木材に性能設計を求めるのは、酷過ぎると言う意見もあるが、私自身は、そうは、思っていない。
と言うのも、木材に求めているのではなく、木材を扱う人に求めているからだ。
性能設計で一番大切なことは、何を求めているのかをはっきりさせることだ。
その点が明確でないとどれでも良いと言うことになる。
木材の関係者は、「とにかく木材を使え!!」と叫ぶが、設計をする、管理をする側のあとのフォローを全く考えていないのだ。
国産材が次第に使われなくなっているのは、そんなことからだろう。
一度使って痛い目に遭った人は、二度と使わないという現実を早く知って欲しいと思うのですが・・・。
一番嫌いなのが、ポリティックスな力を使って木材を使わせようとすることだ。外郭団体が良く使う手だけれど・・・。
そうすると大量に使用するが、次がどうにもならなくなる。簡単で楽に木材が使われる分、管理者は、ひどい目にあう図式だ。
性能設計で勝負すれば良いのだ。管理者が少しでも管理しやすいように・・・。
木材で求めるものは、強度、品質、メンテの方法だろうか?耐久性という曖昧な表現がある。
品質は、サイズであり、JASに示される等級区分だろう。乾燥の度合いを示す含水率もこの品質に入る。
強度は、一般的には、ヤング系数で示されるが、最近は、せんだんや曲がり強度も求められるようになった。
メンテの方法も木材ではあまり確立されていない。ノーメンテと言うわけにはいかないが、それなりに定期的な点検は必要だろう。
耐久性を聞かれる。
何を持って耐久性なのだろうか?
木材にとってその材がおかれる環境や状況で全く違うと言うことも知ってもらわなければならない。
同じ場所でも木材の置き方だけでずいぶん違う。立てにするか横にするかだけでも・・・。
耐久性をどこまで求めるのかが、性能設計の肝心なところになる。
10年は、取り換えをしない設計にして欲しいと条件をつけるなら、10年後にどうするのかを知る方が良い。
つまり、5年の耐用年数の材で100万円と10年保証の材で200万円は同じなようで違うのです。
材料代だけで考えると通常、塗装が、2対8と言われています。材料費2に対して人件費が8。
木材で作り上げるにしても、3対7くらいにはなるでしょう。仮に5対5としても、5年の耐用年数の材と10年保証の材は、10年目で5年の耐用年数は、600万円、10年保証は、10年経っても300万円なのです。しかも、10年経っても保証が切れるだけで10年目にも、問題ないと言うことが保証されているのですから、管理者には負担がないと思います。
性能保証が、如何にコスト削減が可能かわかっていただけたでしょうか?
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