ同じ濃さの灰色で、上の小さな長方形も円形と同じ濃さの灰色です。
 ところがAの長方形とBの長方形と比べると、Bのほうがかなり明るく見えます。
 また、Aの円の左半分はBの円の右半分とを比べれば、Bのほうが明るく見えますが、これは横線の色に影響されたものと考えられます。
 横線がある部分は横線の色に同化して、A の場合は左が暗く見え、逆に右半分は明るく見えます。
 Bの場合は右半分の明るさが強調され、左半分が逆に暗く見えるのでAの左半分とBの右半分を比べればかなりの明るさの差が感じられるのです。

 C の場合はA と同じようですが、横線に黒い枠がついて枠がついて、ちょうど金属の網がで半分が隠されているように見えます。
 そのように思ってみると左半分は網の隙間を通してみているような感じになり、右半分と左半分は同じグループだと感じますから、色の濃さも同じに感じます。
 Dの場合は白い枠がついて、白い網のように見えます。
 これも網を通して見るつもりで見ると、左右が同じ濃さに感じます。
 CとDの網のかかっていない部分を見比べるとややDのほうが暗く見えるのですが、ほぼ同じ濃さに見えます。
 
 そうするとCの左半分と、Dの右半分とを見比べた場合、同化効果があるのでDのほうがやや明るくは見えるのですが、ほぼ同じ明るさに見えます。
 AとBの場合に比べれば明暗差を感じなくなっているのです。
 横線の部分がひとつのまとまりになり、網のように見えて円やその上の長方形とは切り離され、別のグループとみなされるので、同化効果が薄れるためです。