海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

国産材の需要拡大

2007年11月25日 23時02分26秒 | 木材
木の芽会の仲間とじっくり話をした。

今の日本は、何かがおかしい。生産者である林業家の方が、儲かっていないというよりは、林業で生活ができない状態なのだ。

禿山がどんどん増える。再造林されなければ、さまざまな弊害や災害がでてくるのだ。

苦肉の策として、自治体が補助金を出して未植地に再造林をするというのだ。

懸命に造林してきた林家には、「頑張れ!」と言って、再造林をしていない方には補助金をと言うやり方はおかしいと異論を唱えたそうだ。

確かに彼の話には、一理ある。といって、未植地にしている地主に罰をと言う話にはならないだろう。

宮崎県木材技術利用センターの有馬所長は、杉山が未来にはメジャーも狙う資源になると話をしていた。安い山を一括購入して寝かせておくだけで、資産が増えるかもしれないのだ。

拡大造林時代は、植栽した杉が何倍にもなって返ってくると信じて植林した人たちにとってその話はまったくないと言い切れるだろう。

しかし、それは、戦後、焼け野原になった町を復興させるために木材の需要があり、右肩上がりで伸び、価格も上がるという目論見があったのだ。

木材は、世界経済の中のひとつで日本だけの需要で価格を予想するのでは、価格を当てはめることはできない。

それは、現代でも同じことのように思える。

投機的な見方をすれば、日本の山は、間違いなく「買い」であり、木材を建築資材だけで考えてはならない。

これからの視点は「エネルギー」なのだ。

世界中の科学者が、バイオマスに走っている。当然、食料の穀物でエネルギーを作り出す技術ができても使えない。日本の採った原子力が最有力だろう。しかし、コレも貴重な資源でいずれは、枯渇する。バイオマスが優れているのは、循環できる資源だということだ。

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5 コメント

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時間 (トニー)
2007-11-26 11:00:44
木が成長して収穫できるまでにはずいぶんと時間が掛かります。農作物と違いがあります。植えてから収穫するまで、社会情勢が変わります。昭和初期までは、情勢の変化のスピードが緩やかだったが、急速に、極めて急速に変化していて、木の成長スピードでは対応できなくなっているのではないでしょうか。外材価格で国産材の価格が決まり、人件費や原油の価格により生産や輸送コストは変化します。でも、木の成長スピードは、なんら変わらないのですから。
各論者の皆さんは、国産材の生産、加工、流通が社会経済の変化に対応できていないから遅れたといっています。
林業家は木を見るのです。木の成長スピードは変わらないのに、環境がものすごいスピードで変化している。業界の怠慢という批判だけでは片付かない部分もあるのです。
バイオマスに関しても成長スピードを考える必要があります。保育コストも考える必要があります。換金できるのは数十年先です。ということは、現在のha当たり100万円程度の収益では、林業単独では個人でも350㏊ぐらいないと林業が成立しなくなります。
農家林家で生計を成立させることか兼業林家が生計を立てる手段になります。農業を拡大すれば、林業はおろそかになる。サラリーを重視しても同じ。
農業は樹木作物以外は単年度計算でき、サラリーは一定の見込みができます。林業は計画通り進めたり、その計画を修正するのが厄介な業種です。
業界の努力だけで乗り切れるのでしょうか。
林地残材や間伐材をバイオマスエネルギー資源としてボランティア搬出する活動が高知県などで大変盛んになってきています。山林を経済として回していくというものではありませんが、エネルギー利用としては大変有効だと思います。林産物をバイオマスエネルギーにするには当面このような方法しかないような気がします。なんといっても、価格を決定する相手が石油資源であり、本はタダの資源だからです。木材を生産運搬するにも石油が必要だし・・・。
とにかく、資源として木材を使って欲しいです。環境のためにボランティアをやってくれている方、もっともっと木材の活用を広報宣伝していただきたいです。1日でも早く、1本でも多く。
木材の需要が増えて、価格も上がってくれれば、生業として成立する、又は維持する可能性が増えます。
生計を維持する仕事として成立することが、山林がそして環境が持続し、次世代に継承できる最良の方法だと思います。
みんな分かりきっていることを、取りとめもなく書いてしまいました。失礼をしました。ブログ管理者の海杉様、もしも、当たり前のこと過ぎてブログの趣旨に載らないようでしたら、削除をお願いします。
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トニーさま コメントありがとうございます (海杉)
2007-11-26 12:54:53
「伐ったら植える」当たり前のことが当たり前でなくなったとき、変化が来ているのと感じるのでしょう。しかし、それでは、手遅れなのです。その前に何かを進化させないとならないのです。

