海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

エクステリアウッド講習会2

2009年03月14日 04時56分10秒 | 弥良来杉
木材は、屋外に置くと水にも弱いが、土にも弱い。
外国の規定では、木材を土と接触させては、ならないとある。昔の家が、掘った穴に柱を入れた掘立て式であった。その工法が進化して石の上に柱を置く形式になっている。どちらも木材を立てて使う工法だ。
なぜ、土に接触させないようにするかと言う理由だが、大きい理由は、シロアリによる被害を少なくするためだ。そのほかにも腐朽菌が、土中には生息しているため腐り易い環境にある。

ウッドデッキも束石と呼ばれるコンクリート製の上に柱や束を立てる。木材の使用で強度が欲しい箇所は、木材を立てて使うことが原則になっている。木材は、繊維方向の力に対しては、かなりの抵抗をしてくれる。圧縮力や引張り力に強いと言うことだ。しかし、繊維に対して直角方向には、強度もあまり出ない。ここが、弱点であるが、屋外にも同じことが言える強度だけでなく、腐るという現象でも木材は立てに使うよりも横のほうが弱い。

これは、木材の導管と呼ばれる繊維と関係する。導管は、ストローの束ねようなモノで横にした木材に水や水分が入るとなかなか抜け切らない。時代劇で悪人が逃げる時に立ててある材木を倒して逃げるシーンがある。今も木材は立てて乾燥や保管をしている。

この時、注意しなければならないことが、天地を間違えないことだ。天地とは、末口、元口のことで、もともと木が立っていたときに地面に近いほうが元口で逆が末口となる。なかなか素人では、わかりにくいものだが、杉であれば年輪の幅の大きさや赤身の濃さなどで判断すると良い。

どうしても土に接触させなければならないとき、多くの方は、銅板を捲いている。銅は、錆びると緑錆と呼ばれる緑色の錆を発生させる。これが、毒で大抵の腐朽菌やシロアリをよせつけなくする。腐りやすいところに銅板を葺くのは、このためです。神社で垂木などの雨水があたり、腐れ易いところに付けている。

蛇足だが、屋根に銅板を葺くのは、緑錆起こして膨張させて接合部を一体化させる自然力を生かした防水工法で銅を葺くと早く緑色になれと思うのだが、最近は、酸性雨の影響か緑色にならない。

よく、土に接触するところは、松でと言う注文がくる。素人の方は、松が屋外に強いと信じている方がいる。これは、厳密に言うと間違いです。昔、松は、杭に使用されていました。昔の堤防の杭は、間違いなく松です。松脂が水分を入れないと言うことなのでしょうが、松も簡単に腐ります。土中に入れる杭は、必ず、地下水面よりも下に入れなければならないのです。これが、大原則です。水の中の木材は、腐らないものです。腐朽菌は、カビやきのこの一種ですので、養分と水分と酸素が必要です。この3つのうちどれかが欠けても、繁殖はしません。ですから、松杭は、地下水面下まで打ち込むと何百年もそのままの形状ででてきます。

木材は土に接触することによって、水分や養分もちろん酸素も揃うことができ、腐りやすい環境になってしまうということなのです。

シンプソン金物でも柱を差し込んで柱を浮かすような「柱受け金物」がありますが、下部にアジャスタがついて高さの調整ができるタイプもあります。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 若山牧水全国こども短歌コン... | トップ | 建築雑誌 もくたろ 創刊 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