種が絶滅から逃れる方法は、ひとつ。強いものでも、頭の良い、要領の良いものでありません。変化を感じ取りその変化に対応できるよう自分を作り上げることにできるものでしょう。

ある映画でミルクのビンに落ちたかえるの話がありました。ミルクのビンから這い出せないかえるは、もがいてもがいて、とうとう、ミルクをヨーグルトに変えて這い出したそうです。

例えは、悪いかもしれませんが、私も林家の人もとにかく、何が何でもやると言う意思がなければ、何も変わることもないと思っています。そのために、何をすべきかを見失っている林家が多いことに先行きの不安を感じています。

このブログでも、もっと夢のある話をしたいです。
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 (トニー)
2007-11-26 13:18:31
死んだ爺さんはきっと何十年後かにえらい銭になると思って木を植えた。親父もそうだと思う。ここに夢がありました。たぶんそのころ思い描いていたような銭にはならないけど、資源として使うことも夢の1つではないでしょうか。弥良来杉、鳥居、百葉箱、木道、実現可能なことですね。もうこれは夢ではないかも・・・。私の家は、ひい爺さんが茶商、爺さんと親父が農家林家、私がサラリーマン(ほとんど農業と林業はやったことがない)と変化してきています。何をすべきかを見失っている者の一人かもしれません。でも、こうしないと生活できないことも事実なのですが・・・・・・・・。
様々なメーカーが製造品の消費(需要)拡大のための努力をし、生産活動を持続、継続しています。鉱物や金属系の製品は開発と同時に生産ができます。木材は、その生産に数十年掛かりますが、国産材は出来上がっています。
原材料として使えるのです。
住居、店舗、外構材、鳥居、百葉箱、木道など何でもOK。
いまやっと、使っていただける時が来ています。
何をすべきか見失っている自分をもう一度見つめなおしてみたいと思います。
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トニーさま コメントありがとうございます (海杉)
2007-11-26 15:32:45
海杉は、林業でも木材業の人間でもありません。でもこうして、何か情報を発信しているとそれだけで、人が集まります。「自分で何かしたいのだけども、何をして良いのか??」と言ってくるのです。

遠くから訪ねていただいた方にこう話をしました。

「焦ることはない。今、あなたのやろうとしていることは、日本では初めてのことだから・・・」

自分を見つめ直すには、自分のスタンスを漢字に表してその漢字の持つ意味を自分なりに作る作業をしてみる。昔の人は、なぜその文字を作ったかじっくり調べる。

トニーさまなら
「茶」と言う漢字にどんな意味が、歴史があるのか調べてみるのも良いでしょう。林業がなぜ?森業ではないのか。木業がないのは、なぜか?などです。

他愛もないことかもしれませんが、海杉は、海杉なりの言葉をもって話をしたいと考えます。

小さな発見が自分に自信と勇気をくれるのです。

トニー様のコメントは、海杉に大きな勇気をくださいます。ありがとうございます。
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国産材需要拡大 (トニー)
2007-11-26 18:08:09
何でもいいのです。木材が他の材料に取って代わられたものを復活していただければ・・・。特に、都市デザイン空間に木材が利用されると本当にうれしいです。スギダラの内田洋行との連携など、その優れたデザインを拝見すると希望がわいてきます。生産地には需要が少ないです。人口の多い、人間の活動が多い都市や人が集まる場所で木が使われるのは本当にありがたいです。都市には資本もあります。東京のお台場にいくとどこかここかに国産材が使用されているところがあります。ウッドデッキを見たときには、これが弥良来杉なら・・・と思ったものです。
スギダラや海杉さんのブログを、高いセンスと見地そして高い見識を持った方々に見ていただき、多くの賛同を得られていかれることを期待します。
国産木材の感触や香り、木目の美しさなど日本人のDNAに訴えるものは計り知れないでしょうし、外国人への日本国の文化伝統をアピールするにもどうしても必要なツールになると思います。
自分でも、活動をしていけばいいのですが、今はこうしてコメントを投稿するだけです。すいません。今、行動されている方々、私もやがて活動を開始したいと思っています。そのときは更にお世話になります。
今は、何も活動をしていませんので、評論家みたいなコメントを投稿してしまいます。実際に行動していけば、別の角度から感じることがあると思います。今は、この程度で失礼をさせていただきます。
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